「グラリラー」
データ
図鑑No. | No.812 |
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分類 | ドラマーポケモン |
タイプ | くさ |
高さ | 2.1m |
重さ | 90kg |
通常特性 | しんりょく/グラスメイカー(隠れ特性) |
タマゴグループ | 陸上・植物 |
他言語版の名称
英語 | Rillaboom |
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進化
概要
サルノリの最終進化形で、可愛らしい子猿から新緑をまとった逞しいゴリラとなった。
ナマケモノとの複合であるケッキングを除けば、これまで何気にいなかった正統派なゴリラモチーフのポケモンである。
バチンキーまでは緑色だった体毛も黒を基調としたものへと変わり、昨今のポケモンの中でもモデルになった生物にかなり近い姿を持つ。一方くさタイプらしく頭部からは深緑の葉のような頭髪が著しく伸びており、額の辺りは蔓が前髪のように垂れている。
この一族はサルノリの頃からリズムよく枝を振るうことで植物を活性化させる力を持っており、ゴリランダーの場合は「切り株ドラム」を木の枝のスティックで叩いてリズムを刻む事で、強力な音波エネルギーを放ったり、切り株の根を操って相手を翻弄したりと、それまでに培った演奏テクニックを遺憾なく発揮したバトルを披露する。
そして最も優れたリズム感を持つものが群れのボスとなるようだ。
「森の賢人」と呼ばれる現実のゴリラよろしく性質は温厚で、些細な争いごとには関わらず、グループ内の調和を重んじているなど悪戯好きなサルノリの頃と違い、落ち着いている。しかしそれを乱そうとする者には激しく牽制し、仲間の危険には猛然と立ち向かう強い連帯感を持っている。
名前の由来は「ゴリラ」+「乱打」+「ハイランダー」または「コリアンダー」と思われる。
実のゴリラが行う、胸をたたく行為「ドラミング」もモチーフに含まれているのだろう。
また、ポケモンバンド「マキシマイザズ」のドラマーとして活動している個体が登場することから、ロックバンドのドラマーもモチーフの1つになっていると思われる(実際、ガラルのモデルであるイギリスは、アメリカ合衆国と並ぶロックンロールの発展の地として有名である)。
映画『ココ』でも、あるシーンでバンドのドラマーとして登場する一幕があったりする。
色違いは髪の色が金髪のような黄緑色になるが、どう見ても伝説の超サイヤ人である。
性能
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 | |
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ゴリランダー | 100 | 125 | 90 | 60 | 70 | 85 | 530 |
カプ・ブルル | 70 | 130 | 115 | 85 | 95 | 75 | 570 |
両刀寄りの種族値になるのが御三家の伝統だが、同期のエースバーンとともにそれを覆すかような無駄のない物理特化の配分となった。
巨体に見合わずそこそこに素早い上、高い耐久と攻撃力を備える。
また、攻撃しつつ確定で素早さを下げる専用技ドラムアタックがシンプルながら強力であり、サブウェポンもなかなか豊富である。
タイプとしては不遇気味な単くさでありながら、高いポテンシャルを誇るポケモンと言えるだろう。
対戦でも専用技の強力さから、当初はガラル御三家トップの人気を集めていたが、しばらくしてダイジェットが流行し始めた事で使用率が一気に落ちてしまった。
しかし、カプ・ブルルのお下がりであるグラスメイカーが解禁されてからは、元々のスペックの高さと後述の新技から大きく注目されることになる。
鎧の孤島で追加された新技「グラススライダー」はグラスフィールド下で使うと威力91の先制技になる(火力指数で言えばあのファイアローのブレイブバードに匹敵する)。
これに加えグラスフィールドの影響を受けない地面技である10まんばりきに、ねこだまし、ちょうはつ、はたきおとす、とんぼがえりといった小技も充実しており、単純に殴るもよし、撹乱もよし、やどみが戦法もよしと高いレベルで様々な戦術を展開できる。
同期の脳筋ゴリラとは真逆である(あちらも小技はそこそこあるが)。更にダイマックス技「ダイソウゲン」の追加効果がほぼ死んでるゴリランダーにとって後述のキョダイマックスも利用しやすい、とここでも追い風要素が。
また、さりげなくフィールド展開特性かつねこだましととんぼ返りが使えるという個性があり、一定の使用価値が確保されている。(現時点では他のフィールド展開特性や天候特性にはねこだましと蜻蛉返りを両立するポケモンはいない。コケコはボルトチェンジやとんぼ返りは使える。イエッサンはねこだましは覚えるが、サイコメイカーのため相性は悪い。)
ただし、ゴリランダーはカプ・ブルルと比べると素早さが高いので、フィールドの取り合いに持ち込まれると若干不利である点には注意。まぁこの素早さ帯にはメーカー特性が同速のイエッサンぐらいしかおらず、カプ・コケコやカプ・テテフより遅いためフィールドを取れる可能性は高いが。
その他ネックとしては、やはりくさ単体という攻守ともに難があるタイプというところだろう。
くさ技は半減が7タイプと非常に多く、さらに1/4に抑える複合タイプも多い。抜きんでて高火力なのはあくまでくさ技ひとつに限った話で、その他サブウェポン類は威力がそこまで高くないので、くさ技が等倍以上で通らない相手には途端に火力が落ちてしまう。
特に本作ではダイジェットが非常に優秀な関係で一致で使えるひこうタイプがエースに採用されやすく、ゴリランダーはひこうタイプに弱点を突ける技も覚えないので攻守両面で不利。特に冠の雪原で復活したファイヤーは草技が1/4かつ接触技が多い関係で隠れ特性のほのおのからだでやけどを狙われるという、ゴリランダーにとっては天敵ともいえるポケモンである。
そうでなくてもダイジェット用にひこう技を採用しているポケモンは数多いため、防御面ではとにかく弱点を突かれやすい。ここら辺はかつての先制技ぶっ放しポケモンにも全く同じ事が言える。
環境上位にはくさ技を半減以下にするポケモンが多い、というよりゴリランダーが躍進してきたためにそのようなポケモンが増えてきたため、単体では意外とその攻撃性能を発揮しづらい。
とんぼがえりなどの小技を駆使してパーティ全体でくさ技の一貫性を作り出しながら戦うプレイングが必要な、「みんな大好き高火力アタッカーでありながら、くさタイプらしくテクニカルに攻める」というのを体現したポケモンと言える。
ウーラオスや鎧の孤島での教え技などが解禁されたシーズン8ではなんとシングル2位、ダブルに至っては1位という快挙を成し遂げている。環境もゴリランダーのグラススライダーを耐えられないみずタイプが一気に減るなど環境に与える影響は大きい。
ただ、あまりにも猛威を振るいすぎたためか、ランクバトルのシリーズ6では、「ポケモンホーム」のバトルデータでランキング10位圏内に入ってしまった(=対戦環境で好んで使用される傾向にあると判断されてしまった)ために使用することができなくなってしまった。残念。
その後多くの準伝説が冠の雪原で解禁され、ランドロス等強力なひこうタイプが増えることから活躍は落ち着くかと思いきや環境最上位に君臨したサンダーのボルトチェンジが半減で受けられるという点で再評価。ダブルバトルでもレジエレキのでんき技を半減で受けられるのは評価が高い。これらの点から多くの準伝説と互角に渡り合いシングル、ダブルともに使用率はトップ10入りしている。
さらに、禁止級伝説ポケモンが解禁されたシリーズ8でも、強力な伝説のポケモン達を抑えトップ10入りを果たしている。この順位は伝説のポケモン最強候補のザシアンを確実に抑えるヌオーやその対策のラプラス、しおふきでこちらのパーティを壊滅させるカイオーガ等がグラススライダー1〜2発圏内であるというのが大きいだろう。
シーズンが進むと流石に草単なおかつダイジェット環境では厳しかったのか、シングルでは17位、ダブルでは6位に落ち着いているが、そもそも草単タイプで現在でもその順位というのがまず恐るべきことである。
かと思えばシーズン21ではあっさりシングル・ダブル両方2位に返り咲いていたりもする。
2021年10月時点ではエースバーンが10〜20位以下に落ちる中、ゴリランダーは依然としてトップ10を行き来し、草御三家にして同期御三家で1位というジャローダ以来の快挙を成し遂げていた。ただしこれはダイマックス禁止環境の中だったということもあり、ダイマックス再解禁後はエースバーンにその席を返すこととなる。
しかし、これは裏を返せばダイマックスさえなければゴリランダーがガラル御三家で総合的に能力が高いと取ることもできるわけで(もっとも、これまでの対戦とは違いカイオーガやザシアンなどの禁伝が解禁されているため一概には言えないが)、
ダイマックスが「ガラル地方のみで確認されている現象」であり、他の地方にもダイマックスがあるとは考えづらいことを考慮すると、そこにガラル御三家が内定した場合、よほど露骨で大袈裟なナーフでも入らない限りはゴリランダーがトップになることが予想される。
このような実績から、対戦界隈では「草単タイプの限界に挑戦するポケモン」と呼ばれているとか。
なお、グラスメイカー使いとしてカプ・ブルルと比較すると、攻撃力は僅かに劣るが素早さは上回り、特にブルルではこだわりスカーフを巻いても抜けないドラパルトを抜けるのは大きい。
反面、素早さが高い関係上、フィールドの取り合いには弱いという欠点もある。小技も充実しているため共演しても競合はしにくいだろう。
冠の雪原ではカプ・ブルルがグラススライダーとじゃれつくを覚えなかったため、むしろ向こうがゴリランダーとの差別化を意識する必要が出てきた。
キョダイマックス
タイプ | くさ |
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高さ | 28.0m~ |
重さ | ???.?kg |
ドラマーポケモン・ゴリランダーがキョダイマックスした姿。
2020年6月実装のDLC「鎧の孤島」を進行する事で、最初に貰ったパートナーへ後天的にキョダイマックスの素養を付与させる事が出来る。
本体の見た目の変化は小さいが、新緑の後髪が大増量して横側の四方へ広がっており、その先端にはスティックが付いて、まるで巨大な4本腕が追加されたような姿となる。また、前髪の蔓も上に伸びている。
キョダイマックスのパワーによって「切り株ドラム」が急成長し、「森のドラム」と呼ばれる自身よりも大きく、森林の如き複雑な形状に変化した。
このドラムの上に乗って一つになることでパワーを増し、こみ上げる力に突き動かされ、一心不乱にドラムプレイに没頭する。
自前の能力で腕状の髪ごとスティックを操る事で、計6本腕の超絶なドラムテクニックを披露するが、そのドラムビートは海を越えてほかの地方へも響き渡り、それを聴いたものは体の奥底から湧き上がるリズムに支配されて踊り狂ってしまうという。
このゴリランダーが繰り出すくさタイプの技は、専用の「キョダイコランダ」へと変化する。
通常版の「ダイソウゲン」よりも高い威力を持つだけでなく、相手のとくせいによる防御を無効化するかたやぶり効果が付与されている。
「コランダ」とは「鼓乱打」の事と思われ、漢字で書くと「巨大(太)鼓乱打」となる。
アニメでの活躍
新無印第59話にてサルノリ共々満を持して初登場。ゴウの夢の中で、なんとゴウの両親が変身した姿として登場した。ちなみに夢の中なので普通に人語を喋っている。夢の中ではサルノリがゴウの弟となっており、世話を託すところで出番は終了。
現実世界での登場は映画に先を越されたが、後にネズが登場した際、バックバンドとして登場したマキシマイザズのメンバーとして登場した。ゴリランダーがメインでバトルで活躍する回、もしくはゴウのサルノリが進化して欲しいところである。
また、新無印101話にてサトシたちが訪れた森のバチンキーたちの長としての個体が登場。
余談
エースバーンやインテレオンに比べてアニメやメディアでの出番が極端に少ない。
この原因として、「ドラムがアクションで動かしづらいからでは?」と囁かれるが、ドラムは移動の際に背中にしまっておいて出し入れできるし、最近はドラム以外の戦法をメインで使うようになったのは上述の通り。また、いらすとやコラボの缶バッジやフィギュア商品の「ポケモンスケールワールド」など、アクションが絡まないところでもハブられている。
上記の通り対戦では同期御三家でほぼ1位の性能をしており、もしアニメやグッズなどメディア展開でエースバーンの代わりに株ポケの猛プッシュを受けていれば、草御三家のゲッコウガやガオガエンのようなポジションになれたかもしれないだけに、非常に残念である。
また、BW2では「意味なく踊るおれたち 意味なくいつか消えるブー♪」と言ってブラックシティ/ホワイトフォレストに続くゲートを塞いでいた謎のダンサーの中年男性7人組が居たが、「あのダンサー達が踊っていた原因はキョダイマックスゴリランダーのリズムがガラルからイッシュまで響き渡った事により踊っていたのでは?」と言う説がある。
関連イラスト
関連タグ
ガラル御三家・最終形態
くさタイプ | ゴリランダー |
ほのおタイプ | エースバーン |
みずタイプ | インテレオン |
草御三家・最終形態
ポケモン | 該当地方 |
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フシギバナ | カントー御三家 |
メガニウム | ジョウト御三家 |
ジュカイン | ホウエン御三家 |
ドダイトス | シンオウ御三家 |
ジャローダ | イッシュ御三家 |
ブリガロン | カロス御三家 |
ジュナイパー(ヒスイジュナイパー) | アローラ御三家(ヒスイ御三家) |
ゴリランダー | ガラル御三家 |
同じゴリラポケモン達
その他
ドンキーコング:元祖任天堂のゴリラ。スマブラSPでは緑色のドンキーコングも登場する。
また、イギリスの会社レア社のキャラクターでドラムを使って(音波で)攻撃することから彼にもインスパイアされていると思われる。
バチンウニ、イエッサン、ガラルマタドガス:隠れ特性でカプ神のフィールド特性を与えられたポケモン繋がり。
ファイアロー:同じく特定のタイプを先制技にする事で環境を荒らし回った第一人者。こちらはちゃんと弱体化を受け、収まるところに収まっているが、ゴリランダーはどうなるだろうか…。
ガランゴルム:植物と共生関係にある、ゴリラ然とした風貌を持つモンスター。