概要
盆の時期に死者を供養するための行事、またその行事内で行なわれる踊り。先祖の霊や精霊を慰め、死者の世界にふたたび送り返すことを主眼として行われる。
地域住民の老若男女が集まり、広場の中央にやぐらを立て、やぐらの周囲を回りながら「盆踊り唄」にのって集団で踊る。歌は音頭取りがうたい、踊り手がはやす。太鼓、それに三味線、笛が加わることもある。
しかし、近年はその場で演奏したり歌うケースはほとんどなく、録音された「盆踊り唄」をスピーカーなどを使って流す事がほとんどである。
曲目は民謡が使われることも多いが、昭和以降の歌謡曲やアニソン、果ては洋楽の有名曲をアレンジして使われることもある。
外国でも南米やハワイなど日系人が多い地域では日系人を中心しとした祭りで行われることも多々あり、「Bondance」として日本で開催されるものを含めて動画サイトで紹介されることも多い。
昭和のテレビアニメでは夏季にエンディングでオリジナルの音頭曲(後述のリスト参照)が当てられてキャラクターが盆踊りをするバージョンが作られることもあったが、平成以降は子供向けの作品でもあまりやらなくなっている。
成り立ち
古く日本人は旧暦の正月と7月は他界のものが来臨するときと考えた。正月は「ホトホト」「カセドリ」などいわゆる小正月の訪問者がこの世を祝福に訪れ、7月は先祖の霊が訪れるものとした。精霊棚(盆棚)で祖霊を歓待したのち、無縁の精霊にもおすそ分けの施しをし、子孫やこの世の人とともに楽しく踊ってあの世に帰ってもらうのである。
こうした日本固有の精霊観に、平安時代より創始された仏教の踊念仏とが結びついて念仏踊りとなり、それに更に盂蘭盆会が習合してより強固な年中行事である盆踊りへと成長した。
踊念仏は盆に踊る例もあるが、死者の成仏祈願に主眼があり、一般に盆踊りとは別のものである。
室町時代以降は、流行の小歌踊などを取入れて多彩となり、娯楽性が強くなった。
出会いの場
盆踊りは、地域の結びつきを深め、帰省した人々の再会の場や、男女の出会いの場でもあった。盆踊り唄の歌詞に色恋を扱った内容が多いのはそのためで、人々は年に一度の盆踊りに様々な思いを託した。
本来、盆踊りの晩(旧暦7月15日)は満月だったため、照明のない時代でも明るく過ごすことができ、月の引力の影響で人も高揚するため、盆踊りには最適だったともいえる。
盆踊りは未婚の男女の出会いの場にとどまらず、既婚者らの一時的な肉体関係を持つきっかけの場としても機能していた。また、盆踊りの晩には大勢の男女がひとつ屋根の下で雑魚寝をし、気に入った相手と一夜の関係を結んだり、ときには乱交に及ぶという風習がある地域もあった。
これらの事から、盆踊りは風紀を乱すとして明治時代にはしばしば警察の取締りの対象となった。これにより衰退し、今では踊るに踊れない人のほうが多い。
代表的な楽曲
民謡系
郡上節
花笠音頭
八木節
江州音頭
歌謡曲・J-POP等
きよしのズンドコ節
ダンシング・ヒーロー:愛知県及び岐阜県の一部など。
チャンチキおけさ
アニソン
オバQ音頭
アンパンマン音頭
踊れ・どれ・ドラ ドラえもん音頭
にんにん忍たま音頭
プリキュア音頭〜スマイルWink〜
ポケモン音頭
祭り囃子でゲラゲラポー