概要
ルーツを『海軍小唄』とするものと、田端義夫『街の伊達男』とするものの2つの系譜がある。
ズンドコ節で有名な楽曲はザ・ドリフターズの「ドリフのズンドコ節」、氷川きよしの「きよしのズンドコ節」など。
海軍小唄
七五調で短調の曲。一般的にズンドコ節として知られるメロディはこちら。
軍歌に分類されることもあるが、作詞・作曲者不明の俗謡。戦地に赴く男たちの心情を歌った歌。
映画『大空のサムライ』で搭乗員たちが歌っている場面がある。
本来は「トコズンドコズンドコ」という囃子だが、「ドリフの~」同様「ズンズンズンズンズンズンドコ」で歌っている音源もある。
銀座八丁
1937年に発売された藤山一郎の曲。『街の伊達男』の原曲とされている。七七調と七五調で長調。特に囃子はない。
- 作詞:宮本旅人
- 作曲:能代八郎
街の伊達男
1947年に発売された田端義夫の曲。
田端が四国巡業へ向かう途中の船で闇屋が歌っていた歌に感銘を受けてブギ調にアレンジしたもの。当初は作曲者不明とされていた。
タイトル通り伊達男の恋を歌った歌で、再販盤からは「ズンドコ節(街の伊達男)」とズンドコ節が主題となった。囃子は「トコズンドコズンドコ」。
- 作詞:佐々木英之助
- 作曲:能代八郎
- 編曲:田端義夫
リメイク版の「新ズンドコ節」、田端と安城美智子のデュエット曲「ズンドコ桜」、ロッククライマーの富岡久也による替え歌「一ノ倉ズンドコ節」、かまやつひろしによる替え歌「ズンドコ人生」などの派生がある。
東京ズンドコ節
1951年に発売された安城美智子と鈴村一郎の曲。「海軍小唄」の替え歌として確認される最古の楽曲。
囃子は「トコ東京ズンドコズンドコ」。
- 作詞:大高ひさを
- 作曲:長津義司
アキラのズンドコ節
1960年に発売された小林旭の曲。「海軍小唄」の替え歌。
「海から来た流れ者」シリーズ第2作『海を渡る波止場の風』の挿入歌である。
チャチャチャのリズムが特徴で囃子は「ズンズンズンズンドコ」。
- 作詞:西沢爽
- 補作曲:遠藤実
- 編曲:狛林正一
ドリフのズンドコ節
1969年に発売されたザ・ドリフターズの曲。「海軍小唄」の替え歌。
1番から順に加藤茶、仲本工事、高木ブー、荒井注、いかりや長介が歌唱、6番は「海軍小唄」の1番を全員で歌う。「元歌!」
テーマは恋物語であり学生(加藤)、下宿(仲本)、新入社員(高木)、ベテラン(荒井)、倦怠期(いかりや)と次第に年齢が上がっている。
映画『ズンドコズンドコ全員集合!!』の主題歌にも採用された。
囃子は「ズンズンズンズンズンズンドコ」。
同一アレンジで元歌の「海軍小唄」をカバーしたバージョンもある。
- 補作詞:なかにし礼
2002年にカリフォルニア・ギター・トリオがこの曲とキング・クリムゾンの楽曲を組み合わせた「Zundoko-Bushi(21世紀のズンドコ節)」を発表している。
また2011年にはレ・ロマネスクがフランス語で歌った「Zoun-Doko Bushi」が発売された。
きよしのズンドコ節
2002年の氷川きよしの曲。「海軍小唄」の替え歌。
曲のテーマも歴代の替え歌を踏襲して若い男女の恋をテーマにする予定だったが、氷川と作詞者の松井由利夫の意向により故郷の母親を思った歌詞が追加された。
囃子は「アキラの~」を踏襲した「ズンズンズンズンドコ」で「きよし!」の合いの手が入るのがお約束。
- 作詞:松井由利夫
- 作曲:水森英夫
- 編曲:伊戸のりお