基礎データ
全国図鑑 | No.0455 |
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シンオウ図鑑 | No.131 |
イッシュ図鑑 | No.289 |
マウンテンカロス図鑑 | No.029 |
ヒスイ図鑑 | No.092 |
ローマ字表記 | Muskippa |
ぶんるい | むしとりポケモン |
タイプ | くさ |
たかさ | 1.4m |
おもさ | 27.0kg |
せいべつ | 50%♂・50%♀ |
とくせい | ふゆう |
タマゴグループ | しょくぶつ |
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
---|---|---|
日本語 | マスキッパ | Dionaea muscipula(学名、ハエトリグサ)+すきっ歯 |
英語・スペイン語・イタリア語 | Carnivine | carnivore(肉食動物)+vine(つる植物) |
ドイツ語 | Venuflibis | Venusfliegenfalle(ハエトリグサ)+Biss(一口) |
フランス語 | Vortente | carnivore(肉食動物)+vorace(大食いの)+tentacule(触手)+plante (植物)+tenter(誘き寄せる) |
韓国語 | 무스틈니 | Dionaea muscipula(学名、ハエトリグサ)+틈새(teumsae、隙間)+어금니(eogeumni、臼歯) |
中国語(簡体字) | 尖牙笼 | 尖牙(jiān yá、犬歯・糸切り歯)+笼子(lóngzi、籠) |
中国語(繁体字) | 尖牙籠 | 尖牙(jiān yá、犬歯・糸切り歯)+籠子(lóngzi、籠) |
タイ語 | มัสคิปปา | 日本語名の音写 |
概要
名前の由来はD. muscipula(ハエトリソウの学名)+すきっ歯と思われる。
でも残念ながらむしタイプは弱点であるし、ハエポケモンは未だ実装されてはいない。まあ初代ではハエとりポケモンなのに虫4倍って言う前例もあったし気にしてはいけない。
そして特性はまさかの「ふゆう」。
図鑑説明には「しょくしゅを きように うごかして あるきまわり」とか書かれているのだが……。まぁ、これにも似たような事例があるので気にしてはいけない。
ちなみに、この特性のお陰でスカイバトルに参加できる。鳥ポケモンにシレッと混じって大空に舞い上がるマスキッパの姿は非常にシュールである。なお、参加可能なポケモンの大半がひこうタイプなので当然ながらタイプ相性は最悪。ますますシュール。
初登場作品は『ダイヤモンド・パール』。シンオウ地方ではノモセ大湿原にのみ日替わりで出現するポケモンで、NPCもほとんど使ってこないので図鑑登録にやや苦労するレアポケモンである(影が薄いと言ってはいけない)。
生態
性質は貪欲で粗暴。
湿地帯に生息し、足に生えた触手(根っこではないらしい)で木に巻きついて植物に擬態、甘い香りの唾液に引き寄せられたポケモンを大顎で捕食する。また、食虫植物らしく、1日かけて獲物をじっくり消化するようだ。
前述の通り、ふゆう持ちであるが、移動は浮遊して行なっているわけではなく、触手を小刻みに動かして歩行している模様。
『ポケモンレンジャーバトナージ』では草に擬態し、近づいてきた主人公に突進してくるという本編の鈍足っぷりが嘘のような速さを見せる。
ゲーム上の特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
74 | 100 | 72 | 90 | 72 | 46 | 454 |
種族値は鈍足・低耐久・両刀寄りという、はっきり言ってかなりバランスの悪い配分。
単くさタイプ故に弱点も当然多く、鈍足のせいで先制できる場面がほとんど無い。かといって耐久に優れるわけでも無いため、出しどころを誤ると何も出来ずに沈んでしまうことがままある。
何よりも、同世代から登場したモジャンボの存在により、その立場は非常に厳しいと言わざるを得ない。
モジャンボとはタイプが同じな上に攻撃も同値、それ以外の数値は特防以外完敗であり、その特防もモジャンボが低過ぎるだけで結局マスキッパとの差はほとんど無い。
「パワーウィップ」など習得する技は決して悪いラインナップではないのだが、マスキッパの強みになる技の大半をモジャンボが覚えてしまうため、結果的に差別化に苦労する羽目になっている。
たとえば第5世代ではいかりのこなを習得したが、なんとモジャンボも同時に習得。第6世代でははたきおとすが強化されたものの、こっちもモジャンボがとっくに習得していた。
このように強化の度にモジャンボが立ちはだかるという状態が続いており、長らく苦しめられてきた。
おのれモジャンボ……
ただし完全劣化というわけではなく、かみくだくやむしくいなど、一応モジャンボが覚えない独自の技も少ないが習得する。問題はそれらの技に他との差を覆すほどのパワーが無いことなので、そのあたりは今度の強化に期待したい。
また、ユニークな個性として前述した特性「ふゆう」が挙げられる。単くさタイプのふゆう持ちは現状マスキッパのみである。
……が、元々じめんタイプを半減するくさタイプなので恩恵は思った以上に少ない。それどころか、ふゆう持ちと言う事は隠れ特性に期待できないと言う事でもある(ドータクンやマタドガスなど、一応例外は存在する)。
おまけに第7世代でフィールド特性が登場して以降は、強力な効果を持つフィールドの恩恵が受けられないというデメリットが増えてしまった。
結局、ユニークなだけで大して特性が活きないポケモンと化してしまっているのが現状。
こうした理由からか、第6世代のPGLレーティングバトル統計データに於いてORAS発売後も使用率が伸び悩み、シーズン9、17では完全に統計データが非表示になるという憂き目にあってしまう。(もっとも、当時はファイアローなどの影響でくさタイプ全体が厳しい立場にあり、くさタイプの中でも底辺に位置していたマスキッパが活躍できる土壌は皆無であったとさえ言える)
続く第7世代のUSUMではじごくづき、アシッドボムと有用な技を習得し、ようやくモジャンボとの貴重な差別化要素を増やすことができた。
しかし、環境においては当時猛威を振るっていたミミッキュの対策としてはがねタイプのポケモンが大幅に増加するなど向い風が続いており、残念ながら使用率が改善することはほぼ無かった。
そして第8世代ではとうとういなくなってしまった。終生のライバルであるモジャンボは『鎧の孤島』でめでたく復帰したが、マスキッパは『冠の雪原』でも結局復帰ならず。こんなところでも差をつけられてしまい、涙を禁じ得ない事態になっていた。
なお、ポケモンDPのリメイク作品であるBDSPやシンオウ地方の過去を舞台としたLEGENDSアルセウスではやはりというか復活した。
LEGENDSアルセウスでは開拓前のノモセ大湿原が存在する紅蓮の湿地で頻繁に登場するほかテンガン山のある天冠の山麓でも出現する。
攻略までの道中でよく見かけるだけでなく、頻繁に襲ってくる上になかなか手強く、油断のならないポケモンになった。ただし、同じ場所にまたもやモジャンボがさらなる脅威として存在しているのだが。
同作では新たに「きゅうけつ」を覚えた。
その後第9世代の『ポケモンSV』ではまたしてもリストラとなってしまった。『ゼロの秘宝』の前編、後編でも最後まで復帰とはならなかった。ただし、こちらではモジャンボも最後まで復帰せずに終わっている。
使用トレーナー
ゲーム版
アニメ版
アニメ版
『アニポケ・サトシの旅シリーズ』
コジロウのマスキッパ
- CV: 阪口大助(サトシのフカマルの声も担当)
- 『ダイヤモンド&パール』におけるコジロウの主力ポケモン。詳細は当記事にて
外伝作品
『ポケモンGO』
元ネタのハエトリソウの生息地に合わせてか、フロリダ限定になっている。
やはりこちらでもステータスの評価も微妙なため、コレクション用といったところ。
『ポケモン+ノブナガの野望』
序盤から非常に使いやすい強ポケとして親しまれている。
- 「ふゆう」で地形の影響を受けず、障害物も無視できる
- わざの「つるのムチ」の攻撃範囲が広い
- 無進化なので初期ステータスも高い
等の点がある。
「本編では不遇なポケモンが外伝作品では優遇される」の恩恵を受けた1匹と言えるだろう。
余談
はいだしょうこ画伯が描いたスプーに似ているという指摘もある。マスキッパの姿・イラストを逆さまにして、スプーの絵画と並べると何かわかるかも知れない…。
2018年度ゆるキャラグランプリ優勝のあのキャラに似てるとも言われている。
モチーフとなったハエトリソウは英語でヴィーナス・フライ・トラップと言うが、それは葉の縁にあるトゲを女神の睫に見立てたからだとか。とんでもない想像力の持ち主もいたものだ。
関連イラスト
関連タグ
0454.ドクロッグ→0455.マスキッパ→0456.ケイコウオ
クイタラン:ステータス傾向が似ている単タイプで、虫食いの生態を持つ点が共通する。
コジロウ愛用のくさタイプ