水御三家
みずごさんけ
ポケモンシリーズで冒険の最初に選べるポケモン御三家の内みずタイプ枠全般を指す総称である。ここでいう御三家は三匹組という本来の意味ではなく「御三家」の中の「水」タイプの略称に過ぎない。
他のタイプと比べ弱点が少なく、シナリオ上必ず入手するひでんマシン「なみのり」「たきのぼり」(『ポケモンXY』まで。『ポケモンSM』からはひでんマシンではなくなり、ポケモン剣盾では入手がランダムになったので注意)の使いやすさもありシナリオでは全編通して使いやすい。弱点である電気・草タイプのジムも、そこまで着くころには相性補完が出来るタイプが手に入る事が多いのでそこまで苦労しない。
また、この水御三家に限り
- 通常とくせいは「げきりゅう」で固定されている(隠れ特性は例外)
- ポケモンFRLGから最終形態のなつき度が高いとある場所で「ハイドロカノン」を教えてもらえる(元々はカメックスの専用技、ポケモンDPから全最終形態に解禁された)
- ポケモンBWからはある場所で「みずのちかい」を教えてもらえる
- たねポケモン時代のメインウェポンが「みずでっぽう」(第8世代でポッチャマもようやく習得)
- 脊椎動物の5種類全てのモチーフが採用されている
(ゼニガメ、ワニノコ、メッソンの各系統:爬虫類、ミズゴロウ系統:魚類(エラなどに両生類の要素も含まれている)、ポッチャマ、クワッスの各系統:鳥類、ミジュマル、アシマリの各系統:哺乳類、ケロマツ系統:両生類)。
という共通点がある。
『ポケモン赤緑』のカメックスに始まり、耐久面が高く素早さが遅めの傾向が多かったが、『ポケモンXY』で初めて速攻で低耐久型のゲッコウガが登場しこのジンクスは打ち破られた。
技のレパートリーが非常に多く、どの水御三家も様々な型が存在する。またほとんどが二足歩行なためか一応パンチ技も覚えられる。ただし水タイプそのものが非常に数が多く層が厚いのもあって、メジャー級の同タイプと比較するとみず単タイプは総じて器用貧乏となりがちである。
隠れ特性に関しても草・炎御三家が使いやすいものが多いのに対し、比較的扱うのが難しいものが多い。
具体的に言えば、特殊アタッカー寄りの種族値なのに攻撃が上がる「まけんき」のエンペルト(第九世代からは「かちき」に変更された)、ただでさえ威力弱体化で使用率が激減している「だいばくはつ」を無効化する「しめりけ」のラグラージ、同期の「あまのじゃく」「すてみ」と比べ効果があまりにパッとしなさすぎる「シェルアーマー」のダイケンキ、こちらも決して悪くはないが、同期が「伝説のポケモンの専用特性」「一族専用の最強特性」なのに何故か汎用特性である「スナイパー」のインテレオンなど。
なおこのうちエンペルトは、ポケモンSVにて特攻が上がるようになるかちきに変更されており、今後性能を鑑みて変更されることもありえる。
また、ラグラージ以外はいずれも、タイプ一致の先制技を何らかの形で覚える事が出来る。
水御三家は御三家の中では全てのポケモンの戦闘スタイルがキチンと分かれている(炎御三家は格闘タイプとが3匹で戦闘スタイルが格闘寄りが1匹、草御三家は四足歩行が3匹で歩行スタイルがそれに近いのが1匹となっており細分化が厳しい)。
このため、全てがポッ拳に出ても個性が出るという長所が存在する。
オーダイルとラグラージは四足歩行(但し立つことが出来、パンチ技も使える)こそ被っているものの、使用する武器が違うのであまりツッコまれてはいない(オーダイルは牙、ラグラージは怪力)。
実は、別形態を貰っているポケモンが合計5体、形態数は6体と御三家中トップ(形態の数だけ見れば炎御三家と同率だが、あちらの場合は別形態を貰ったポケモンの数が草御三家と同率で4体なのである)。
さて、水御三家を語る上で外せないのが決まって、ネットでネタにされやすい事だろう。ネタにされ過ぎて百科事典にも個別記事ができるくらいである。
ポケモンRSでその独特な見た目から賛否両論を生んだラグラージのキモクナーイに始まり、ポケモンBWのミジュマルのたまらッコ、ポケモンXYのケロマツのケツマロと引き継がれてしまっている。さらに過去のポケモンには風評被害は及ばない…と思ってたらあるR-18作品の空耳でポケモンDPのポッチャマが話題になったり、ルビサファのリメイクであるORASではヌマクローがクソコラの素材にされ公式も便乗するなど存在感を強めていた。
だがこの流れはケロマツの最終形態であるゲッコウガ、ポケモンSMのアシマリ一族やポケモン剣盾のメッソン一族が人気を博したため、収束しつつはある…
のだが、クワッス一族は発売前こそニャオハ一族のネタが目立っていたが、発売後のビジュアルからある意味とばっちりを受ける形でクワッス踊るなとネタにされていたりする(コレは同期のホゲータ一族もそうだが…)
かつてのコラクローほどじゃ無いとは言えやっぱりネタの道は完全に脱却出来ないようである…
…尤も、それを言い出したら奇数世代の炎御三家もバシャーモ以外は何かしらネタにされているので(リザードンの「アネ゛デパミ゛」、エンブオーの「猿負王」、ガオガエンのデザインから生まれた「ニャオハ立つな」、ラウドボーンの「ホゲータ座るな」と「100日後に死ぬワニ」関連)、水御三家だけがネタの槍玉に上げられる風潮は近年薄くなっている。
先ほど五種類の脊椎動物のモチーフが採用されていると述べたが、ポケモンSMまでは水陸両用の生物(順にカメ、ワニ、ムツゴロウ、ペンギン、ラッコ、カエル、アシカ)が選ばれる傾向にあったようだ(というより、何をモチーフにしても必ず足のあるデザインになるが適切な表現か?)。
補足としてミズゴロウのモチーフであるムツゴロウも基本はエラ呼吸だが、皮膚呼吸や水を溜め込む能力が発達しているために、干潟のような湿った環境であれば陸でも活動できるのである。
一方、ポケモン剣盾で登場したメッソンは、進化系を見るにカメレオンの要素が強く出ている傾向にあり、この法則には当てはまらない。一応、バシリスクやウミイグアナなど水中でも活動するトカゲの要素も取り入れていたのでは?という説があったりするなど反証の余地はある。
ただ、そもそも無理に縛りを設ける必要は何一つ無く、単純に「御三家と言うメジャー枠では地上で行動出来た方が都合が良い(特にアニメで連れ回す場合)」「水ポケモンなら当然水中でも行動出来る動物がモチーフになる」と言う理由の組み合わせ、と言う至極当たり前の理由であると考えた方が無理がないだろう。
なお、モチーフ関連では、「水御三家は武器がモチーフ」と言う都市伝説がある(カメックスは大砲、エンペルトはトライデント、ダイケンキは剣、など)。「炎御三家は十二支」説、「草御三家は絶滅生物」説と並ぶ、裏モチーフの都市伝説である。
都市伝説と言うだけあって非常に胡散臭く、全くソースのないこじつけではあるのだが、その中でも水御三家武器説はオーダイルがメリケンサックと言う凄まじい突っ込みどころがあり、ニコニコ大百科にもメリケンサック説として記事が作られている。
こんな都市伝説ですら水御三家はネタ枠なのか……。
アニメ
アニメ作品ではサトシがこのタイプの御三家を仲間にすると、進化しない傾向にある(ゼニガメ、ワニノコ、ミジュマルの三体。)
この事象はケロマツがゲッコウガまで進化したことで破られた為、ちょっとした話題になった。
この他にも、離脱期間が長かったりする。離脱メンバーはゼニガメとゲッコウガが該当するが、前者に関しては一時復帰エピソードもあるが、割と頻繁にサトシを助けに現れる炎御三家のリザードンと比べると離脱期間は長めである(ゼニガメがサトシのパーティメンバーとして再登場したのはAG編が最後であり、ゲッコウガは未だに復帰エピソードがないが、ゼニガメは最終章、ゲッコウガは新無印でサトシとそれぞれ再会している)。
一方でサトシ以外のレギュラーキャラクターの所持率は同行者が3人(ヒカリ×ポッチャマ、タケシ×ミズゴロウ→ヌマクロー、スイレン×アシマリ→オシャマリ→アシレーヌ)、もう一人の主人公が1人(ゴウ×メッソン→ジメレオン→インテレオン)である。