立つんじゃない、伏せろ!!!byカカロット
概要立つな
2022年2月27日、ポケモン第9世代作品ポケットモンスター スカーレッド・バイオレットが発表。
同時に、第9世代の新御三家が公開された。
その一角、草タイプの御三家であるニャオハは、その可愛さから早くも人気を博した。
しかし、ニャオハを見た一部のファンは、とあるポケモンを思い出していた。
ニャオハと同じくネコをモチーフとした第7世代御三家「ニャビー」、及びその最終進化型「ガオガエン」である。
ちょっと悪そうな雰囲気も含めて愛らしい子猫から、面影を残しつつもヒールレスラーをモチーフにした、マッシブで厳つい姿への進化に衝撃を受けた一部の人々が誰ともなしに口にしたのが、記事タイトルにもなっている言葉「ニャオハ立つな」である。
ニャビーとガオガエンのデザインのギャップもさることながら、近年の御三家は進化するとほぼ確実に二足歩行及び、骨格や生態の設定が人間に近くなっている現状を『マンネリ』と捉えているユーザーも少なからず見られる点もあってか、「ニャオハの進化系には人型にならないでほしい」と願う人はそれなりにいるようで、そうした主旨の進化予想も多く見られた。
また、ニャビーとガオガエン以外の猫ポケモンは、ペルシアンやレパルダスのようにスマートな姿に進化する例もあれば、ブニャットやアローラペルシアンのようなブサカワな姿に進化をした例もあると両極端。
更に、哺乳類をモチーフとした草御三家でも、可愛らしいハリマロンやサルノリから、太ましいハリボーグや、これまたマッシブで大柄なブリガロンやゴリランダーに進化した例がある。
そうした前例もまた要因の1つだったと思われる。
もっとも、立つか立たないかとビジュアルの好き嫌いはまた違った話でもあり、そもそも「ニャオハ立つな」の言葉には「ガオガエンやブニャットのような、厳つい系に変貌して欲しくない」の側面もある。その場合「立つな」ではなく「太るな」「厳つくなるな」とした方が正しいのだが、言い回しの良さからかこちらが流行る事となった。
その一方で、(ただでさえ性能やメディアで不遇気味な草御三家であることもあって)腕が使えないことによりシナリオや対戦で技不足になることや、アクションシーンでの扱いづらさによりメディアミックスや外伝作品で活躍できなくなることを懸念し、逆に「立ってほしい」という意見も少なくなかった。
pixivにおいては、進化予想として四足歩行の最終進化形態を描いたイラストや、逆にネタ要素の強い進化予想イラスト、立ちたがるニャオハに誰かがストップをかけるといった趣旨のギャグ作品にこのタグが付けられている。
それから……
「立つな」「いや立て」と(ニャオハの意思を無視して)叫ばれ続けた2022年8月3日。
公開された『Pokémon Presents 2022.8.3』内の映像(現在は非公開)では、着ぐるみのニャオハが二足で立ってしまった。
「“(進化して)立つな”とは言われたが、“(進化する前から)立っちゃダメ”とは言われていない」
更に新要素のテラスタルが公開され、頭から花が咲いた。
「立つなとは言われたが、咲くなとは言われていない」
ついでにニャオハではなく、XY以降鯉のぼりじみたモーションにされていたシビルドンが、立ったモデルに立ち戻った現状が注目された。
「いやお前が立つんかい!?」
そして……
2022年11月18日、待望のスカーレット・バイオレットが発売。
立て、立つなと様々な願いを胸にニャオハをパートナーとしたトレーナー達。
そして迎えるニャオハ進化の時、そこで彼らが見たものは…
「ニャローテ」への進化を遂げ直立二足歩行となった相棒の姿であった。
つまり、公式からの回答はやっぱり「立つ」だった。
とはいえこのニャローテとおよび最終形態であるマスカーニャはガオガエンのような厳つい姿ではなく細身寄りの体型であり、さらに脚の形状に獣の名残りが見える、と「ゴツい系は嫌」「完全人間体型は嫌」という人の需要は概ね満たしたデザインだと思われる。特に後者の女性的なフォルムは、むしろ一部の人間がニャオハで…。
尚、他の御三家はというと、
二足歩行→二足歩行→二足歩行、
二足歩行→二足歩行→四足歩行
という結果となり、最後に立たなかったのはまさかの炎だった。(これまでの炎御三家は全員二足歩行がデフォルトであったため度肝を抜いた)
(前例がないわけではないのだが)ニャオハが立った代わりにホゲータが座ったかのような構図に「お前が座るんかい!」というツッコミが入ったり、消去法的にクワッスが浮く形になったような反応も見られたが、クワッスも例外ではなく、ラウドボーンとウェーニバルのフォルムからネット上では「ホゲータ座るな」と「クワッス踊るな」とささやかれている。
ちなみに、マスカーニャに追加されたタイプは「あく」。何の因果かガオガエンの追加タイプと同じである。
なお、ガオガエンは虎になったのに対して、マスカーニャは最終的に猫のままになっている。
余談立つな
発売前日の2022年11月17日に発表されたSNS流行語大賞2022にて、「ニャオハ立つな」がまさかのノミネートを受けた。
彼(もしくは彼女)の進化の方向性について、いかに多くの人が注目していたのかが窺える。
さらに余談だが、「ニャオハお前」という表記ゆれのようなワードが一時期ツイッタートレンド入りした。
これ自体はおそらく上記のノミネートを受け「ニャオハお前一体どうなるんだ?」といった内容のツイートが多数されたためだと思われ、何の問題もないのだが…
このトレンドをクリックすると、ポケモンとは無関係な某特撮作品の主演役者による作中セリフのノミネート報告ツイートが『お前』繋がりで検索に引っかかってしまうという事件が発生。
これにより、ニャオハがクリック詐欺のような縁結びの片棒を担いでしまうというネタが生まれてしまった。
尚、あちらのファンからすれば、「無関係なはずのニャオハタグで出てきてしまうのはとても彼らしい」のだそうな。
読み方の区切りを変えると、「ニャオは立つな」となり、ぎなた読みが成立する。
ニャオハ以外にも過去にイーブイ、ミズゴロウなどの着ぐるみが二足歩行した経歴がある。イーブイに至っては「もふもふイーブイ」の名称で、二足歩行デザインの着ぐるみを元にしたぬいぐるみが発売されている。
御三家のポカブは当初四つ足で登場したが、ツタージャやミジュマルと一緒の行動が難しく(中の人も大変)後に立ち姿の着ぐるみになっている。
着ぐるみ化されなかったフシギダネは泣いていい。
シビルドンもポケパルレやポケリフレなど、バトル以外では普通に地面に立っていたため、完全に立っていなかったわけではない。
ニャオハの顔をつけたり、一緒に写っている比較用のガオガエンもDLCを経て正式に参戦。ダブルバトルで並べるだけなら実現可能になっていた。猫モチーフなだけでなく最終進化はどちらも「あく」タイプだったりと共通点は少なくない。
注意事項
今回は立つことになったニャオハではあるが、発売までにはネタだけでなく本気の願望や怨恨を込めて「立つな」「立て」と騒ぐ過激派も多かった。
今後もポケモンの新作が発売され、その度に新しい御三家が話題になり、四足歩行から二足歩行になる御三家ポケモンも出てくると思われるが、
どんな時でもそういった願望を他人や他所に押し付けたり、公式から自分の希望と違う解答を出された時に文句を言ったりすることはご法度である。
ネタではなく本気で「どうしてもこのように進化してほしくない」と思うのであればその話題自体、もしくはポケモンそのものから離れることを推奨したい。
仮に希望通りに進化したとしても「自分の意見が公式を動かした」と驕ることのないように。
また、上記で前例として挙げたポケモンを好きなファンもいるという事、そして「そのポケモンのようにならないで欲しい」というのはそのファンにとって侮辱にもなるという事も、お忘れなく。
立ってしまった関連イラスト
関連タグ立つな
マフィティフ:SVのあるルートのイベントにおいて、「マフィティフ立て」と対義語になった。
ミズゴロウ・ヌマクロー・ラグラージ、ポカブ・チャオブー・エンブオー、フォッコ・テールナー・マフォクシー、サルノリ・バチンキー・ゴリランダー、モクロー・フクスロー:あまり関係無いが進化するとイメージが変わる御三家。ミズゴロウとポカブ、フォッコの系列は前述のニャビー系列と異なり中間進化の時点で四足歩行から二足歩行に切り替わっている点はニャオハと共通する(サルノリとモクローは最初から四足歩行ではないが)。
ニャルマー・ブニャット:こちらも立ったわけではないが、ある意味元凶であり被害者。
カビゴン:赤緑は仰向け、金銀で少し斜めになって起き上がろうとしているような形だったがルビーサファイアは再び仰向け、ダイヤモンドパールで座るようになり、ブラックホワイトでは座った状態で両手を挙げ、XYで遂に立った。
チコリータ・ベイリーフ・メガニウム:見た目を残したまま進化したが性能が非常に低い御三家。こちらもある意味被害者だが第9世代ではテラスタルによりようやく真価を発揮出来る様になった。
ゼラオラ、ルカリオ、ゾロアーク、ルガルガン(まよなかのすがた)、アイルー、女爪豹キャロライン、とら(うしおととら)、メイクラックモン:ポケモン以外も含め、比較対象としてよく挙げられる哺乳類キャラクター。彼らは二足歩行ではあるものの、「美形」であり「骨格が人間でない」などの条件はクリアしており、「こんな感じなら」という声も多かった。実際、この中ではキャロラインがかなり近いキャラであるだろう。
レパルダス、レントラー、キュウコン、ルガルガン(まひるのすがた)、ルガルガン(たそがれのすがた)、グラエナ、ヘルガー、ウインディ、イーブイの進化系全般:上の面々の4足歩行バージョン。彼らに関しても、「こんな感じなら」と望まれることが多かった。
ニャース、チョロネコ:猫ポケモンの先達。基本は四足歩行でありながら、立って歩くこともできる。
パモ:電気袋組の系統故、進化は与えられないと思われていたがまさかの立ち姿への進化。パモット→パーモット となり、しかもかくとうを追加された。
ただ、顔はかわいいままで骨格もリアルなマーモットそっくりである。
ナミイルカ:可愛らしいイルカが筋肉質な人型イルカに進化。「ニャオハ立つな」で懸念されたガオガエン化はまさかのこのポケモンが果たすことに。
イイネイヌ:ポケモンSVのDLCに登場するガオガエンにそっくりな体型をしたポケモン。その為、ユーザーから『最悪の進化をしたニャオハ』等と言われる様になってしまった。更にモチーフが前述の詐欺と同じ。
カブトプス:元祖「進化で立つ」第1世代のポケモン。
ガブモン:ポケモンではないが、立つ→四足歩行→立つ→四足歩行の忙しい進化を繰り返している獣系モンスター(直立パターンもあるにはある)。近い立場のガオモンも、ズィードガルルモンルートになると似たような進化を辿る。
キティちゃん:アニメ版の担当声優が同じ世界的に有名な二足歩行している猫キャラクター
猫立つな:猫汰つなの誤表記。名前をよく間違えられるため本人もネタにしており、ポケモンSVの配信タイトルもそれにちなんだものになっている。