前置き
ポケモンの世界にはその世界そのものにさまざまな影響を与え、司ってきた特別なポケモンが存在している。
ゲーム中1匹しか手に入らない特別な存在の彼らを、人々は敬意を込めてこう呼んだ。
――伝説のポケモン、と。
アルセウスによって創られた
彼らと共に生まれたギラティナは、
この世の裏側に棲み付き、その世界を守護している…
この3匹はそれぞれに対応した玉の力を得ることで本来の姿に変化する…
心を司る3匹のポケモン、
それぞれ知識、感情、意思の尊さを人々に伝えた…
新月島に身を隠す悪夢の化身ダークライは人々に悪夢を見せる事で、恐怖に打ち勝つ勇気を教え…
三日月の化身クレセリアはその悪夢を打ち消して人々の恐怖を和らげる…
古代人によって封印されたレジロック、レジアイス、レジスチル、レジエレキ、レジドラゴは元素の力を以て彼らの始祖を守り、
彼らの創造主である巨人レジギガスは大陸を引っ張り動かしたとされる…
花畑のシェイミは人々に感謝の心を伝え…
マナフィはその能力でどんなポケモンとも心を通わせ、全ての水ポケモンを従える…
そのタマゴから生まれたフィオネは、出会った人間に幸福をもたらす…
森の神セレビィは時を自由に渡り歩き、平和な時代に現れる…
カネの塔で焼け死んだ3匹のポケモンを哀れみ、
スイクン、ライコウ、エンテイとして蘇らせた…
スイクンはどんなに汚れた水も清め、
ライコウは背から雷を轟かせ、
エンテイの雄叫びは火山を呼び起こす…
海の流れを司り、ひとたび羽ばたけば嵐を巻き起こすとも言われる海の神ルギアは、
渦潮の中にひっそりと潜み、ファイヤー、フリーザー、サンダーという3匹の鳥ポケモンを従えて
生命の営みを守っている…
願い星ジラーチは1000年に一度、7日間だけ目覚め人々の願いを叶える…
レーザーを浴びた宇宙ウィルスが突然変異を起こして誕生した地球外生命体デオキシスは、
各地に残る隕石に宿る力で、その姿を如何様にでも変えるという…
ラティアスとラティオスは光を屈折させて人に化け、姿を消し、夢幻を映し、人々と触れ合う…
そしてよりお互いに、より大空に近くなった姿にも変化するという…
かつて陸と海を支配した超古代ポケモン、大地の化身グラードンと海の化身カイオーガは
復活すれば大災害が起きると伝えられる一方で、干魃や洪水から人々を救った…
両者は原始時代、自然エネルギーを取り込んで圧倒的な力を発揮した…
この猛威を鎮められるのは、天空を司る第三の超古代ポケモン、レックウザだけである…
その龍は宇宙から飛来するエネルギーを蓄積し、人々の祈りを受けてさらに強大な力を発揮する…
世界で最も珍しいとされる幻のポケモン・ミュウは、
全ポケモンと共通する遺伝子を持ち、あらゆるポケモンの先祖と言われる。
その遺伝子から作られたミュウツーは、ポケモンの中で最も凶暴な心を持つ。
それは、一人の科学者の探究心がもたらした悲劇の産物に他ならない…
また、その遺伝子に多大なる変化をもたらす「石」が、近年になって発見され、その姿を鋼鉄の肉体を持つ巨人や、頭脳の発達した小さな存在に変えてしまうという…
ゲノセクトは3億年前に滅び、最強の兵器として人工的に蘇らされた哀しき存在。
彼らはかつて住んでいた故郷を探し続ける…
人間同士の争いや災害から罪なきポケモンたちを救い出したと言われている。
その姿は、正義のために戦う三銃士か…
その弟子ケルディオは美しき水辺に現れる若駒ポケモン。
その姿は、三銃士と共に戦う正義の剣士か…
メロエッタはその歌と踊りでポケモンの感情を揺さぶり…
ビクティニに認められた者はどんな勝負にも勝てるという…
その存在は真実のレシラムと理想のゼクロムに分かれ、互いの支持する英雄に従って戦ったが、
人々が愚かな争いを始めた際にはその全てを焦土に変えた…
そのドラゴンの抜け殻たる氷竜キュレムは絶対零度の冷気を操り、
自らの身体ごと全てを凍てつかせる…
この空虚な器は、黒き理想の力と白き真実の力を再びその身に宿した時、
その姿は、まさに絵巻に出てくる風神・雷神であり、並外れた力で農作物に大被害をもたらす…
そんなトルネロスとボルトロスを諌めるランドロスは、
天災を鎮め、土壌を肥えさせる力で豊穣神として崇められている…
ランドロスと同じく善神であるラブトロスは、冬が終わる頃にヒスイ地方に現れ、春を齎したとされる…
カロス地方には、生ける者に永遠の命という奇跡を与える聖獣ゼルネアス、
死と共にあらゆる命を奪い尽くす破壊の魔鳥イベルタルの伝説が伝わる。
この地の繁栄が再び脅かされようとする時、彼らはその姿を現すであろう…
世界中の富豪を虜にするピンクダイヤの体を持ったディアンシーは、
一瞬にして大量のダイヤモンドを作り出す。その様はまさにダイヤの姫か…
そして、彼女は純なる心を持つ者にのみ永遠の輝きを見せるという…
悪戯好きの魔神フーパは自らの操る光輪で遠くの空間を繋ぎ、
人々を繋ぎ合わせる…
しかし、その真の姿は強大な力を持っており、
6つの光輪であらゆるものを奪うと言われている…
人の立ち入らない山に棲んでいるとされるボルケニオンは、背中のアームから水蒸気を噴射し、
その水蒸気爆発によって人々の暮らす平野を作った…
機械仕掛けのマギアナは、人造の心で他のポケモンの気持ちを感じ取り、
傷つき苦しむ彼らを助けると言われる…
あらゆる生命の循環を見守り、調整しているとされる…
そして生態系が乱されし時、その強大すぎる真の力を解き放って、
驕り高ぶった者に裁きを下すという…
アローラ地方には、太古の時代から崇められているポケモンがいる…
これら2匹と戦い引き分けた末、彼らから未知なる力を与えられたカプ・コケコ、カプ・テテフ、カプ・ブルル、カプ・レヒレは、
アローラ地方の4つの島を見守り続けているという…
異世界に住まう2体の神獣が出会いし時、星の子が生まれる。
この星の子は光を取り込んで成長し、死んだように深く眠る星の繭となった後、
数多の世界を駆け巡る神獣へと進化する…
アローラには光を食らい暴れる漆黒の魔獣ネクロズマにまつわる闇の伝承が伝わっている…
闇の魔獣は光を求めて太陽と月の使者を取り込み、その体を通して光を奪い力を増幅させる…
さらにその状態から光を解き放つと、
全身光り輝く神の如き姿の黄金の巨竜へと変化する…
異世界には、ウルトラビーストと呼ばれる未知のポケモンがいた。
その姿は、この世のものとはとても思えないものである…
そのウルトラビーストを倒すために、ある組織はどんなポケモンにも対応できる対抗手段としてタイプ:ヌルを造り出した…
タイプ:ヌルは心から信頼できるパートナーに出会えた時、暴走を抑えていた制御装置の仮面を破壊し、真の姿を露わにする…
影に潜みしマーシャドーは滅多に人前に姿を現さず、敵の動きを探って技と力を模倣し、果敢に立ち向かう。
そして、悪しき者がホウオウとの謁見の資格を得た時、全てを閉ざす守護者としての役割も持つ…
雷が落ちるのと同じ速さで接近し、鋭いツメで八つ裂きにするポケモンゼラオラ。とある街の山にかつて住んでいたが現在は死んだとされている...
全世界をまたにかけるポケモン調査中に突如として大量発生し、新種のポケモンだと噂されたメルタンは、トロリと溶けた鋼の体で地中の鉄分や金属をエサとして吸収する…
様々な金属を吸収したメルタン達が、個体同士の同化を繰り返していった末に進化して3000年の時を経て蘇ったメルメタルは、鉄を生み出す力を持つと崇められている…
ガラル地方に伝わる、青い閃光を纏う剣から繰り出される華麗な攻撃は、相対する者さえも魅了してしまうと言われる獣ザシアン。
赤い輝きを放つ盾を備え、相対する者を圧倒すると言われる獣ザマゼンタ。
彼らはかつてガラルを襲った災厄を退けたとして言い伝えられている…
2万年前にガラル地方に落下した隕石の中に潜んでいた巨大なポケモンは、大地から湧き出すエネルギーを力の源とし、ガラル独自の現象であるダイマックスの謎にも関係しているという…
そのポケモンは特殊なダイマックスを行い姿形を変える。その姿は頭部が5つに枝分かれし、天空から伸びる巨大な手の様に見える異形だという…
ガラル地方のとある島では一匹のポケモンが与えられ、厳しい鍛錬によって秘伝の鎧へと進化する。そしてその鎧は真紅の気を纏い、闘神の如き姿へとさらなる進化を遂げる…
ザルードは懸命に自分の住処、森を守り、あるものは森の掟に反しても、人間の少年を守り、育てた…
ガラル地方の南部にある寒冷地・カンムリ雪原には、癒しと実りをもたらし、過去・未来を予知する能力でかつてガラル全土一帯を統べていた豊穣の王・バドレックスが隠れ住み、雪原とそこに暮らすポケモンを守護している…
豊穣の王は自らの従える愛馬と人馬一体となってガラルを駆け回った。
カンムリ雪原の大樹には数十年に一度、3羽の渡り鳥ポケモンが集う。
それぞれフリーザー・サンダー・ファイヤーの名を冠すが、我々のよく知る彼らとは少し違うようだ。
その似て非なる性質から、別種とも言われるという...
遥かな太古から、遥かな未来から迷い込んだコライドン・ミライドンは、人と絆を結び、厄災を払い新たな伝説となった…
大穴内部エリアゼロには、コライドンとミライドン以外にも、人の業により遥か古代や未来から迷い込んだポケモンが存在する。その外見は、どこか現代のポケモンによく似通るという...
その中には、現代の伝説と呼ばれる面々に似た生物も並ぶらしい……
異国より齎された宝物である鉄器、剣、木簡、勾玉は、四体の災いと化し城を一夜にして蹂躙し尽くした。
彼らは封印され、今もパルデアの地に眠りについているという…
とある村には、枯れた植物に伊吹を齎す碧の仮面、蝋燭の火を操る赤い面、川の流れをせき止める青い面、硬い岩を砕く灰の面を持つ鬼がいるとされ、かつて村人から非常に恐れられていたと伝わる……
強大な力を持つ鬼から仮面を命懸けで奪い取ったイイネイヌ、マシマシラ、キチキギスは村人を守った英雄として崇められている……
そんな3匹を統べるモモワロウはどんな強者でも操り、支配する。しかしそんな彼もともっこさま共々鬼に叩き伏せられ、今もキタカミの里のどこかで復活の時を待っている……
その影響を受けたポケモンは19番目の新たな力に目覚め、テラパゴス自身も真なる輝きを解き放つという……
そして、ヒードランは…
十字のツメを食い込ませて壁や天井を這い回っていた。
解説
伝説ポケモンであるはずのヒードランに対するこの上なく不名誉な呼び名。
元はルビー・サファイア時代にネタとしてささやかれていたオリジナルポケモンから来ている。
上記の「十字のツメを食い込ませて壁や天井を這い回る」という説明はダイヤモンド・パール、X、オメガルビーのポケモン図鑑でのもの。同世代の伝説のポケモンである、時を操るディアルガ、空間を操るパルキア、世界を創造したアルセウス、世界を裏から司るギラティナ ……はまぁ別格な存在としても、
アルセウスの眷属にして人に心や感情を与えた神であるユクシー・エムリット・アグノム、大陸を動かしたとされるレジギガス、悪夢を見せるダークライにそれを打ち消すクレセリア、希少なグラシデアの花の繁殖に関わるシェイミ と比べると"壁や天井を這い回るヒードラン"というのは伝説ポケモンとしての威厳が全く感じられないばかりか、台所とかに出没する黒光りする例のアイツを嫌でも連想させてしまう。
その他にも自身の体温で体の一部が溶けているという設定や、元々ハードマウンテンの最奥部に永年封印されていたにもかかわらず、どっかのトレーナーがちょっと石を動かしただけで封印が解かれる様もどこかマヌケっぷりを感じさせる。
よくネタポケとして親しまれているレジワロス、にらみつけるさん、某宇宙の帝王に名前が似てる鳥、発電所の横に突っ立てる鳥、ぱるぱる、唯一神、劣化マナフィ、道場師範代、メガノコッチ、寝てるところを叩き起こされた亀でさえまともな設定を持っているのに、ヒードランにはそれが全くない。
ここまで散々なのは後にも先にもヒードラン位である。
アニポケではふんかを覚えないことがタケシに知られている程度には研究が進められていることが示されたり、ポケモンリーグの受付の待機列に並んでいるモブ同然の扱いを受けたりと、仮にも伝説なのにかなり不遇な扱いだった。
劇場版でもギシンの配下として会議中に部屋の中を図鑑設定通りカサカサと這い回る始末。
さらにはハートゴールド・ソウルシルバーで教え技として「むしくい」を習得、これを反映してか、ポケモンGOでも習得可能な通常技の1つに「むしくい」があったりする。
BW2に至っては固定シンボル出現の演出が「かざんのおきいしを所定の位置に置いたら上から落ちてくる」「その時の効果音が『ひゅーん……ぺちゃ』といったコミカルかつ軽いもの」と、Gそのものになってしまい、またヒードランを呼び出すキーアイテム「かざんのおきいし」が道端に転がっているなどネタ度は増す一方である。
しかし実際のところは…?
ヒードラン自体は伝説の名に恥じない高い能力を持ち、専用技「マグマストーム」を与えられていたり、第6世代で流行りのファイアローや新タイプのフェアリータイプにも滅法強いと戦闘面で優遇されている点は多い。
ただ強さの割に図鑑説明などの設定があまりにもアレだからという理由でこう呼ばれているのである。
(ヒードランの性能に関しては該当記事を参照)
第7世代ではついに正真正銘のGモチーフが登場。
ダイパリメイクでもこれといったテコ入れはされなかったが、LEGENDSアルセウスでプレートの1枚を持ち、図鑑でもテンガン山の溶岩から生まれたという伝承が語られ、伝説としての威厳を見せた。
しかし、大量のどろだんごに囲まれた中で鎮座するその姿はまさしくホウ酸ダンゴを大量に仕掛けられた家の中で逞しく生き続けるゴキブリの如き貫禄である。
実際のところは、戦闘前のアクションで弾切れを起こしてもいいようにという、ある種の救済措置である。
また、LEGENDS発売を記念した特別アニメではまさかのメイン格に抜擢。ただし、サターンのドクロッグに普通に負けた上で普通にモンスターボールで捕まるという醜態を早々に晒した。
第9世代では、SVがHOMEに連携できるようになったことで、彼らもパルデア地方に連れてこられるポケモンの1つとなった。また、むしタイプにテラスタルすることで、本格的にゴキブロスになれるようになった(一見ネタに見えるが、元のタイプと弱点が被らないどころか弱点だったタイプを半減でき、おまけにむしタイプの弱点であるほのお技をもらいびで無効化できるため、かなり有用なテラスタルであると話題になっている)。
…が、今作では今作でシンクロマシンでヒードランを操作しても十字のツメを食い込ませて壁や天井を這い回ることができない事をネタにされてしまった。
最後に
※純粋にヒードランが好きな人も大勢いるので、ゴキブロスネタを使用する際はTPOをわきまえ、そういった人への配慮を忘れないようにしましょう。
関連タグ
あずにゃん(Google先生公認のNN)