データ
初出 | 第3世代 |
---|---|
効果 | 攻撃の実数値が2倍になる |
英語名 | Huge Power |
概要
第3世代から存在する特性。
その効果は「こうげきの値が本来のステータスの2倍になる」と、シンプルかつ超強力。
所有者は少なく、ルリリ系統・ホルビー系統(隠れ特性)・メガクチートのみ。何故か可愛らしいポケモンしかいない。可愛らしいポケモンが力持ちとは恐ろしい……。
同世代から存在する「ヨガパワー」は効果が全く同じ。
ドイツ語はなぜかばかぢからと綴りが同じ(Kraftkoloss)。
他の火力アップ特性や持ち物が条件付きあるいはデメリット付きで数割上昇がいいとこなのにぶっちぎりでぶっ壊れである。攻撃種族値50のマリルリや56のホルードが一線級の物理アタッカーとして運用されるようになった、といえば特性のぶっ壊れ具合が分かるだろう。
これに迫れるのは上述の同効果特性「ヨガパワー」と、持ち物のふといホネ(攻撃2倍、ガラガラ系統専用)、同じく持ち物のしんかいのキバ(特攻2倍、パールル専用)くらいしかない。すいほう(ほのお半減+やけど無効+みず威力2倍)ですら劣って見えるレベル。
そのぶっ壊れ具合のため、当然ながら攻撃種族値が貧弱なポケモンの救済手段としてしか配られていない。というか素の攻撃が高いポケモンにこの特性を与えたら危険極まりない……とか言ってたらメガクチート(攻撃種族値105)が登場してしまった。一応、元種族値があまりにも貧弱&メガ枠を割く必要がある点でバランスは調整されているか。
ただ「攻撃が2倍になるだけだろう」と侮ってはいけない。ちからもちの効果は種族値ではなく実数値(種族値・努力値・性格補正・レベルから計算された実際のステータス)にかかる。
Lv50フラットルールの場合、特化させた場合の実数値は[(種族値+52)×1.1]となる。つまり、特性ちからもちのポケモンの実質的な攻撃種族値は[元の種族値×2+52]となるのだ(ゲーム内の計算過程での小数点切り捨てにより若干減衰する可能性あり)。
所有者の中で攻撃が一番低いマリルリでも実質の種族値は152相当。ホルードなら164相当となる。攻撃種族値150のゼクロムやグラードンより上ということである。
マリルリは高火力の技が多くないため実際の火力は上記の2匹に劣るものの、脅威であることには変わり無い。
メガクチートに至っては262相当という訳の分からない領域に達する。実数値は344となり、こだわりハチマキ装備のグラードン(333)より高い。ちなみに無振りでも230相当である(個体値31)。
ここまで来るとまともなポケモンでは誰もこの攻撃力を越える事ができない。
そして、この攻撃倍化は能力ランクではないので、積み技でさらに6段階アップ(4倍)することも可能なのだ。
マリルリの場合はらだいこを覚えるので比較的容易に達成でき、その際の「こうげき」実数値は896となる。
ホルードとメガクチートもつるぎのまいを覚える。メガクチートなら「こうげき」実数値は驚きの1376。
ここまで来ると最早ポケモンと言う名の何かである。
ちなみに第5世代から漢字表記が追加された影響からか、ゲーム内の表記は「物理攻撃の威力が上がる」になっており、BW以降は「こうげきの値」ではなく「物理技の威力」が2倍になっているという説も存在していた。
しかし、現在ではROM解析や端数処理タイミングの差異を利用した検証によりこの説は否定されている。(ちからもち - ポケモンWikiより)
ただしボディプレスやパワートリック状態では防御の値を2倍にする(ちからもちの効果を適用する前に、「ぼうぎょ」を「こうげき」の値として参照する処理が入るため)。同様にイカサマを使う際も相手の攻撃を2倍にしてダメージ計算する。逆に相手だけがちからもちのときに自分がイカサマを使っても、2倍にはならない。
これではイカサマではなくインチキといいたいところだが仕方ない。
欠点は何らかの要因で特性を失うと、途端に攻撃が激減してしまうこと。
素の数値も悪くないメガクチートならともかく、マリルリやホルードは特性を失うだけで一気にほぼ無力になってしまう(最もメガクチートの素のステータスもメガシンカポケモンの中で考えればかなり低いな方だが)。
「スキルスワップ」や「いえき」「なかまづくり」等の技には細心の注意を払おう。
またやけどにも非常に弱い点にも気をつけたい。「からげんき」でたいさくをするのもいいかもしれない。
この通り強力な特性ではあるものの、初登場の第3世代ではむしろ不遇であった。
なにせ当時はルリリ系統の専用特性。
そして当時のみずタイプの技は全て特殊。つまりタイプ一致では全く活かせない状態だった。
その上当時は「アクアジェット」なんて無いものだから、鈍足のマリルリでは物凄く戦いづらかった。
一応それなりの耐久があるので「みがわり」→「きあいパンチ」のコンボができなくはなかったが……。
この特性が日の目を見るのは物理・特殊が分別され、アクアジェットも追加された第4世代からである。
みずタイプが抜群のポケモンは勿論、等倍でそこそこ物理耐久があるポケモンですら、マリルリのちからもち×はらだいこからのアクアジェットは耐えられない。具体的には、あのガブリアスが耐久無振りだった場合、乱数次第でワンパン。たきのぼりやアクアテール、じゃれつく、ばかぢからなんて使いだしたらもう……。
余談
ちからもちのとくこう版は未登場だが、ぼうぎょを倍にする特性のとくぼう版は出ている。
その見た目のかわいらしさととくせいのギャップから、メイン画像のようなネタが生まれるのは必然と言えよう。
……ホルードもかわいい、よね?
関連イラスト
関連リンク
かたいツメ…こちらは物理特殊関係なく接触技を強化する特性。上昇率は1.3倍とちからもちより低いものの、比較的条件が緩いうえ素で攻撃が高めのポケモンに配られているため同様のぶっ壊れと化している。