概要
1980年から2016年まで日本テレビで編成されていたアニメ・特撮の放送枠である。バブル期の1988年以降木曜日を除き平日夕方5時台はアニメ・特撮の新作が放送されていた時期もあった。しかし、バブル崩壊後の不況でスポンサーが付きにくくなった、系列局でローカル情報番組を放送する局が増えた、1996年秋に日本テレビがニュース番組の放送時間帯を拡大した、当時の日本テレビが視聴率至上主義まっしぐらだった、そういった事情が重なり「それいけ!アンパンマン」が金曜夕方へ移動したのを除き他枠は廃枠となった。その後、「それいけ!アンパンマン」も2016年4月に金曜午前に移動したため、この時点で日本テレビの平日夕方のアニメ・特撮枠は完全に廃止された。
なお、基本的にはローカルセールス枠だった為、3局以下の地方では未放送の地域も多かった。
ここでは時系列順に番組を紹介する一方、放送期間の空白は原則再放送中心と他ジャンル番組の放送と考えて構わない。
1988年以前
この枠は1980年4月に読売テレビ発日本テレビ系放送の「ムーの白鯨」が関東で一日先行放送されたのが始まりだった。ムーの白鯨は予定通り半年で終了し、「太陽の使者鉄人28号」がキー局を日本テレビに変え放送、逆に読売テレビは一日遅れの放送となり、半年後に金曜夕方6時台前半の同時ネットとなる。半年後「六神合体ゴッドマーズ」に交替するも、更に半年後の1982年4月から金曜夕方5時台後半へ移動した事で一先ず途絶える。
金曜夕方6時台前半枠は再び1983年7月に「魔法の天使クリィミーマミ」がスタート、この作品に端を発したぴえろ魔法少女シリーズが通算4作3年3ヶ月続いたが、1986年秋の「NNNライブオンネットワーク」放送開始に伴う時間帯拡大に伴い廃枠となり終止符を打つ。
蛇足ながら、金曜夕方6時台前半枠は全てアニメの放送で、テレビ東京を除く民放キー局で平日夕方6時台前半にアニメや特撮の新作を放送していたのは、日本テレビが最後となった。
金曜夕方6時台前半
ムーの白鯨:1980.4~9 読売テレビ製作の記念すべき初作と同時に東京ムービー初の完全オリジナル作品。関西地区は土曜夕方6時に放送されていた。
太陽の使者鉄人28号:1980.10~9 ここから日本テレビ担当となり、読売テレビも半年後にキー局と同時ネットとなる。
六神合体ゴッドマーズ:1981.10~1982.3 半年後金曜夕方5時台後半へ移動
魔法の天使クリィミーマミ:1983.7~1984.6 ぴえろ魔法少女シリーズ第1作
魔法の妖精ペルシャ:1984.7~1985.5 青沼貴子作の漫画「ペルシャがすき!」を魔法少女ものにアレンジ、どころか作り替えてしまった怪作
魔法のスターマジカルエミ:1985.6~1986.3
魔法のアイドルパステルユーミ:1986.4~9 唯一大人に変身しなかった日本テレビ時代のぴえろ魔法少女シリーズ最終作にして、日テレ夕方6時台前半アニメ最終作
平日夕方5時台のアニメは1982年4月「六神合体ゴッドマーズ」の時間帯移動(金曜夕方6時台前半→金曜夕方5時台後半)が最初であるが、1983年7月に金曜夕方5時台後半に純然たる新作アニメ「ピュア島の仲間たち」が放送されたのが本格的なスタートであったと言える。その後、金曜夕方5時台前半、木曜夕方5時台後半と増枠していき、再放送を挟みながら1988年まで続いた。
金曜夕方5時台後半
六神合体ゴッドマーズ(アニメ):1982.4~12 81年10月から半年間放送された金曜夕方6時台前半からの移動
ピュア島の仲間たち(アニメ):1983.7~12
星雲仮面マシンマン(特撮):1984.1~9
機甲界ガリアン(アニメ):1984.10~1985.3
Bugってハニー(アニメ):1986.10~1987.9
→シティーハンター2枠移動までアニメの再放送や他ジャンル番組を放送
金曜夕方5時台前半
魔境伝説アクロバンチ(アニメ):1982.10~12 水曜夜7時台前半から移動
戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー(アニメ):1985.10~1986.11 最初の第1クールは土曜日午前中の放送だった
トランスフォーマー2010(アニメ):1986.11~1987.6
トランスフォーマーザ・ヘッドマスターズ(アニメ):1987.7~1988.3
→以後火曜夕方5時へ移動
木曜夕方5時台後半
兄弟拳バイクロッサー(特撮):1985.1~9
蒼き流星SPTレイズナー(アニメ):1985.10~1986.6
ドリモグだァ!!(アニメ):1987.1~9 水曜夜7時台前半からの移動、木曜夕方5時台後半枠最終作
「機甲界ガリアン」、「兄弟拳バイクロッサー」、「蒼き流星SPTレイズナー」がそれぞれ打ち切りとなった。バイクロッサーは終盤予算が尽きた為、最後の1ヶ月は新録シーンを追加した傑作選となり、レイズナーは突然打ち切りが決まった為、急遽最終回にストーリーが飛んだ。
1988年以後~1996年
日本テレビが情報番組「追跡」をゴールデンタイムに編成した為新たに誕生した放送枠で、当初は火・水・金のみだったが1988年10月に「それいけ!アンパンマン」が月曜夕方5時台前半に導入され、これが枠移動後も最長寿放送を更新している。特撮の「電脳警察サイバーコップ」を除き全てアニメだった。
月曜夕方5時台前半
それいけ!アンパンマン:1988.10~1995.9
月曜夕方5時台後半
それいけアンパンマン:1995.10~1996.9 1996.10~は金曜夕方5時台前半へ移動
火曜夕方5時台前半
トランスフォーマー超神マスターフォース:1988.4~1989.2
トランスフォーマーV:1989.3~12
つる姫じゃ~っ!:1990.1~12 本番組からあしたへフリーキックまで、エースをねらえ!2を除き読売テレビ未放送
エースをねらえ!2:1991.1~3 次番組までの穴埋めでOVAを放送、読売テレビではエースをねらえ!ファイナルステージとを纏めてローカル枠で一挙に放送
ちいさなおばけアッチ・コッチ・ソッチ:1991.4~1992.4 角野栄子・佐々木洋子作の絵本「小さなおばけシリーズ」をベースとした完全な幼児向けアニメかつ関東ローカル(ただし後に北日本放送でも放送された)
あしたへフリーキック:1992.4~9(一部地域では1992.10以降も放送で終了時期は地域により異なる):日本テレビ側の契約ミスで第25話で打ち切り、系列局によっては完全放送された局もあった
超電動ロボ鉄人28号FX:1992.10~1993.3 4月から半年間日曜朝放送の全国ネットから移動し、そのまま打ち切りとなった系列局も多かった。読売テレビで久々にネットされた
レッドバロン:1994.4~1995.3 曾ての特撮版を原作に1年の再放送のブランクを経て放送するも、火曜夕方5時台前半枠最終作となった
水曜夕方5時台前半
超音戦士ボーグマン:1988.4~12
電脳警察サイバーコップ:1989.4~1989.7 この枠での唯一の特撮番組
機動警察パトレイバー:1989.10~1990.9
からくり剣豪伝ムサシロード:1990.10~1991.9 関東ローカル(だったが後に約半年遅れながらテレビ金沢でも放送)
魔法のプリンセスミンキーモモ(第2期):1991.10~1992.12 水曜夕方5時台前半枠最終作
金曜夕方5時台前半
魔神英雄伝ワタル:1988.4~1989.3
魔動王グランゾート:1989.4~1990.2
魔神英雄伝ワタル2:1990.2~1991.2
新世紀GPXサイバーフォーミュラ:1991.3~12 余りの低視聴率と玩具売上不振でスポンサーも匙を投げてしまった一方、アニメファンからの評価はものすごく高かった
ママは小学4年生:1992.1~12 本作を最後にサンライズが撤退
ミラクル☆ガールズ:1993.1~12 金曜夕方5時台前半枠最終作
金曜夕方4時台後半→金曜夕方5時台後半
シティーハンター2:1988.4~1989.6 「ムーの白鯨」以来の読売テレビ担当、1989年春以降、金曜夕方5時台後半へ時間帯移動
昆虫物語みなしごハッチ(平成版):1989.7~1990.8
DNA2:1994.10~12 当初はOVAの企画だった。また、関東ローカル。そして日テレ夕方5時台アニメ特撮枠の最終作となった。
1996年以降
上記の通り、「それいけ!アンパンマン」が金曜夕方5時台前半に移行したのを除き廃枠となっている。
アンパンマンはその後もニュース番組の都合で度々枠移動を繰り返しており、2000年10月に夕方4時台前半、2001年10月に夕方4時台後半になり、2013年4月からは10分繰り上がった。
そして2016年4月からは金曜午前に移動し、28年目にして初の朝放送になった。これにより平日夕方のアニメ・特撮枠は名実ともに消滅した。
金曜夕方5時台前半→金曜夕方4時台前半→金曜夕方4時台後半
それいけ!アンパンマン:1996.10~2016.3
企画倒れ
恐竜冒険記ジュラトリッパー(アニメ・1993年度放送予定)
「ミンキーモモ」2期の次番組として企画されたものの結局流れてしまい、イタリアにて先行放送された。結局1995年4月から12月にかけてテレビ東京系列局で放送された。なお、当初より全3クールの放送予定だった。
機獣警備隊ビーストガンナー(アニメ・1993年度放送予定)
「ママは小学4年生」の次番組として企画されるも、第一話完成後、スポンサーを予定していたタカラ(のちにトミーに救済合併され消滅)がスポンサーを拒否した為、製作中止の上お蔵入りとなっただけでなく、サンライズも金曜夕方五時枠から撤退した。監督は井内秀治、キャラデザが芦田豊雄の魔神英雄伝ワタルのスタッフが再結集した変身ヒーローものであった。そのエピソードの一つ・ハルマゲドンライトのみ1994年に小説化された。
マッハバロン(アニメ・1995年度放送予定)
「レッドバロン」の次番組として、一部アニメ雑誌等で紹介されていたが、日テレがアンパンマンを除く新作アニメ枠廃枠を決めた為、お蔵入りとなる。
「ジュラトリッパー」に関しては日本テレビの関連会社であるバップが一枚噛んでおり、当枠で放送される構想はあった。また、「ビーストガンナー」もサンライズ製作でタカラのスポンサーを予定していたことから当枠で放送される可能性はあった。そして、「マッハバロン」も当該枠で放送される可能性もあった。
それに対し、この後紹介するものに関しては、当枠で放送されるかどうだったかの公式なアナウンスはなされておらず、ファンの間での都市伝説でしかない、のだが、参考として取り上げる。
機甲警察メタルジャック(特撮予定)→テレビ東京アニメとして放送 東宝担当予定で次述する「サイバーマン」と「サイバーコップ」の次番組を争ったとされる。
サイバーマン(特撮予定)→TBS特撮・電光超人グリッドマンという形で放送 東宝担当予定で前述した「メタルジャック」と「サイバーコップ」の次番組を争ったらしい。その後円谷プロとTBSへ移籍の上、「グリッドマン」として実現した、とタカラで「グリッドマン」の関連玩具を担当した人間が語っている。