日本のアニメーション演出家、のちに監督として活躍。
基本的に名義は「ねぎしひろし」だが、オリジナルアニメ制作のため、制作会社を自ら立ち上げる手法を採っており、企業家としての側面も持っている。そのため企業家(あるいは初期の監督作)としては登記書類などに代表者として名を記す関係上から本名の「根岸 弘」の名義を用いる事がある。なお、わずかながらカタカナ名義の「ネギシヒロシ」でクレジットされる場合もある。
概要
東京デザイナー学院卒、グロス請け(作画・仕上)の専門アニメスタジオである「スタジオコクピット」の出身。コクピット時代は東映動画やタツノコプロ、葦プロダクションなどへ演出補助の進行を担当する派遣人員として活動。1980年代末期に派遣で得た人脈によりコクピットから独立してフリーへ転身。演出家・監督として活動を始める。
1990年に『NG騎士ラムネ&40』に参加。ここから長らく続くあかほりさとるとのコンビが発生する。翌1991年に『ラムネ&40』スタッフと共にオリジナルアニメ『プロジェクトB4(仮)』の企画を立案するが『ラムネ&40』の最初の不振によりスポンサーがつかず、お蔵入りとなってしまう。
しかし『ラムネ&40』はアニメ雑誌側で連動していた企画によって根気よく継続され、さらには地方での再放送が行われた事で人気が再燃する。それに伴い『プロジェクトB4(仮)』にも光があてられアニメ誌でも「ラムネの次にラムネスタッフが企画していた作品」として紹介されるようになり雑誌購読者層を中心に制作の要望が発生し、そこにアニメイト(アニメイトフィルム)が乗っかる形で企画が進行する運びとなった。
そこで、ねぎしは企画に対する制作人員を集めて実製作体制を整えるために「株式会社ゼロ・G・ルーム」を起業し自ら代表となった。
かくて、お蔵入りとなっていた『プロジェクトB4(仮)』は1992年『KO世紀ビースト三獣士』として結実。さらに、ここから『ラムネ&40』を含めたあかほりとの継続企画2文字アルファベットシリーズがスタートする。
なお『2文字アルファベットシリーズ』は1996年の『VS騎士ラムネ&40炎』を最終統括作として終焉を迎えた。
のちテレビ版『天地無用!』に参画した事からAIC側にもパイプを持ち、多くの作品でアニメ監督として活動した。
1995年、ゼロ・G・ルームは実製作部門と版権管理部門に対し、これを分割管理する事によって作業軽減・効率化を図るため子会社であるラディクス(RADIX)を立ち上げる。しかし、ラディクス側が企画および実製作も行うようなってしまった(実製作側が企画して版権管理部門に改めて移すよりも、最初から版権管理部門が企画として立ち上げた方が管理をしやすい)ため、子会社と親会社の立場が逆転し2001年にラディクス側がゼロ・G・ルームを吸収合併して名義を変更した形で立ち上げ当初の状態に戻った。ただ、同時にねぎし個人の権利管理のために有限会社ラディクス02を立ち上げている。
2005年、ラディクスがウェッジホールディングスに株式交換の形で買収された事からラディクスはラディクスエースエンタテインメントとなったため、ねぎしはウェッジホールディングスの取締役のひとりになるとともに、ラディクス02を株式会社ラディクス(第2期)に改組した。2006年にウェッジホールディングスは上層部の意向によるグループの大再編が行われラディクスエースはウェッジ本体に吸収されて消滅。さらにラディクス(第2期)は2007年、ウェッジホールディングス傘下の同業であるモバニメーションと合併しラディクスモバニメーションとなる。さらにこの事により、ねぎしはウェッジホールディングスの取締役から退く事となった。
2011年、ウェッジから離れたねぎしは、新たにアニメ制作会社「株式会社ゼロジー」を設立。2012年にはウェッジホールディングスと交渉し旧ゼロ・G・ルームをはじめとする旧ラディクス系列(ラディクスモバニメーション)が持っていた、ねぎし作品を含む各作品の権利を全てゼロジーへと取得させることに成功。代表取締役をAIC出身の先川幸矢に任せ、自身はゼロジーの取締役のひとりとして関わる。
さらに2014年、ねぎし側が持つセイバーマリオネットシリーズの権利管理および新規展開の立ち上げのためにAICプロジェクトを設立。ねぎし自身が代表取締役となる。社名にAICの名が使われたのは、前述の通りねぎしと同社の出身者とのかかわりが強かったためだが、資本関係は弱く紛らわしいとの声からAICプロジェクトはセイバープロジェクトと社名を変更して現在に至っている。
おもな作品
★は原作者名義の作品
- 2文字アルファベットシリーズ
- NG騎士ラムネ&40
- KO世紀ビースト三獣士 ★(プロジェクトB4メンバーとして)
- SMガールズ セイバーマリオネット ★
- VS騎士ラムネ&40炎
- 天地無用!系列
- 魔境外伝レディウス
- 超音戦士ボーグマン
- ザ・ボーグマン ラストバトル
- 宇宙の騎士テッカマンブレード
- マスターモスキートン ★
- BOUNTY DOG/月面のイブ
- BURN-UP W
- 電脳冒険記ウェブダイバー
- ダイバージェンス・イヴ
- みさきクロニクル
- 菜々子解体診書
- 妖逆門