※注意!!
この記事には「勇気爆発バーンブレイバーン」最終回(12話)のネタバレが含まれます!
「我々は、幾千幾万と年月を重ねても、本当の死を導き出せませんでした」
「ですが、これら8つの醜くも美しい死を経た結果、ついに答えを得たのです」
「私は 死にたくありません」
プロフィール
概要
今作のラスボス。
すべてのデスドライヴズ幹部が斃れたことによって現れた最後のデスドライヴズ。いわばデスドライヴズ達の女王であり、事実上の首領。
これまでのデスドライヴズが象徴していた「高慢」「強欲」「淫蕩」「虚栄」「悲観」「怠惰」「憤怒」「貧食」の8つの死を経た結果、「死にたくはないが、様々な死を経験したい」という異常で矛盾した答えを導き出した。
法衣を彷彿とさせる外観と細長い胴体に腕から生えた羽が特徴。優しげな笑みを浮かべた人間の女性のような仮面を付けているが、その下には醜い本性を表わすかのように東洋の仮面・あるいは髑髏のような不気味な素顔を持つ。
なお女性型らしくちゃんと胸もある。
武装は指先や両目から放つビーム。一方でほかのデスドライヴズやゾルダートテラーが持っているバリアはなく、作中では自衛隊のティタノストライドはともかく戦闘機や爆撃機の攻撃が、怯むくらいには普通に通用していた。
しかしラスボスというだけあって今までのデスドライヴズのどの幹部よりも装甲は頑丈であり、バーンブレイブビッグバーンの必殺技を何回受けても仮面が割れる以外のダメージは無く、せいぜい鬱陶しがらせる程度。バリアを持たないというよりは、強固な防御力ゆえにバリアを必要としないというタイプのようだ。ただし、全く表に出なかったせいか、攻撃に対する警戒心が薄く、実戦勘の乏しさを垣間見せており、不意討ちが多かったとは言え攻撃はポンポン当たっていたので、バリアを張る余裕がなかった面を見られる。
残ったデスドライヴズに関してスペルビアが語った中に彼女はおらず、未来知識を持つルルもその存在を知らなかったことからして、デスドライヴズ要員は彼女の存在を知らなかったものと思われる。
人物(?)像
自らを「真の命」と称し、上記の「死にたくない」と言う結論と「死を経験したい」と言う願いに対して地球で生き残っている地球人類を皆殺しにし、肩代わりさせれば、「生きながらに約90億通りもの死を経験出来る」との結論に至り、全人類の抹殺を宣言するという身勝手を絵に描いた様な性格で、人間のことを「下等生物」と見下している。
とどのつまり、8体のデスドライヴズ達は彼女が「様々な死」という快楽を体験する為の道具兼起動条件に過ぎず、そういう意味で見れば彼等もまた身勝手な指導者に振り回された犠牲者なのかもしれない。
と、上記の通り残虐非道な性格なのだが、ブレイバーン化した(というか一心同体となった)イサミや合流した仲間達が割と話を聞いてくれなかった(状況的には当たり前だが)ため、セリフの途中で何度も攻撃されて話の腰を折られるわ、イサミがやりたい放題暴れまくって全部のインパクトを持って行ったため、なんか振り回されてる印象の方が強く残ってしまう。配下同様どこかしらにツッコミどころが出てしまうあたり、やっぱりこいつもデスドライヴズといえよう。
まぁ全人類抹殺宣言を目の前でされたイサミからすれば攻撃しない理由もないのだが…
なお、当然ヴェルムにあたる『八つの枢要罪』の元ネタは存在しないが、法衣を纏ったような外観や出現時に蓮の花のようなオブジェクトを伴っていた事から恐らく仏教関連がモチーフとして用いられており、仏教に準えるならば、生きとし生けるものは他のものの命を奪って生きている。つまりは殺して生きるという罪、『殺生』が相当する所だろうか(一部では中の人由来で「我儘」と考察されていたりもした)。
動向
イサミとブレイバーンが「勇気融合合身」したバーンブレイブビッグバーンによってイーラが倒され、それと同時にポーパルチープムが地殻を貪りすぎて自爆したことで目を覚まし、地球に落下してきた母艦の中から出現。
自身の目的を披露し、それを良しとしないバーンブレイブビッグバーンと戦闘になる。(なお名乗っている途中で攻撃を受けた為、目的をもう一度言う羽目になった)
この時点では、いかにもラスボスらしく淑女か女神のような気品のある口調だった。
···この時点までは。
死を快楽とした真の命は地球の『勇気』の前に地獄に堕ちる
バーンブレイブビッグバーンの攻撃を前に奥義を次々と凌ぎきるなどその強さを見せつけるが、戦闘中にATFの同胞たちがイサミ達の救援のために集結、援護射撃を浴びてたじろぐ。続けて、イサミと同様に勇気融合合身を果たし、黄金の躯体となったスペルビアとルルも推参···もとい参戦した。
集った仲間たちの勇気はイサミの勇気に呼応し、バーンブレイブビッグバーンと融合。
イサミとブレイバーンの融合合身はより強固なものとなる。
さらに、バーンブレイブビッグバーンは召喚したビッグバーンドラゴンと合体。
立て続けに「ビッグブレイブバーストアップ」を発動し、25mもの巨体に大幅パワーアップする。
ミユ「きたこれ〜!これが本当のバーンブレイブビッグバーンですよ!
ブレイバーンと素粒子レベルで一体化した今のイサミさんなら、もう向かうところ敵なしです〜!」
(顔を震わせながら)「何なんだお前はァァァァァ!!」
···ごもっともです。
怒涛の展開を前に激情に駆られたヴェルムは戦闘を再開するが、最早力の差は歴然であり(というか思考がついてこれず冷静な判断ができないという方が正しいか)、バーンブレイブビッグバーンによる猛攻を一方的に受けてしまう。
イサミに圧倒された彼女は空中へ逃れ、淑女然とした口調も消し飛んで完全にブチ切れるや、怒りのままに大型母艦をハワイ諸島に向けて落下させる。
「終わらせてやる!全人類!今すぐ死ねェェェェェ!!」
しかし、地球を愛し守る者たちに対して、そのような悪足掻きは無意味に等しかった。
バーンブレイブビッグバーンは、「スペルビアソード」へと変形したルルとスペルビアの力を借り、光となったすべての仲間たちの勇気を合わせた最終技「勇気一刀流秘奥義・勇気爆発バーンブレイブビッグバーンアルティメットファイナルゴッドユニバースブレイク」を繰り出す。
イサミとその仲間たちの全ての想いを乗せた一撃の前では回避も防御も叶わず、首、右腕、翼を斬り飛ばされて大型母艦もろとも大爆発。完全に消滅した。
かくして、地球を蹂躙し数多くの死を願った真の命は地球人類すべての爆発する『本当の勇気』の前に望んでいない“真の死”を迎える事となったのだった。
余談
- 彼女の名前は、それぞれラテン語の単語が由来となっていると思われる。"verum"は、「真実」または「真に」、"vita"は、「命」「人生」を意味している。直訳すると「真実・命」、意訳すると彼女が自称していた「真の命」となる。
- 話の主導権を奪われたまま倒されてしまったので不憫にも思えるが、イーラを圧倒したバーンブレイブビッグバーンの攻撃をいくら受けてもダメージが無かったことから、他のデスドライヴズとは次元を異にする戦闘力の持ち主であったことは疑い無い。少なくとも通常のブレイバーンやバーンブレイバーンでは歯が立たないのは明白であり、彼女が押されていたように見えたのもあくまで話を聞かないブレイバーンや想定外のATFの参戦でペースを乱されて苛立っていたからにすぎず、別にブレイバーン側が優位に立っていたわけではない。優勢になったのはATFの仲間たちの勇気を結集して超巨大化してからで、超巨大母艦落としに対してもスペルビアソードが無ければ防げたかは未知数で、戦闘終了後に力尽きたブレイバーンは消滅している。完封負けしたかに見えたヴェルム・ヴィータであるが、もしATFの参戦が間に合わなかったりしたら勝てたかは確実ではなく、実際には様々な要因が重なった上でのブレイバーンと人類の薄氷の勝利であり、ラスボスにふさわしい強者であったと言えよう。
- ルルのやってきた「本来の未来」ではスペルビアが生存しているため依然休眠中と思われる。(超大型母艦を人類の手で破壊できるとは思えないため)
- だがその場合でも何らかの理由でスペルビアが死亡すれば覚醒し、しかもブレイバーンがいないため人類に対抗する手段は皆無。地球がヴェルム・ヴィータの殺戮劇場となったのは間違いない。その点で「本来の歴史」は、平和が戻りこそしたが、人類は非常に危険な橋の上を歩き続ける未来となったと言える。人類が疑心暗鬼にかられてスペルビアを攻撃する可能性も小さいとは言えず、歴史を変えてヴェルム・ヴィータを現代で倒したルルの功績は非常に大きいと言えるだろう。そのあたりはスピンオフ『未来戦士ルル』で補完されるのだろうか?
Memories_of_Deathdrives
一連の追悼動画のトリを飾る形で配信された。
本編での傲慢さやラスボスらしさは何処へやら、某ソロキャン芸人を思わせる口調で淡々と本編での雑な扱いを嘆くというシュールなものになっている。
あまりの豹変ぶりに視聴者からは「別作品のヒロインが某芸人の真似をしてるだけ」といった感想が続出した(奇しくも、自らが現れるトリガーになった2体のデスドライヴズ幹部や自らを倒したブレイバーンの中の人は、全員その作品でレギュラーキャラとして共演している)。
恐らくこれは、ヴェルムの中の人がパロディ元の某芸人同様熊本出身であることからのネタと思われる。
楽しかった、おもひで
ありがとう。みんな
さよなら、真の命。ヴェルム・ヴィータ
そして…
関連項目
実際、劇中のルルの発言からしても似たようなニュアンスがうかがえる。