概要
しかし、基本的に「シュワッチ」と言って敵に殴りかかったりビームを撃ったりすることはあまりない(そう言った場合には「ヘアッ」「シャアッ」「デュワ」「ダァ!」などと言った掛け声が多い)。この声を上げるのは怪獣をやっつけて、空に飛び立つ直前のシーンである。
ではなぜこの台詞(?)がウルトラマンの代名詞みたいになっているのかというと、実はマンガなどのパロディとして描き文字で「シュワッチ」と書いていたのが一般化していったから…という説がある。
また、同じウルトラマンでも作品やシーンごとによって掛け声が違う事がある。例えば…
- シーズンによって掛け声にエフェクトが入るパターン(ウルトラマンギンガにおけるギンガ)
- 劇場版やゲームごとに声優が変わるパターン(コスモスなど)
- 声優は同じでも本編と劇場版で声質が異なるパターン(ダイナやメビウスなど)
- 変身者がいない時、ウルトラマン本人の声で掛け声を発するパターン(特別編のギンガ)
- 本編でウルトラマンの掛け声を担当した声優ではなく、変身者本人が担当したパターン(劇場版のティガ)
- 形態によって声質を変えているパターン(コスモスやオーブ)
- 新録で掛け声が変わったパターン(『ウルトラマンメビウス』以降のウルトラ兄弟など)
など実に様々なケースがある。
ちなみに合体ウルトラマンの場合はその作品でメインとなっているウルトラマンの声優が掛け声を担当する事が多いが、合体しているウルトラマンの声優全員の声を重ねているパターンも存在する。
他の円谷作品でもミラーマン(「オリャッ!」)やレッドマン(「イヤッ!!」)、ファイヤーマン(「オウリャ!!」)などが掛け声を発したり、パロディとしてライバル企業である東映作品でも似た掛け声を使用する事もある。(タイムシャドウの「ブワッ!!」や旋風神ハリアーの掛け声など)。
ちなみにジャンボーグAに登場するジャンボーグ9は車から変形している為か、車のドリフト音が実質的に掛け声の役割を果たしている。
暇な人はいろいろなウルトラマンの声を聴いてどんな掛け声が一番多いか数えてみよう。
特徴的な掛け声
「シュワッチ」という掛け声は後のウルトラマンにも踏襲されてはいるが、ウルトラセブンは「デュワ!」系、ウルトラマンレオは「イヤァー!」系が多く、あまり「シュワッチ」とは言っていない(昭和の再編集映画だと頻繁に使用されていたが)。
その他のウルトラ戦士もそれぞれ独特な掛け声を持っており、ウルトラマンエックスの声を担当した中村悠一は過去作の掛け声集を聞いてバリエーションの多さに驚いたとの事(なおエックスの場合は「イーッサ!」という独特の掛け声がある)。逆に上述した「ヘアッ」「シャアッ」「デュワ」系列を改めて聞き直して臨んだ畠中祐はゼットの掛け声がまさかの「キアッ!」であったため衝撃的かつ戸惑ったとのこと。
最近では「ハッ!」「デェリャッ!」(ゼロなど)や「オウリャ!」(オーブ)のような地球の格闘もの漫画に近い掛け声を使うウルトラマンも多く、さらに明確に技名を発声して必殺技を放つ事も多い(必殺技については大体この人の影響)。
変わったところだと80は基本的に一部のアクションシーンでしか掛け声を発さず、普段は掛け声の代わりに「ピュッ!」という感じの風切り音が鳴る他、苦しむ際や笑うにも掛け声が出る。(有名な所だとタロウの「ンンッ!!デッ!」や初代マンの「シュワッハッハッ!」など。)
特徴的な掛け声の例
- ウルトラセブン
- 「デュワッ!」、「デュ゛ワッ゛!」、「デュワァァァ!」、「デュッ!」、「ニ゛ャッ!」、「ダァーッ!」など
- ウルトラマンエース
- 「トァーッ!」、「テェーァッ!!」、「ヤーッ!」、「コロッ!?ケガァァッ!」/「ヌゥゥン!」/「ン゛ン゛ッ゛!」/「ン゛ン゛ア゛ア゛ア゛!」(苦戦時)など
- 歴代ウルトラマンの中でも苦戦時の掛け声が多い。また、初代ウルトラマンの一部掛け声も流用されているのが特徴。
- ウルトラマンタロウ
- 「トァーッ!」、「デヤーッ!!」、「デェーッ!」、「ヌゥゥン!」、「ハァァァ!」、「ン゛ン゛ッ゛!デッ!」(苦戦時)など
- 石丸氏が担当している場合は「タァーッ!」、「テァーッ!」、「ハァァァァァッ!」など原典とは違った発声方法になる。
- ウルトラマンレオ
- 「タァーッ!」、「イヤーッ!」、「デヤァ!」、「ダァッ!」、「ダァァァァァッ!」など
- 平成シリーズでは掛け声の新録に伴い「とうっ!」、「オウリャアアア!」/「エイヤアアア!」(レオキック時)、「タァァァッ!」、「オォウッ!」といった掛け声のバリエーションが増えた。
- ウルトラマン80
- 「シュワッ!」、「タァッ!」、「ウワッ!」、「トォォォァッ!」、「ウッ!」/「ウォォッ!?」(苦戦時)など
- UGFでは新録に伴い、「エイッ!」、「トウッ!」、「ハッ!」、「デヤッ!」などの掛け声が増えた。むしろこちらの方が掛け声を発している。
- ウルトラマンゼアス
- 「ゼアー!」、「シェアッ!」、「トウッ!」、「デヤァッ!」、「ジャァッ!」(劇場版2)など
- ウルトラマンティガ
- 「ヂャッ!」、「チャァァッ!」、「ハァッ!」、「フッ!」、「ヘァ!」、「ヌ゛ゥゥ……!! ちゃっ!」(タイプチェンジ時)、「ダァァァァッ!ハァ゛ッ!」(デラシウム光流使用時)など
- ウルトラマンダイナ
- 「ジュワッ!」、「ハッ!」、「フッ!」、「シュワッ!」、「デヤッ!」、「デッ!ヘェッ!デヤッ!」(フラッシュ光弾使用時)、「ウワァァ!!」(苦戦時)、「フゥゥゥウン!ジュワァ!」(タイプチェンジ時)など
- ウルトラマンナイス
- 「ナッ!」、「ナァーッ!」、「ナッ?」(ベリーナイス光線発射時)
- ウルトラマンメビウス
- 「セァッ!」、「ハァッ!」、「デャァァァァァッ!」(メビュームシュート発射時)、「ハッ!」、「シュワッ!」、「デヤァッ!」、など
- ウルトラマンゼロ
- 「デヤッ!」、「ハッ!」、「オォォォルァ!」、「シャッ!」、「シェエエア!」、「セイッ!」など
- 本人が頻繁に喋るウルトラマンな為、掛け声の種類は飛び抜けて多い。
- ウルトラマンサーガ
- 「サーガ!」、「デヤッ!」、「シェアッ!」、「ヘアッ!」、「ウオオオオオオオオ!!」 など
- 掛け声はゼロを静かにした感じであり、完全新規の掛け声と呼べるのは「サーガ!」のみ。
- ウルトラマンギンガ
- 「シャオラッ!」、「デイヤーッ!」、「タァッ!」、「ドゥリャァ!」、「ディィヤァ!」など
- ウルトラマンビクトリー
- 「ディヤッ!」、「トリャァ!」、「ドリャァ!」、「ツェァ…」、「ダァ!」など
- ウルトラマンエックス
- 「イーッサ!」、「セイッ!」、「シュワッ!」など
- ウルトラマンオーブ
- 「ショォウワッチ!!」、「シュワッ!」、「オォウシュワッ!!」、「オオゥリャァッ!」など
- ウルトラマンフーマ
- 「セイヤッ!!」、「ソイリャァ!」、「セェェェイヤァァ!」、「セイヤァァァッシュ!!」、「セイヤッチ!!」など
- ウルトラマンゼット
- 「キアッ!」、「ゼェアァ!」(オリジナル)など
- ベータスマッシュのみ特殊であり、「ヘヤッ!」といった従来の掛け声に似たものもあるが、「ウルトラマンゼットベータスマァァァッシュ!イェェェァ!」や「イヤッ!ウェイ!ホァッ!ダーッ!!」など明らかに意味のある掛け声が多い。
- ウルトラマントリガー
- 「ウアァ!」、「ダァ!」、「ハァ!」、「ドゥワァ!」、「ドゥワァー!」
- ウルトラマンデッカー
- 「デュア!」、「デアッ!」、「デェェイアッ!」「ジュア!」
- ウルトラマンブレーザー
- 「ルロロロロロロロロロィ!」、「プルルルルルァァォ!」、「ウォイォイォイォイォイ…」、「ウルォォォイェ!」、「クルルァァァァァァァ!」、「ウォーイェ!」、「ルロオオオイイ!」「ファァァァァァイヤ!」
「シュワッチ!」の掛け声を担当した人物
ここでは再編集作品における流用以外で、掛け声を担当した人物を述べる。
起源
この「シュワッチ」というワードを最初に書いた人物は、なんと漫画家の赤塚不二夫である。
氏の漫画作品『天才バカボン』連載第一話目にて、一家に次男(はじめちゃん)が生まれた際、子供の名前を決めるときにバカボンのパパが「ウルトラマンが良いのだ」と発言した次のコマでシュワッチと擬音で発言しているのが、このワードの語源といわれている。
後になってそれを公式が逆輸入する形となった。
余談
中央競馬にはかつてシュワッチという競走馬が存在した。
しかし中央では全く勝つことができず、高崎競馬に移籍しても1勝を上げたのみで散々な成績に終わってしまった。
関連項目
流星人間ゾーン:掛け声はウルトラマンエースの流用。
ロストヒーローズ:1はボイスが存在しなかったが、「シュワッチ!」のみSE扱いとなっている。
ベータスマッシュ:彼の場合は掛け声が意味の通る言葉になっており、掛け声の内容も毎回違う。
ヒトデマン:鳴き声がシュワッチのパロディとなっている。