DATA
概要
『ウルトラマンブレーザー』第20話「虫の音の夜」にて初登場。
「昆虫型巨大生物」と称されるなど、全体的に虫の要素を含みつつも、エイリアンやクリーチャーじみた異形の外観を持つ怪獣。
体は骨のような白い外骨格で覆われ、頭部には複眼と思われる複数の青白い発光体が並んでおり、頭部の付け根の甲殻からは赤い鰭らしきもの(おそらく鳴き声を出すための翅)が生えている。
甲虫のような別名だが、特徴としてはスズムシやカマキリのようなバッタ目のものを併せ持っている。
一見すると宇宙怪獣のようにも見える姿だが、後述する生態からも分かる通り、V99などとは無関係のれっきとした地球怪獣の一種である。
複数の個体が存在し、人間サイズの幼体と巨大なサイズの成体が確認されている。
幼体はずんぐりした前肢を持つ四足歩行で、顔の左右に複眼がない。この時点でも、人間を積極的に襲う程の凶暴性を持つ。
成体は顔の左右に蜘蛛のような禍々しい複眼と顎を持ち、両腕が鋭い大鎌状の鉤爪になった二足歩行となっている。また、後頭部の翅らしき部分の間から、「トゲムチ」と呼ばれる髷のような触手が生えている。
能力・生態
地中にある窒素を主な食料源とし、地下の窒素を根こそぎ奪い尽くして植物を枯らしてしまう、「害獣」としての側面を持つ。本来はより深い地下で生活している種ではあるのだが、より豊かな土壌を求めて地上付近にまで現れてしまった。
ズグガンの吐き出す硬化粘液は摂取した窒素由来のアンモニアが含まれており、まともに受ければ空気中ではすぐさま凝固し、身動きすら容易にできなくなってしまう。成体の放つ粘液に至っては、ブレーザーの力をもってしても動きを制限されてしまう程である。
これらの粘液は本来自らの巣を作るためのものらしく、巣の硬さは核シェルター並の頑丈さを持つ。巣の内部にある巨大な卵から無数の幼体が産まれ続ける様は、さながらカマキリの卵嚢のようである。
幼体そのものは23式電磁小銃でも駆除できる程度の耐久力しか持っていないが、成体の装甲は流石に堅牢で、多少の攻撃は物ともせずに重量級の肉体で突進してくる。
また、成体は後頭部からトゲムチを伸ばして敵を攻撃・拘束することもできる。
テリトリー内では一家総出で巣を守る姿勢を見せており、危なくなると仲間に危険を伝えるためにスズムシのような鳴き声を発するという生態を持つ。第10話のデマーガ親子、前話のブルードゲバルガ&イルーゴと同様、意外と家族内の仲は悪くない模様。
劇中での活躍
第20話「虫の音の夜」
10月19日、テルアキ副隊長の故郷である山梨県中星町に出現し、畑の作物を枯らして荒らすなどして住民を脅かしていた。また、鳴き声が「季節外れの虫の声」として、以前から町内に聞こえているという兆候があった。
頭殿(ずどの)山へ調査に向かったテルアキ副隊長と彼の父・ショウゴが枯れた木々やこれまでなかったはずの洞窟を発見するが、その矢先多数の幼体が出現し2人を襲撃。テルアキ副隊長の左腕を負傷させるが、間一髪のところで連絡を受けたSKaRDのメンバーが合流し、撃退される。
その後周辺の土壌から窒素が無くなっていること、吐く粘液からアンモニアが検出されたことから、ズグガンの狙いが窒素であることが発覚。
アンリ隊員は今まで被害が無かったことを疑うが、テルアキ副隊長は「地中深くに生息していたものが、より豊かな土壌を求めて地表付近に現れてしまった」と推測した。
齎した被害の大きさから「駆除する他にない」という判断が下されるが、エミ隊員曰く巣となっている洞窟はズグガンの粘液が固まった物で形成されており、核シェルター並の強度を誇るため、外部からの破壊は困難だった。そこで、ズグガンの洞窟ではなく洞窟のある山そのものを爆破して、巣への侵入経路を確保する作戦が立案された。
そして予定の時刻…テルアキ副隊長の合図で山が爆破され、それによって開いた巨大な穴からアースガロンが侵入。アースガン掃射による駆除が開始される。撃ち漏らしを防ぐため、テルアキ副隊長とアンリ隊員も巣の前で待機することに。
作戦は順調…かに思われたが、突如としてアースガロンの足元から50m級の巨大な成体ズグガンが出現。そのまま山をも突き破り、アースガロンを押し倒す形で地上に現れる。
成体ズグガンは鎌やトゲムチの攻撃でアースガロンを圧倒し、挙げ句硬化粘液で塗り固めて行動不能にしてしまう。その直後現れたウルトラマンブレーザーとも、互角以上に渡り合い苦戦させる。
その一方、巣の内部に侵入したテルアキ副隊長とアンリ隊員は、巣の奥に巨大な卵を発見。そしてテルアキ副隊長は、ズグガン達が発していた鈴虫のような鳴き声は巣に危険が迫っていることを仲間に知らせる声だったと気付く。
そこでエミ隊員は町内放送などを駆使し、町中にズグガンの鳴き声を響き渡らせる。すると成体ズグガンはブレーザーへの攻撃を止め、あちこちから聞こえる鳴き声に困惑した様子を見せる。
その隙にブレーザーはファードランアーマーを装着し、反撃を開始。チルソファードランサーで成体ズグガンの右鎌を切断し、トドメにチルソファードランサーを弓のように使って放った「チルソファード炎竜射」で成体ズグガンを撃破。
巣の中に生息していた無数の幼体ズグガンも、テルアキ副隊長による「鳴き声を録画した映像を再生したままのスマホを爆弾に貼り付け、卵の方へ投げ付ける」という手法で卵の近くへ集められ、そのまま卵もろとも一掃された。
ズグガンの脅威が去ったことで町には平和が戻り、ショウゴ達は再び平穏な農業ができるようになったのだった。
ショウゴ「アイツが…守ってくれた土だ…!」
最終回「地球を抱くものたち」
複数の幼体が、地中にてデマーガ親子と共にヴァラロンの有機爆弾の処理に当たった。
ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突
巨大な成体が工業地帯に出現し、SKaRDと交戦する。
アースガロンMod.2と交戦中、幼体と小型のタガヌラーを複数呼び寄せ、さらに50m級のタガヌラーも出現。
タガヌラーと共に2対1でアースガロンを圧倒したが、ブレーザーが参戦したことで2対2に持ち込まれ、自身はブレーザーと戦う。
最期はスパイラルバレードで撃破された。
余談
- プレミア発表会では成体が登場。同イベントで初登場した怪獣達の中では、最後に名前が公表されることとなった。
- その仰々しい外見やカラーリング、大柄なスーツなどから、『ブレーザー』放送前は「前後篇に登場する強豪、あるいはラスボスクラスの宇宙怪獣ではないか」とファンから予想されていたが、実際には一話完結のエピソードに登場した、一般的な地球怪獣だった。
- デザインモチーフにはスズムシと木や作物を食い荒らす白蟻等害虫にカテゴライズされてる虫が用いられている。
- ソフビは、ウルトラ怪獣シリーズにて12月に幼体が、年を跨いだ2024年2月に成体が発売された。成体の方は、幼体の発売後に公式アカウントから匂わせのような発言もあり、「ウルトラ怪獣アドバンスやウルトラ怪獣DXで発売されるのではないか」とファンから推測されていたが、実際は通常のウルトラ怪獣シリーズとしての発売が決定した。
- 助監督のポストによると、成体も幼体も全て同じアクターが演じており、複数で出現したシーンは上手くカット割りや合成を使って複数を演じているとのこと。その中でも巣の中での撮影は地獄だったようで、「いったい何体撮れば終わるんだ~」と愚痴っていたようである。
- 第20話のストーリーは、「父・ショウゴが倒れたという知らせを受けたテルアキ副隊長が、急いで実家に駆け付けたが嘘だった」という始まり方をするのだが、実はこの展開そのものがズグガン撃退方法の伏線にもなっていた。
- 劇中では「より豊かな土壌を求めた」ことが出現理由として語られているが、一部では「以前出現した別の地底怪獣も関係しているのでは?」との噂が立っている。実際、町民達からは季節外れの虫の声と認識されていたため、「危険を知らせる鳴き声」が度々聴こえていたことにもなる。
関連項目
ウルトラシリーズ
タガヌラー:同じく、『ブレーザー』で初登場した昆虫怪獣。劇場版でも共演している。
ドルゴ:同じく、SKaRD隊員の地元に出現したブレーザー怪獣。
デルタンダル:同じく、一見地球出身とは思えないような外見をしたブレーザー怪獣。
グラキエス:地中深くに巣を作り、無数の個体が潜んでいた昆虫怪獣繋がり。
キングマイマイ:幼体と成体で姿が異なる昆虫怪獣繋がり。また、どちらもウルトラマンとは落日の決闘を繰り広げていた。
ジョバリエ:「甲獣」の別名を持つウルトラ怪獣繋がり。
マジャバ:守ろうとした卵ごと殲滅された昆虫怪獣繋がり。
他作品
レギオン:大量に出現し、人を襲った昆虫型怪獣繋がり。無数の小型個体とリーダー格の巨大個体が存在する点、作中で繁殖行動を行った点、特定の元素に執着する点、高熱を帯びた技で倒された点など、意外にも共通点が非常に多い。ただし、ズグガンは地球出身であるのに対し、あちらは明確な宇宙怪獣である点が異なる。