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トラクター

とらくたー

トラクターは器具や貨車などを牽引するための動力車。農業用トラクターを指すことが多いが、土木用、貨物用などそれぞれの用途に特化したトラクターがある。
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🚜概要編集

荒野の果てに出逢った人。センシティブな作品メルセデスベンツ・アクトロス

器具や動力のない車両などを牽引したりするために用いられる自動車

主に3つの用途として用いられるが、一般的には農業用トラクターがトラクターと呼ばれやすい。

  1. 農業用機械(農機)としてのトラクター。作業用のほか、農作物の運搬用にも用いられることがある。
  2. 土木機械(重機)としてのトラクター。→ブルドーザーホイールローダー(車輪式四輪駆動ブルドーザー)など
  3. 貨物用車両としてのトラクター。→トレーラー(トラクタートラック)、トランスポーターガントラクター(砲兵トラクター)など

このほか、過去には人員運搬車両(バス)の牽引用としても用いられていたことがあった(後述)。


農業・土木トラクターは馬力を優先した設計となっているため速度性能は低く、小型・中型で最大30~40km/hぐらいしかスピードが出ない。大型トラクターでようやく最大50km/hである。


農業用トラクター編集

田植の季節ですね

農業用トラクターは、土の柔らかい農地でも車体が沈まないよう大きなタイヤがついているのが特徴的。無限軌道(クローラー)がついているものもある。車体後部にはパワー・テイク・オフ(PTO)というエンジンの回転を出力するシャフトが突き出ており、これにアタッチメントを接続することでさまざまな作業機を作動させる。これによりただ牽引するに留まらない多様な作業が可能となる。また作業機を本体の姿勢とは独立して水平に保持する「自動水平」機能が備わっている。


作業機としては、日本ではロータリー(回転式の耕耘機。土を柔らかく耕す)の装着が最も一般的だが、あくまでもロータリーはオプションの一つに過ぎず、様々な農業機械と接続できるようになっている。プラウ(犂)を装着して土の天地返しや農作物残渣のすき込み、畦塗機で田んぼの塗り、シードドリルやブロードキャスタを装着して種まき(肥料散布にも用いる)、ブームスプレーヤを装着して農薬散布、マルチャーを装着してマルチ貼り、カルチべーターを装着して除草・中耕…といった具合である。ハローを装着して、ロータリーで行った耕耘の仕上げや代かきを行うこともある(ロータリーだけで済ませてしまうことが多いが)。掘取機を装着してイモ堀りに使うこともできる。


前部にも作業機を装着できるフロントリンケージ機構を装備しているものもあり、フロントフォークやバゲットなどを装備して荷物の積み下ろし、運搬、堆肥の切り返し、整地(ブルドーザーの代用)などにも活躍する。


油圧システムによりPTOやフロントリンケージにエンジン(主にディーゼルエンジン)の動力を供給する。後部に重い作業機を装着した場合は重量の偏りからトラクター本体が持ち上がってしまう危険性があるので、車体前方にカウンターウェイトを装着して釣り合いを取る(前方に作業機を装着した時用の後部カウンターウェイトもある)。また、農地に出入りする際、斜面を通ることが多いことから横転してしまう危険性もあり、これによる死亡事故も結構多い。そのために現在売られているトラクターには横転しても運転者が潰されないよう必ず安全フレームがついている。


歴史編集

自動車の原点編集

世界初の自動車はトラクター(ないしトラックであったフランス陸軍大砲を引っ張るために18世紀後半に試作されたキュニョーの砲車という車両で、まだ蒸気機関の発達が初歩的な段階であったため、信頼性に乏しいものであったことで開発は難航し、前輪駆動という駆動方式に無理があったため操舵が難しく、試作車は自損事故で壊れてしまう。開発者の失脚によりこの計画は立ち消えとなり実用化に至らなかった。なおキュニョーの砲車は事故で壊れたあと修復され現存する。


トラクションエンジンの時代編集

蒸気機関の発達が進んだ19世紀中頃になると、「トラクションエンジン」と呼ばれる農業用トラクター運搬用自動車道路舗装ローラーなどの蒸気自動車が製造された。

トラクションエンジン IN 幻想郷

トラクションエンジンは運行が静かで馬力があり、速度は人間が歩く程度ののんびりしたものであった。また自走するだけでなくフライホイールから動力を取り出すこともでき、脱穀機や排水ポンプの動力としてもよく用いられた。


トラクションエンジンはプラウを取り付け耕耘に、ブレード(排土板)をくっつけて土木工事ブルドーザーに、荷車をくっつけて運搬用のトラックにと、一台で汎用的に用いられた。人が乗る車を引っ張ってバスに使われるものさえあった。各用途のトラクターが分化したのは、後世のことである。


内燃機関への転換編集

Fトラクター

しかし、20世紀に入ると高効率なガソリンエンジン車の普及により、重くてスピードの出ない蒸気機関を搭載したトレーラーはすたれ始め、従来型のトラクターはスピードを求められない農業用や工事用にのみ使われるようになった。


やがて農業用トラクターにもガソリンエンジンが用いられるようになり、第一次世界大戦中にフォード・モーター子会社が製造販売したフォードソン・トラクターF型 が一気に普及、第一次世界大戦後には内燃機関式のトラクターがトラクターの標準となった。

さらに、無限軌道(キャタピラ)式の車両も20世紀初頭にホルト社(現在のキャタピラー社)が農業用として製造した。日本に導入された最初の内燃機関式トラクターもこのホルト社製トラクターである。


履帯式トラクターにはクレーン、フロントローダー、バックホー、ドーザーブレード等の様々なアタッチメントが開発・販売され、のちのブルドーザーのようにそれぞれ別個のカテゴリを形成していった。


1930年代には空気タイヤを装着、ディーゼルエンジンを搭載し、3点リンクによって作業機を取り付けられる仕組みになっている現在の農業用トラクターの構成が固まった。


農業用トラクターが日本に本格的に導入されたのは第二次世界大戦後であり、1950年代末ころからクボタコマツ、60年代にはヤンマーによる国産トラクターの製造も始まった。


将来編集

現在の農業用トラクターの動力源は軽油を燃料とするディーゼルエンジンが主流である。


しかし、乗用車貨物車重機と同様、農機にも地球温暖化問題への対応が強く求められ、再生可能エネルギーであるバイオ燃料を使用する研究が進められている。


これとは別に、電動化の波に乗って電動トラクターを投入するメーカーもある。国内農機各メーカーも電動の小型トラクターの市販を目指しているが、パワー不足や稼働時間の短さなどの課題も多い。大型トラクターはバッテリーを搭載すると非常に重くなってしまうため、燃料電池での電動化が目指されているが、実用化はまだ先となると思われる。


また、他の農機や重機と同様、GPSを利用した自動運転システムも実用化に入りつつある。


pixiv編集

pixivタグとしては農業用トラクターが多いが、軍用車両を描いたものなども少なからずある。また、部分一致の場合大量に別の単語を巻き込む(例としてコントラクターインストラクター シュテル・ザ・デストラクターなど)ため、注意が必要である。


G13型編集

新聞「G13型トラクター(13年式G型トラクター)買いたし」といった広告が載った場合は・・・おや、誰か来たようだ。

関連イラスト編集

トラクターConcept of Military TractorT-74 Traktor


関連タグ編集

農機 耕耘機 自動車 農業機械 無限軌道

農業 農作業 カントリー萌え

トラクタ(表記揺れ)


メーカー

ヤンマー イセキ クボタ 三菱マヒンドラ農機(三菱重工業とインドのマヒンドラ&マヒンドラとの合弁) フィアット ランボルギーニ※今はスーパーカーメーカーのランボルギーニとは別の会社になっている

フォード ポルシェ ルノー ※フォードとポルシェ、ルノーは現在トラクターを生産していない

参照編集

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