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トラクションエンジン(Traction Engine)は、蒸気機関駆動のトラクター(牽引車)やロードローラー。トラクションエンジン以外の蒸気自動車はスチーム・ビークル(Steam Vehicle)と総称される。

概要編集

トラクションエンジンのうち牽引用のものは、路上を走れる蒸気機関車として「道路機関車」と呼ばれたこともあるが、実際には両者のメカニズムには多くの違いがある。例えばトラクションエンジンの機関は蒸気機関車のそれより小型で馬力を出せるよう高速回転型で減速機を介する構造のものが多かった。


路上を走るモノが殆どのトラクションエンジンであるが、中にはフランジ付き車輪を持つ鉄道用トラクションエンジン(関連動画4個目)も存在する。


歴史編集

トラクションエンジン IN 幻想郷

世界初の自動車は1769年にフランス陸軍大尉のニコラ=ジョゼフ・キュニョーが試作した「キュニョーの砲車(関連動画1個目)」とされるが、これは蒸気機関駆動の牽引車、つまりトラクションエンジンの元祖とも言える。


蒸気機関車の技術が確立した1850年代には、トラクションエンジンも実用的な形となった。貨物を積む荷車や人を乗せるバスの牽引に広く用いられるようになった。牽引用のほか、建設現場では排土板を取り付けてブルドーザーとして、あるいはロードローラーとして用いられた巨大なローラー付きの車両も存在した。

プラウ(犂)などを取り付けて農業用トラクターとしても用いられたが、車体が重く柔らかいを耕すにはあまり適していないという難点があった。


特徴的なものとして、移動遊園地サーカス団で用いられたshowman's engineと呼ばれるものがある。一座に伴われたエンジンは資材一式を牽引し、設営時のクレーンを駆動し、そして設営された装置に直接動力を提供したり、発電機を繋いで電力を供給したりした。これらはきらびやかに飾られていて、見世物の一部になっていた。


トラクションエンジンは20世紀初頭まで広く使われたが、1910〜1920年代に内燃機関車の普及と発達で道路交通が高速化すると低速のトラクションエンジンは廃れ、農業用も軽量なガソリンエンジンのトラクターにとってかわられた。ロードローラーとしては第二次世界大戦後あたりまでは使われ続けたようである。


トラクションエンジン全盛期に製作が盛んだったイギリスには現在もファンが多く、多くの動態保存車が現存する。


関連動画編集


関連タグ編集

自動車 トラクター 蒸気機関 蒸気自動車 発動機


スチームパンク:スチームパンクを題材にした作品で登場する事がある。

トレバー/ジョージ汽車のえほん及びきかんしゃトーマスに登場するトラクションエンジンをモデルにしたキャラクター。前者は通常のトラクションエンジン、後者はロードローラータイプのトラクションエンジン。

ファーガス(きかんしゃトーマス):きかんしゃトーマスに登場する鉄道用トラクションエンジンがモデルのキャラクター。

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