「慰めてもらいたいだけならムダよ!
あなたと私は、恋人でも何でもないんだから…」
プロフィール
略歴
日系人の軍人家庭に生まれ、ティターンズ配属までは地球で暮らす。
物語開始の4年前の時点でアムロ・レイと出会っている。
ガンダムMk-Ⅱのテストパイロットとしてグリーン・ノアに赴任し、エゥーゴによるガンダムMk-Ⅱの強奪事件に遭遇する。
その後、上官バスク・オムの親書を持ってアーガマへ赴くが、その内容が「強奪したガンダムMk-Ⅱを返さなければ、強奪者であるカミーユ・ビダンの両親を殺す」と言う恫喝だったことを知り驚愕。
ティターンズをジオン残党による破壊行為に対する抑止を目的とした正義の組織だと信じていたエマは大きなショックを受け、人質という卑劣な手段をとった組織に不信感を抱く。
その後、アレキサンドリアに戻った彼女は、カミーユとその父であるフランクリン・ビダンを引き連れ、ガンダムMk-Ⅱ全3機と共にエゥーゴに寝返る。
そして、保護観察の身の際に、サイド1の「30バンチ」コロニーに入り、クワトロ・バジーナから30バンチ事件の真相を知らされ(劇場版ではレコア・ロンドがエゥーゴによる30バンチ調査の映像資料を見せる)、ティターンズの本質を再認識する。
エゥーゴ参加当初は元ティターンズ士官という事で疑われやすい立場であったが、間もなくその生真面目で誠実な性格でクルーたちの信頼を得た。
エゥーゴでは当初リック・ディアスのパイロットを務めていたが、後にガンダムMk-Ⅱを譲り受け、アーガマとラーディッシュを行き来しながら数々の戦闘に参加。
女性ながらパイロットとしての腕は一流であり、物語序盤はエゥーゴ内部でもクワトロ(シャア)らと並びトップクラスの評価を得ている。
また、カミーユやファ・ユイリィ、カツ・コバヤシに対しては、時には姉のように優しく、時には上官として厳しく彼らの面倒を見た。
また、ウォン・リーに次いで頭に血が上りやすく手も早いことから、半ば場の勢いでカミーユやファを引っ叩いてしまうこともしばしばあった。
なお、ラーディッシュの艦長となったヘンケン・ベッケナーから個人的な好意を寄せられ戸惑うが、その後のラーディッシュのクルーなどの言動からは二人の関係を応援している様子がうかがえる(劇場版ではシャアやブライトからも陰ながら恋愛成就を祈られている)。
軍人家庭で育ったこと、正義と信じていたティターンズの本性を知り「裏切られた」気持ちになって失望したこと、ヘンケンのアプローチに戸惑うことなどを踏まえると、彼女自身も半ば精神不安定になっている節が大きく見受けられた。また、カミーユに対する「感情で動くことならだれでもできる」と言ってビンタした際、彼から「パンパン叩く人の言うことですか!」とその矛盾を指摘されていることが証明している。
ブライトから「カミーユをなだめてくれ」と言われた際、「彼をマザコンにしたくない」理由で拒否した他、カミーユの両親が死んだ後、彼が自身の部屋に来た際には上記の「慰めてもらいたいだけならムダ」と突き放している。後者の発言は「逆効果だ」とも批難されかねないが、前者の発言と併せるなら「カミーユをダメ男(ダメ人間)にしたくない」という心情があったのかもしれない。
一方、カミーユがフォウと一時別れて周囲に当たり散らしているのを諫めたうえで、心理学のたとえで「親しい人と離れて寂しいから周囲に当たり散らす」という行動パターンから推察した上で(あるいは女のカンで)「地球で恋でもしてきたんでしょう?」と得意げな顔をしながら的を射た発言もしている(カミーユははぐらかしたが、バレバレ)。なお、上記の「マザコン否定」発言と併せると、「(八つ当たりしている時点ではまだ子供だけど、)少し大人になったわね」という意趣返しの発言とも読み取ることが可能なため、彼女なりにカミーユの自立に向けた人間的成長を評価していることが分かる(特にカミーユとフォウの束の間のラブロマンスは、いかにも大人の階段を上るに等しいものであった)。
カミーユの方からも、彼女の修正や説教などで意固地になってしまうことはあれど、彼なりに慕われており、記憶喪失のロザミィをアーガマで保護した際、エマを紹介する人物像について「エマさんは良い人だよ」と言われている。
宇宙世紀0088年2月22日、グリプス戦役終盤において、自分とは逆にティターンズへ寝返ったレコアの駆るパラス・アテネを相打ち状態になりつつも撃破する。
しかし被弾したガンダムMk-Ⅱのコクピットから脱出したところでパラス・アテネの残骸がヤザン・ゲーブルの操縦するハンブラビの攻撃によって爆発、その破片で全身を強打し致命傷を負う。
その後カミーユに助けられるが、命が尽きることを悟ると、カミーユにZガンダムが人の意思を吸収する力を持っていることを諭し、平和への願いを托して息を引き取った。
この後のコロニーレーザーの照射でエマの遺体は消滅。壊れた乗機のみファによって回収されアーガマに帰ることで物語の幕が閉じるのだった。
劇場版では人物描写がやや異なり、母性的で包容力のある大人の女性らしい一面が強調された。
TV版のような厳格で生真面目なエリート然とした人物という印象は和らいでおり、「ドジっ娘」な一面があったり、カミーユ達にもスキンシップで場を和ます良き姉的な存在として描かれている。
また、ヘンケンからのアプローチにも最初は上手くはぐらかしていたが、物語中盤以降は艦内デッキでエマの方から傍らに寄り添う姿が見られるなど、奥手で恋愛は苦手という傾向も若干緩和された。
小説版ではカミーユと共にクワトロの加勢に赴こうとした際にパプティマス・シロッコが狙いを外した流れ弾がMk-Ⅱの脇腹に当たり、歪んだコックピットブロックとモニターで腹部を強打した事による内臓破裂を起した後、TV版同様にカミーユに看取られて死亡。
致命傷を受けた場面は激痛と共に「死にたくない」「恋愛をしたかった」と言う本音が脳内を駆け巡りながら昏倒、と非常に生々しいものになっている。
漫画版では、上記のカミーユの両親の死後、彼から求められた慰撫を拒絶したのに対し、本編では彼女からカミーユの部屋を訪れて彼を抱きしめている。だが、それ以上に大胆な行動をとっており、カミーユはその恥ずかしさのあまり「ロベルト中尉が好きなんです!」と無茶苦茶な発言をしてごまかしたが、この行為によってカミーユを立ち直らせた。
主な搭乗機
RMS-099(MSA-099) リック・ディアス
RX-178 ガンダムMk-Ⅱ
服装について
ティターンズ時代はジェリド同様長袖長ズボンの軍服を着用。
エゥーゴに転向してから主に着用している緑のノースリーブは、レコアから譲られたものである。
なお劇場版では、アーガマ艦内に常備されている女性用制服の備品のひとつという設定に変更された。
関連イラスト
関連タグ
レコア・ロンド ヘンケン・ベッケナー カミーユ・ビダン クワトロ・バジーナ
ロジックハラスメント…彼女のカミーユの接し方は容赦なくいってしまうとこれが当てはまる。確かにエマのカミーユの注意の内容自体は正しいのだが、その注意の仕方があまりにも高圧的過ぎたことは否めない。事実、彼女の接し方が原因でカミーユが反省するどころか意固地になってしまうシーンも少なからず存在する。(例…両親を失って錯乱しているカミーユに対して、「男のヒステリーはみっともないわ!」と言い放つなど。)フォローしておくと、上記の通り彼女なりにカミーユを成長させたいという思いからやっていたことであり、決して疎んじていたわけではないことは留意しておくべきではある。(死に際にカミーユに優しい言葉をかけていることからもそれが分かる。)