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CV:藤堂貴也/石井康嗣(劇場版)/沢木郁也(アクシズの脅威以前のギレンの野望シリーズ)


概要編集

連邦軍内の一派閥として結成された反地球連邦組織エゥーゴの創立者。58歳。地球連邦軍では准将の階級である。


かつて、一年戦争でも指揮官として活躍した経験がある模様。


人物編集

見た目は温厚そうであるがカミーユのが人質になった際バスクの要求を即座に拒むなど信念を優先する固い一面がある。

ただし、創設者という立場ながらも、ブライト・ノアが就任するまではアーガマの艦長を務め、元・軍人である事もあって自ら前線に立とうとする等の勇敢さから、クルー達からの人望は非常に厚く、第1次ネオ・ジオン抗争におけるエゥーゴの官僚達の無能さや腐敗ぶりと比べたら一目瞭然である。

描写こそはないものの、一年戦争で家族全員を失ってしまった様で、それでいながらスペースノイドへの偏見や憎悪に囚われず、アースノイドとスペースノイドとの融和を目指し、ニュータイプがその希望となり得ると信じる等、高潔な志と鉄の信念を持った人格者である。


ティターンズの中心人物であるジャミトフ・ハイマンバスク・オムとは何かしら因縁や確執があったようであるが、本編では明かされていない。

小説版でバスクのことを「軍人ではなく政治家。一年戦争を経験していないものが宇宙移民の気持ちがわかるものか」と揶揄している。


劇中の様相編集

宇宙世紀0084年に起きたジオン残党組織「狼の鉄槌」によるジオン共和国襲撃未遂事件にもジオン共和国軍のダグラス・ローデン少将と連絡を取り合っており、狼の鉄槌の攻撃計画を彼に報せて、この事件でのティターンズの関与の証拠を掴もうとしていた。


ティターンズによる30バンチ事件をきっかけにエゥーゴとして本格的な軍事行動を起こす様になるが、単に武力一辺倒だけで解決しようとはせず、それまでもあらかじめティターンズに対抗出来るよう改革派の軍人等へ地道な根回しもしており、謎の男クワトロ・バジーナと手を組むなどして準備を進めていた。

また、この時にクワトロ大尉の正体が、かつてのジオンの赤い彗星シャア・アズナブルである事を理解していたようである。


グリプス戦役が開戦し始めたばかり際はアーガマの艦長を務めており、グリーンノアからガンダムMk-Ⅱを強奪したカミーユ・ビダンを「アムロの再来」と評し(実際はそれとは殆ど正反対と言わざるを得ないが)、ニュータイプである事に大きく期待していた。

地球へ到着した際に、連邦議会で地球の危機を訴え、地球に居着く腐敗した政治家達の宇宙移民の演説を無駄は覚悟で行おうとした矢先、ティターンズの刺客によって暗殺されてしまい、死の間際にクワトロ大尉に「シャア・アズナブル」としてエゥーゴを託した。

劇場版では暗殺を指示したのはジャミトフではなくバスクだったことを示唆している。


死後編集

自らの後をクワトロことシャアに託したのは、エゥーゴの適任者として他にいなかった事を踏まえると、エゥーゴの自然消滅を防ぎ、その目的を達成させる為にも決して「間違い」であったとは言えなかったと言える。

しかし、自らの指導者としての最後の決定は、当のシャア本人の経歴に加え、後に「とんでもないやらかし」に出てしまった形で大きく裏目に出てしまう事にもなる。


ジオン・ズム・ダイクンの子、キャスバル・レム・ダイクンとしてのシャア」の影響力は、スペースノイドやアースノイドを問わず宇宙世紀のあらゆる勢力の人々の心を動かすには十分な物となっていた。

しかし、同時に「ジオン公国の赤い彗星としてのシャア」でもあった彼の存在は、劇中でこそ明確にされてはいないのだが、ダカール演説で自らの正体を明かした後、エゥーゴ内部にて一年戦争でジオンに身内を殺されて憎んでいる構成員達からの反感を買ってしまう事態となっており、逆に元ジオンのパイロットだった構成員からは、エゥーゴの本来の目的である連邦の「改革」よりも「打倒」を望む形でジオニズム精神を再燃させる過激思想の者達までもが現れる様になる。この結果エゥーゴという組織内で「親ジオン派」と「反ジオン派」の二分化になり兼ねない問題が生じてしまう事になり、同時に一部の連邦側や世論からも、「エゥーゴはジオン寄りの反連邦組織では無いか」と懐疑を向けられる事にもなっている。

それでも、ティターンズの横暴さが極まった事もあってか、何とかエゥーゴを支持する者達は増えていき、シャアがそのままエゥーゴに残留し続けていれば何とかなっていたのかもしれない。だが、ティターンズ壊滅によってグリプス戦役が終結した後、カミーユの精神崩壊により絶望してしまったシャアはエゥーゴを見捨てる形で去ってしまい、カリスマを失ったエゥーゴもその理念が形骸化していく形で陰りを見せ始めていく。


第1次ネオ・ジオン抗争の終盤には、若年層のガンダムチームを中心とするネェル・アーガマハマーン・カーン派とグレミー・トト派に二分化したネオ・ジオンとの戦いを半ば押し付け、戦いの終結直後に本隊が到着するという失態を演じてしまった。

また、戦争終結後は、エゥーゴの上層部であった者達が自分達の地球連邦内部での確固たる地位が約束された途端、一転してスペースノイドの独立を認めずブレックスが期待していたニュータイプでさえも危険視する始末となっており、その事実を知ったブライトも第2次ネオ・ジオン抗争後にその無節操さを批判している。

更に同じく戦争終結後、一部のエゥーゴの構成員達は連邦への編入を拒絶して離反し、一部はシャア率いる新生ネオ・ジオンへと合流して後に反連邦活動を行い、また別の一部はネオ・ジオンと異なる「エグム」という独自の組織を結成しやはり反連邦活動を行う等、もはやエゥーゴの理念は欠片も無いも同然となってしまった。


これらからも、本人は意識していなかったろうが、ブレックス・フォーラと言う人物もまたジオン・ズム・ダイクンと同様に宇宙世紀の歴史の方向転換に大きく関わる重要人物の一人であったと言え、同時にシャア・アズナブルの人生のその後を決定付ける存在であったと言える。

もし、ブレックスが存命していれば、ダカール演説後にエゥーゴが腐敗していく事にはならず、シャアもまたネオ・ジオンを率いて自らの手で地球潰しを行う様な真似は無かったと思われ、その死を惜しまずにはいられない…。




他メディアでの立ち位置編集

ゲーム編集

ギレンの野望シリーズでは一年戦争だけを取り扱ったナンバリングでも大佐で登場するし、グリプス戦役も扱う作品ではエゥーゴのシナリオで主人公として登場。

彼個人は直接戦闘はともかく指揮は上位クラスという立ち位置だが、レビル主人公の連邦本編では彼に加えて右腕ともいえるヘンケンや最高クラスの指揮を持つブライト、さらにはアムロやカミーユやクワトロといったトップエースも一緒に加入する為、ジャミトフ傘下のティターンズ連中よりも重宝される。

シロッコが選択次第ではティターンズではなくレビルの直臣ポジで加わるため、ティターンズを選ぶメリットが少ないのもエゥーゴ系との連携が選ばれやすい一因か。

また、ブレックスが最後まで存命しエゥーゴを率いていれば、ティターンズの完全討伐後に行方不明になっていたシャアが復帰し、ネオ・ジオン総帥として逆襲しないという重要な役目も担っている。


スパロボシリーズでもZガンダムがクロスオーバーで組み込まれるシナリオが多いため、味方の司令塔ポジとしてレビルよりも登場回数が多く、シナリオによっては生き残ることもできる。

一方、作品によってはティターンズ以外に暗殺されてしまう展開もあり、『Z』では、既にティターンズが終わりを迎えたも同然の状態で暗殺された結果、主人公部隊であるZEUTHのスポンサーであるギルバート・デュランダルからデスティニープラン執行の邪魔になると見なされて暗殺されたらしい事がうかがわれている。

シリーズによっては本来派閥が違うジョン・コーウェンの部下として登場することも。


SDガンダム外伝編集

アルガス騎士団編でアルガス王国国王にしてカミーユ王子の父という形で登場。

各騎士団の仲の悪さに頭を悩ませていたころ、丁度修行の旅がてら立ち寄ったムンゾ帝国のユイリィ姫の言伝を届けに来た騎士アムロと出会い、(一部は賛同者もいたようだが)家臣が異を唱える中でアムロを騎士アレックスにかわるリーダーに抜擢。この人事が功を奏しアルガス王国は立て直しに成功しジオダンテに蝕まれていたムンゾ帝国の解放に成功、両国に和平が結ばれ彼自身も生き延びた。


関連タグ編集

機動戦士Ζガンダム エゥーゴ クワトロ・バジーナ カミーユ・ビダン ブライト・ノア ヘンケン・ベッケナー アーガマ ジオン・ズム・ダイクン


ビスケット・グリフォン:無念の戦死を遂げたことにより、組織のあり方まで変えてしまったほど強い影響力を持っていた人物。

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