CV:広瀬彰勇
人物像
キャピタル・テリトリィを代表して世界各国でタブー破りが行われていないかを調査し、その上でキャピタル政府に対して外交の助言を行うキャピタル・ガード調査部の長。階級は大佐。
キャピタル・アーミィ創設に裏から携わった人物であり、一部からは「黒幕」とも揶揄されている。
自身も腹に一物を抱えており、平時こそ温厚で礼節を重んじる老紳士として振る舞うが、その裏ではスコード教の教えを尊重するキャピタル・テリトリィの人間らしからぬ暗躍を続け、宇宙世紀時代の技術が秘められた「ヘルメスの薔薇の設計図」を用いてアーミィの戦力強化を行う。
タブー破りにも等しいキャピタル・アーミィの設立に携わっただけあり、策士としての才覚に富んでおり、キャピタルの捕虜となったアイーダがベルリ達を伴って海賊部隊へ帰還する事をあえて黙認して見せ、その後「連れ去られたベルリの救出」を口実にアーミィの戦力拡充を行う大義名分を得ている。
また、キャピタル・タワーに襲撃を繰り返す海賊部隊がアメリアの秘密部隊である事を突き止め、アメリアと大陸間戦争を続けるゴンドワンから宇宙戦艦「ガランデン」を調達してみせるなど、表の肩書である調査部大佐としての手腕も確か。
その正体はヘルメス財団の一員、ピアニ・カルータ。
ビーナス・グロゥブで生まれたムタチオンの存在が生物的に見て脆弱であった事から、彼らの事を「人類の劣化」と捉えており、彼らのような存在を生み出さないよう思案し、地球圏の人間を戦争と弱肉強食によって「強化」するべきという考えを持つに至った。
その結果トワサンガ経由で地球へ亡命しヘルメスの薔薇の設計図を地球圏にもたらしたが、それに起因する戦争の激化は、徐々に「人類の強化」という彼の思惑から外れていき、ついにはトワサンガのドレット軍、ビーナス・グロゥブのジット団など複数勢力の地球へのレコンギスタを招くに至る。
自らの制御を外れた戦争に対して傍観者を気取り、戦闘を観戦する為にウィルミット・ゼナムと共に最終決戦の場となったギアナ高地へ降り立つが、戦闘中にあったクン・スーンの乗るマズラスターの突撃行動に巻き込まれた結果、テーブルダストからその身を投げ飛ばされ命を落とした。
なお、彼はトワサンガでは一時期大尉階級で軍に属していた経緯を持ち、その際アイーダ・スルガンとベルリ・ゼナムを生家から地球へ亡命させている。しかし、その際の彼らの身の上は知らされておらず、アイーダのその後の経緯も知らされていなかった。
余談
名前の元になっているのは、イタリア語で仮装行列を意味する「Comparsa」が由来のタンゴの古典曲『ラ・クンパルシータ』で、富野由悠季は著書で「ふざけた固有名詞をつけた」と語っている。