概要
ガンダムAGE-3から更に進化を遂げたガンダムAGEシリーズの最終形態。
パイロットはキオ・アスノ。
「FX」とは、「Follow X-rounder」を意味し、キオの高いXラウンダー能力に追随できるだけの性能を持つ機体となっている。実際にAGE-3はガンダムレギルスとの戦闘の際、キオの反応速度に限界を迎えていて、腕の関節がスパークし、彼自身も「ガンダムが僕に付いてこれない!?」と発言していた。
各部が徹底的に軽量化され、高い機動性を実現しているが、その結果としてシールド類は装備されておらず、防御には後述のCファンネルを組み合わせて対応する。
AGE-3と同じくバックパックはコアファイターとして分離可能。頭部・コックピット・バックパックが上方からドッキングする方式だったAGE-3と違い、モビルスーツ本体にコックピットを擁する機首が後方から水平にドッキングする形式となっている。
またAGEシリーズ伝統の『胸部のAの字』は、コクピットハッチにAが直接描かれるAGE-1~3の形式から、コクピットブロックの周囲をA字の発光部分が縁取るような形に変更された。
AGE-1~3までに採用されていたウェア換装システムの有無に関しては不明。劇中では登場していないが、Cファンネルは状況に応じて別機能を有した物に換装する事が出来る。
戦後も連邦軍で運用されたが、AGEシステムはイヴァースシステムの開発に用いられるようになった為、専用追加装備はAGEシステムに頼らずに開発されるようになっていった。
武装
Cファンネル
全身に大型6基、小型8基の合計14基装備された遠隔攻撃端末。
ガンダムレギルスやギラーガなどのビット兵器に対抗するべくAGEシステムが作出した装備であり、パイロットの思考に追随し、敵機の特定部位をピンポイントで攻撃する事が可能。また、攻撃の他にファンネルは複数を組み合わせる事でシールドの代わりとしても使用でき、状況によっては機体周辺にビームバリアを展開させる端末としても機能し、ビームバリアを纏った状態で敵へ体当たりするという戦法も用いられる。
作中では後述の運用に加えて、Cファンネルを横並びに連結するようにしてシールドを形成し、離れた所から切り離したヴェイガン機のコックピットをビームの流れ弾から守る等の汎用性を見せた。
Cファンネルはパイロットの意向で『敵機コクピットだけを自爆装置付きの機体から切り離し、殺さず無力化する』という運用をされるが、ヴェイガン機は頭部にコクピットを持つため結果としてファンネルが次々と敵機の首を落としていくという状況を生み出し、一部ファンからは「CファンネルのCはChonpa・ChopperのC」と呼ばれている(刀身がシグルブレイドと同素材である為シグルブレイドのCから取られている、というのが通説。書籍によっては「カッター(CUTTER)」からとも)。
なお劇中の演出においては、Cファンネルを操作する際にガンダムが自身のマニピュレーターでファンネルを導くような動作を取る。この時、コックピット内部で複数のCファンネルと見られるアイコンが立体映像のように映し出される。キオがこのアイコンの動きを目で追っていたため、Cファンネルの状態等をここで確認していると思われる。
なお、OPで披露する「周囲にCファンネルを円状に並べて取るポーズ」は俗に「ためらいを消し去るポーズ」と呼ばれており、AGE-FXを象徴するポーズとしてゲーム作品でも度々取り入れられている。
スタングルライフル
バレルを展開し、チャージモードに変形させる事で威力を調節可能となる携行型ビーム兵器。
射撃の間合いであってもCファンネルが攻撃の要となる為、使用頻度は低い。
また、チャージモードに関しても最終局面でラ・グラミズの構造物を破壊する目的で使用されたのみである。
ダイダルバズーカ
スタングルライフルにオプションパーツを装着した長距離用ビーム砲。
AGE-3ノーマルのブラスティアキャノン同様、後から作出された装備。
劇中、最終局面で対ヴェイガンギア・シド用にキオに届けられたが、一発も当てられる事無く破壊されている。
ビームサーベル
前腕部に内蔵されたビーム刃。AGE-3と違い完全に腕部に内蔵されている為、手に持って用いる事は出来ない。
腕部に大型のCファンネルを装着することでサーベルの代用とすることも可能。
FXバーストモード
宇宙要塞ラ・グラミズ攻略戦前に追加された形態。
起動すると機体の機動性を極限まで高め、Cファンネルを接続するコネクターから青色のビーム刃が出現し、それに伴い機体が青く発光する。
その戦闘スタイルは「全身からビーム刃を展開させ、超高機動による体当たりを繰り返して敵機を切り裂く」という荒々しいもの。
その攻撃性に加え、攻撃精度の低下による敵パイロット殺傷の可能性を危惧した為、キオは使用をためらっていたが、親友であったディーンの死に対する怒りに応じるかのように起動した。
この初回起動では半ば「暴走」ともいえる挙動を見せたが、最終局面、ヴェイガンギア・シドを破壊するために再度起動。理性を保ったまま一方的にヴェイガンギアを蹂躙し、かつパイロットは殺さないという活躍を見せた。
この形態でCファンネルを操作する描写がないため、この形態でもCファンネルを使用できるかは不明だが、設定上は制御精度が低下する程度で済む模様。
全身からビーム刃を発生させた際の姿は磁気光孔システムのリミッターを解除したガンダムAGE-1 タイタスを彷彿とさせるが、技術的な繋がりについては不明。
一部ファンからはAGEシステムが導き出した物の先がガンダムAGE-1のタイタスとスパローのいいとこ取りになったと言われているが、劇中で明言はされていない。
バリエーション
ガンダムAGE-FX Aファンネル装備
ガンダムAGE-FXにウットビット・ガンヘイルが開発した「Aファンネル」を肩・腰・脚部に装備した形態(ウットビットはこれ以前にもガンダムAGE-3 ラグナのウェアをAGEシステムに頼らずに設計している)。
AファンネルはCファンネルから数えて六番目に開発された装備であるが、連邦軍が運用するガンダム専用の装備としては初めてAGEシステムに頼らずに開発されている。
Cファンネルと比べ大型であり装備可能数に制限があるが、ドッズキャノン、ビームトーチ、高性能センサーなど様々な機能を有する。また、ビームトーチのリミッターを解除すれば大型のビームサーベルとして運用可能。
戦争終結から三年後、パイロットは引き続きキオが勤めるが、機体のテストはウェンディ・ハーツの遠隔オペレーティングと平行して行われた。
他、ゲーム作品では
スーパーロボット大戦シリーズ
初登場作品はBX。改造はAGE-3から引き継がれる。バーストモードは終盤に追加される武装として実装
必殺武器であるCファンネルはバリア無効・サイズ差無視といった特殊効果があるものの、基本射程が4~8とシミュレーションRPGのユニットとしてみると癖が強い。前述のバーストモードが追加されると遠近両用になり一気に運用幅が広がる。
なお、AGE-3は射撃重視だが、AGE-FXの必殺武器は格闘属性に偏っているので、パイロット育成での火力アップを狙う場合は注意。
ガンダムvsガンダムシリーズ
マキシブーストONで初参戦。元祖主人公の最終搭乗機と同じくコストは3000。サブ射撃はあちら同様ファンネルだが、FⅩは弾数2で一度に4基展開する、また、サブの残弾に応じてガードのアクションが変化、全弾残っている場合のビームバリアには全方位シールド効果が付く。
それ以外ではアシストではゲロビ&ミサイル発射or突撃のフルグランサとアンカー振り回しor変形して運んでくれるダークハウンド呼び出しも可能。ダイダルバズーカは射撃SCで放つ単発ダウン弾となっている。
最大の特徴は耐久値が一定値以下になるかEXバースト(通称;覚醒)発動でFXバーストモードに移行。この形態ではCSとアシストが無くなり、その代わりに機動力・格闘の性能が大幅に強化され、更に射撃ガード付き急速接近とバリアが使えるようになりノーマル時とは打って変わって格闘寄りの性能に変化、BD格闘でザナルド戦を髣髴とさせる超高機動の滅多切りと、その荒し性能は前作主人公機にも引けを取らない。
ノーマル時は丁寧な射撃戦で戦う守備的な万能機、バーストモードは機動力と格闘刺し込みで押していく攻撃的な格闘寄り機体になる。
つまり劣勢になったら突撃ワンチャンで巻き返しに行く機体である。覚醒でも切り替わるので爆発力は高い。
この機体の弱みはその換装条件。耐久減少or覚醒中にはバーストモード、任意換装コマンドが無いので融通が利き辛い。加えて平常時には押しつけ武器が少なく、火力負けしやすいのが辛い。
ただし最上位コストらしくノーマル時はアシストや降りテク、前格闘で射撃シールド付き格闘といった搦め手を持ち、またコストオーバーでの耐久値減少状態での再出撃でもバーストモードは発動する(計算上、相方が2000コストか2500コストなら可能)ので後落ちでも粘りやすい。この辺りを上手く活かして立ち回りたい。
エクバ2の時代にバーストモード時の逃げ性能が落とされたがクロブの時代に一出撃に一回だけ任意でバーストモードになれるようになった。
通常の覚醒技はヴェイガンギア・シドに行ったFXバーストモードでの突撃なのだが、後覚醒技ではなんとプラズマダイバーミサイルを装備したAGE-1フラットを呼び出す。
ただし原作通りキオが止めに入った後、誰もいない場所に発射した時の再現になっているのだが、ステージの高高度で爆発する為に地上に居れば当たらないので実用性はイマイチ。
これまで「EXVSシリーズの一つ目のコスト3000解禁機体はぶっ壊れ機体」という不文律があったが、本機は優秀な性能をしているが環境を一色に塗り替えるほどではないので、そのジンクスは破れたといえよう。
立体物
アドバンスドグレード(AG)
最初に発売されたAGE-FXのガンプラ。
アーケードゲーム『ゲイジングバトル』との連動に特化しているAGの特性上、可動範囲は最低限だが造形は良好でCファンネルはクリアパーツで再現。
廉価版キットながらツインアイもクリアパーツ化され見栄えが良い。
AGE HG
同シリーズの他のキットの例に漏れず、こちらも造形と可動は良好でギミックは一通り再現されている。
AGE-FXのキットでは唯一Cファンネル用のスタンドが付属し、劇中のイメージで飾る事が可能。
数少ない欠点として、ビームサーベル刃が付属せず接続穴の大きさも他のキット付属の物とは異なる為に流用する場合は小加工が必要(これは後述のバーストモードで解決)。
バーストモード
HG AGE-FXの仕様替えキットで『AGE-FXバースト』の名前で発売。
単に通常のAGE-FXの成形色変更に留まらず、エネルギー噴射エフェクト及びビームサーベル刃(無色)を追加したマイナーチェンジ版キット。
アニメ劇中で併用描写が無かったCファンネルもエネルギー噴射エフェクトと同色となって付属している。
BB戦士
HGに負けない色分けと造形が特徴で、HG同様にコアファイターも分離可能。
同シリーズで展開されていた他のAGEシリーズのようなギミックは少ないものの、こちらもCファンネルがクリアパーツで再現され脱着も可能。
関連動画
関連項目
ガンダムAGE-1 ガンダムAGE-2 ガンダムAGE-3 ガンダムレギルス 妖怪首おいてけ