現状、機動戦士ガンダム逆襲のシャア 、機動戦士ガンダムUC の二作品に名前のみ登場している。
概要
地球連邦政府議会の議員。
アナハイム・エレクトロニクスとの関係も深い国防委員会の重鎮で、移民問題評議会にも名を連ねている。
先の紛争におけるネオ・ジオンの敗北を期に、その活動を鎮静化させつつあった反抗分子の存在を軽視せず、彼らに対抗するためにエゥーゴ出身の提督とカラバ出身の将軍らを説得し、外郭独立部隊である「ロンド・ベル」の設立を後押ししたとされる(実は彼が直接的な創設者であるとは言われていない。エゥーゴとカラバ出身の高官らが直接的な音頭を取ったという)。
その後、エゥーゴからも離反したシャア・アズナブルが率いる新生ネオ・ジオンの存在が明らかになると、アムロ・レイやブライト・ノアなど過去に功績のあった人物を集めるだけでなく、既に旧式化しつつあったジムⅢに代わる次世代の主力機としてジェガンの量産を推進し、それをロンド・ベルに優先的に配備させるなど、同部隊の強化を見込んだ再編成を実施した。
そのネオ・ジオンが実際に行動に出た際、この時にアムロが使用していた試作機リ・ガズィの力不足が露見した事で、それに代わる彼の機体を作るためにAE社に手を回してνガンダムの開発を決定させ、アムロがこれまで以上に戦えるようにも働きかけるなど、ロンド・ベルの最盛期における、政治面での最大の後ろ盾として活躍した。
結果だけで言えば、彼の存在がなければアムロも含めて誰もこの時のシャアを止める事ができずにシャアの実行したアクシズ地球落下計画が完遂されていたかも知れず、それを考えると彼もまたアムロ達とは違う意味での地球の救世主であると同時に、0089~0093年の急速に無気力化が進展しつつあった地球連邦軍の延命の影の功労者と言える。
人物像
本編では全く登場しないため、彼自身どういう人物なのかを推し図る事は難しいが、当時の連邦政府高官の中では数少ない優れた危機管理意識を持った人間である事が示唆されている。
特に小説版(ハイ・ストリーマー)ではアムロが「連邦にもまだこんな人が居るのか」と感心し、ブライトも「良心的な参謀で助かる」と評価していた。
ただし、連邦議会の意向を覆すまでの力は無いとの事で、それの決定によって秘匿されてしまった、現存する歴代のガンダム系MSの再使用(近代化改修は必須)許可は取れず、捜索の手配もできなかったため、そこはνガンダムを新造する手続きを取って対応したとの事。
連邦の参謀次官アデナウアー・パラヤも彼の事は無視できない事情があったらしく、このアデナウアーが地球港で困っていたノア一家に接触したのも、ブライトの現在の上司であるジョンに対して間接的に過去の借りを返すという意味合いがあったからとされる。
彼は一年戦争時からの兵站部署の高官で、その考えはレビル派寄りであったようで、グリプス戦役では早くからエゥーゴに与していたようである。過去に属していたエゥーゴとカラバ出身の軍人からの人望は厚く、ヤシマ家とも繋がりがあったという。
一方で、政府中央議会議員のローナン・マーセナスからは「彼はAE社と癒着しており、だから連邦軍がAE社と共に行っている宇宙軍再編計画の失敗を恐れている利権の亡者」と思われている(とはいえ、彼無くば国体としてのジオンの終焉した宇宙世紀100年~123年までの連邦の安定期はなかったと思われるので、これはローナン個人の僻みの可能性が高い)。
一言でいえば、結果的には地球連邦にジオン時代の終焉からの数十年とはいえ、地球圏にしばしの安寧をもたらした偉大な人物である。
余談
宇宙世紀の歴史においては割と無視のできない大きな影響を残したキャラクターにも係わらず、以降のどの続編や外伝作品にも未だに直接的な登場が無い非常に謎の多い人物とされている。
後の『閃光のハサウェイ』にて独自のルートでAE社にΞガンダムを作らせたクワック・サルヴァーのやり口がジョンのものと似ているという理由から、一部のガノタの間では彼と同人物説まで囁かれたほど。
関連タグ
ブレックス・フォーラ ジャミトフ・ハイマン:過去の時代における連邦軍の独立部隊の政治的リーダー