作品解説
ガンプラを題材とした漫画作品である『プラモ狂四郎』から登場して以来人気となった武者ガンダムの物語であり、当初はBB戦士の武者ガンダムの組立説明書掲載の漫画『七人の頑駄無』をベースにバンダイとコミックボンボンのタイアップ企画として始まった。その後、発売されるBB戦士の組立説明書には『SD戦国伝』として物語が連載され、ボンボン誌上ではSDガンダムのデザインを考案した横井孝二の漫画『元祖! SDガンダム』や各種記事などで特集が組まれた。そして1990年に発売されたボンボンスペシャルムックの『完全保存版 SD武者ガンダム』に掲載された読み切り漫画をきっかけに、ボンボンの増刊号である『ボンボンスペシャル』にてやまと虹一が描く『SD武者ガンダム風雲録』がスタートする。
登場キャラクターの多くは機動戦士ガンダム、機動戦士Zガンダム、機動戦士ガンダムZZ、機動戦士ガンダム逆襲のシャアに登場するモビルスーツやモビルアーマーなどをモチーフにしている。
尚、シリーズ名は当初『SD戦国伝』だけであったが、後のシリーズと区別するために『天下統一編』の際に『武者七人衆編』とつけられた。
物語
時は戦国、乱世の時代。世に無敵を持って知られる七人の侍たちがいた。その名を「武者七人衆」と人は言う。彼らは世に平和を齎そうと各地で正義の為に戦っていた。
ある時、謎の武将・闇将軍に率いられた悪の武者軍団「闇軍団」が頑駄無軍団に対して侵攻を開始する。頑駄無軍団の最高指導者である頑駄無大将軍は各地に散っていた武者七人衆に召集をかけ、そのうちの五人が集まった。そして彼ら「頑駄無五人衆」を中心に頑駄無軍団は闇軍団と戦いを繰り広げる。しかし、闇軍団の背後には恐るべき闇の存在がいたのだった。
そしてこの戦いが、長きに渡る光と闇の戦いの幕開けでもあった。
頑駄無軍団
正義と平和を守るために日夜戦う光の武者軍団。総大将である大将軍の元、将頑駄無が全軍の指揮を執り、将頑駄無と中核である武者七人衆を筆頭に、突忍軍団、火忍軍団、下忍軍団などから構成される。また諜報部隊として頑駄無組が存在する。
武者七人衆
頑駄無軍団の中核ともいえる精鋭チーム
武者頑駄無<ムシャガンダム>
モチーフ:ガンダム
本編の主人公。七人衆のリーダーである頑駄無軍団進軍隊長。
武者頑駄無摩亜屈<ムシャガンダムマークツー>
モチーフ:ガンダムMk-Ⅱ
元は隠れ里出身の狩人だったが、森で暗殺者に狙われた将頑駄無を助けた事で武者となった。
二刀流の使い手。武者修行の時に出会った武者イーグルが相棒であり守護獣。彼との空陸一体の戦法を得意とする。また、合体して「武者イーグル」となる。
孤高の剣士を気取っているが実は涙もろいらしい。
武者精太頑駄無<ムシャゼータガンダム>
モチーフ:Zガンダム
七人衆の軍師的存在。武士の家柄で、剣と弓の使い手。馬術にも長けており、愛馬である緒羅四恩<オラシオン>を駆る。
緒羅四恩と合体して「ケンタウロススペシャル」になると、通常の30倍のスピードを出す。
武者駄舞留精太頑駄無<ムシャダブルゼータガンダム>
モチーフ:ZZガンダム
頑駄無軍団でもナンバー1の大砲使いで、火力に物を言わせる戦法が得意。だが。そのせいで味方を巻き込むこともしばしばある。一方で意外にも機械工学に長ける博識な所もあり、自分の使う大砲や守護メカである武者戦車を始め、頑駄無軍団の武器の多くは彼が手掛けたものが多い。
自作の武器である拝覇大筒<ハイパーおおづつ>と兜の目牙砲<メガほう>の破壊力は絶大である。
彼の技術屋としての腕は後のシリーズにも影響を与えている。
武者仁宇頑駄無<ムシャニューガンダム>
モチーフ:νガンダム
高貴な生まれのお坊ちゃんで両親の死後に山寺に引き取られ、その山に住む伝説の竜から武術を教わった。
得意の術法で特殊武器「扇子龍<ファンネル>」を操って敵をかく乱させたりする。
また共に修業をした飛龍が守護獣で、合体して「武者飛龍」となる。
武者斎胡頑駄無<ムシャサイコガンダム>
モチーフ:サイコガンダム
七人衆随一の怪力を誇る巨漢武者。元々は山賊の頭として大暴れしていたが、仁宇頑駄無の育った寺を襲撃した際に仁宇に敗れて改心、足を洗って武者になった。
召集の際に駆け付けておらず行方不明になっていたが、実は闇軍団の璽悪に捕まり、洗脳マスクで闇軍団の先兵にされていた。だが暴終空城の戦いでマスクが外れたために洗脳が解け、武者七人衆に復帰した。
山賊時代からの相棒である守護獣・バッファローと合体して「武者バイソン」になる。
農丸頑駄無<ノーマルガンダム>
モチーフ:ガンダム
武者七人衆最後の一人。武者頑駄無の双子の弟で、兄と同じく農民の子供として育った。二刀流の達人であり、摩亜屈にそれを教えたのも他ならぬ彼である(自身はその後、二刀流は封印した)。
斎胡同様に、当初は召集に駆け付けていなかった。その理由は…
守護獣はアニマルスピリット(シーサー)。
隠密頑駄無<オンミツガンダム>
農丸頑駄無のもう一つの顔。
物語開始当初、二代目頑駄無大将軍の密命で闇軍団とその黒幕である闇皇帝の調査をしていたため、招集には応じていなかった。
闇皇帝出現に際してその正体を現し、武者七人衆に復帰した。
首脳部や幹部
モチーフ:なし
頑駄無軍団の総大将。かつての闇皇帝に殺された父・初代頑駄無大将軍の後を継いで大将軍となった。武者と農丸の従兄弟。
武者たちと近い歳なのでまだ若いが、凄まじい光の力を受け継いでいる。
将頑駄無<ショウガンダム>
モチーフ:パーフェクトガンダム
頑駄無軍団の総指揮官。武者頑駄無と農丸の実父。
初代大将軍の実弟であり、二代目大将軍の叔父にあたる。かつては農民として二人の子を育てていたが、闇軍団の動きを察知して七人衆を再び招集した。
後に「将頑駄無」の名は頑駄無軍団筆頭に与えられる「称号」となる。
武者百士貴<ムシャヒャクシキ>
モチーフ:百式
武者七人衆に次ぐ実力を持った武者。
かつて将頑駄無たちと一緒に戦った貴族である字音大君<ジオンダイクン>の子供。
父の死後、将頑駄無に引き取られて武士として育てられた。
その名前は「『百』人の武『士』の中で最も高『貴』な男であれ」という願いを込めて名付けられたらしい。
生き別れの弟である百鬼丸と再会した後は、共に闇将軍の調査などに携わった。
百鬼丸<ヒャッキマル>
モチーフ:量産型百式改
武者百士貴の弟。父の死後、兄である百士貴とは別に伝説の忍である「殺駆雲斎<ザクうんさい>」に引き取られ、厳しい修行を積み忍者となり、忍者部隊に配属された。
兄と再会した後は共に行動するようになる。
突忍軍団
迅速な機動力と突進力で敵を駆逐する武者部隊
出伊慈絵<ディジェ>
モチーフ:ディジェ
突忍軍団の団長。武者百士貴の片腕とも言われる実力者。
巨体とパワーを活かした戦法が得意。鉄球が武器で、それを振り回して戦う。
また忍術の心得もある。
吏・我髄<リ・ガズィ>
モチーフ:リ・ガズィ
第1部隊隊長。仁宇の修行仲間。
三又の槍を使いこなし、突進力を活かした攻撃を得意とする。
武者精太頑駄無に憧れており、密かに頑駄無の称号を貰いたいと思っている。まだ若いので血気にはやりがちな所が弱点と言える。
彼の父も、かつて頑駄無軍団の一員であった。
女足<メタス>
モチーフ:メタス
第2部隊隊長のくノ一で、頑駄無軍団の紅一点。精太の幼馴染で慕っている。
隠密行動と変装が得意で、それを駆使した情報収集に長ける。
慈絵丸<ジェガン>
突忍軍団で鉄砲隊の足軽。多数いる。火縄銃で敵を攻撃する。
後にガンダムビルドダイバーズでもSDガンダムをメインとしたフォースの使用するガンプラとして客演した。
音喪<ネモ>
モチーフ:ネモ
突忍軍団の隊員である弓兵。前方の味方を弓矢で援護する。
火忍軍団
火力と破壊力に優れた武者たちで構成された部隊
里空出伊鮮姿<リックディアス>
モチーフ:リック・ディアス
火忍軍団の団長。同部隊の中でも頑丈な鎧と怪力を誇り、リーダーシップもある。
彼の父もまた頑駄無軍団のメンバーだった。
璽武<ジム>
モチーフ:ジム
火忍軍団の足軽。集団戦法で戦う。
璽武通<ジムツー>
モチーフ:ジムⅡ
璽武と同じく火忍軍団の足軽。同じく集団戦法で敵と戦う。
槍の使い手でもある。
また火忍軍団には上記の3名の他にも頑巨砲<ガンキャノン>、頑戦車<ガンタンク>と言う武者が存在する。
隠密部隊・頑駄無組
情報収集を得意とする将頑駄無直属の忍者部隊。影のように武者たちを助ける
武者影頑駄無<ムシャカゲガンダム>
頑駄無組の隊員で武者頑駄無の影武者。
武者影精太頑駄無<ムシャカゲゼータガンダム>
頑駄無組の隊員で武者精太頑駄無の影武者。
武者影駄舞留精太頑駄無<ムシャカゲダブルゼータガンダム>
頑駄無組隊長で武者駄舞留精太頑駄無の影武者。
下忍軍団
各部隊の雑兵として戦う頑駄無軍団の最下級部隊
暴留<ボール>
モチーフ:ボール
頑駄無軍団の下級兵士たる下忍。沢山おり、集団戦法が得意。
闇軍団
世界支配を目論む悪の武者軍団。詳細は該当記事を。
関連タグ
本作→風林火山編
武者烈伝:リメイク版とも言えるシリーズ。