概要
本作の15~16話から登場した新しいガンダムシリーズ。合計3機存在する。
プトレマイオスチームもその存在を知らず、ヴェーダにも該当データが一切存在しない謎の機体であり、ソレスタルビーイングのセカンドチームを自称するチームトリニティによって運用され、プトレマイオスチームのガンダムよりも苛烈で徹底的な武力介入を行い、挙句の果てには特に理由もなく民間人の大量虐殺までもを行った結果、ガンダムに対する世界の敵意を増幅させた。
その正体はソレスタルビーイングの監視者であるアレハンドロ・コーナーが、イオリア・シュヘンベルグの計画を改変する為に、先祖が回収した紫ハロから得た太陽炉のデータと、ヴェーダから引き出したデータを基にして独自に開発した、要は外部で作られたオリジナルのガンダムである。
ただし、その外道な行いの数々から刹那・F・セイエイやティエリア・アーデからは「貴様はガンダムではない」「君達はガンダムマイスターに相応しくない」とその存在を認められていない。
実際に、本作におけるガンダムの定義とは「イオリアの計画上で開発され戦争根絶の為に活動する太陽炉搭載機」である為、アレハンドロの横槍で勝手に作られたに過ぎないスローネは、厳密には本作の定義におけるガンダムには該当せず、トリニティもガンダムマイスターには該当しない。
機体デザインは鷲尾直広氏が担当している。
機体の特徴
第3世代までの主にプトレマイオスチームによって運用される、コストや生産性を度外視して作られたガンダムとは違い、本シリーズは最初から量産化を前提として設計されており、役割に応じて各装備や塗装や頭部の仕様などが変更されている以外はいずれも全く同じ機体である。機体の外観としては手足がかなり細長く、脚部がハイヒール状かつ爪先が長くなっているのが特徴(後述のアルケーガンダムも踏襲)。
また、一部の機体にはデータを取得できたのか、第三世代ガンダムを彷彿とさせる装備をしている。
最大の特徴は通称「GNドライヴ【Τ】(タウ)」と呼ばれる、太陽炉=GNドライヴの所謂デッドコピーである「擬似太陽炉(ぎじたいようろ)」を搭載している点である。オリジナルの太陽炉とは違って真紅のGN粒子を発生させており、さらにそのGN粒子には細胞異常を引き起こす強い毒性があるのが特徴。
また、GN粒子の生産には外部からのエネルギー供給を必要とする点もオリジナルとの大きな違いで、その為にスローネ各機には擬似太陽炉の始動機(スターター)が装備されている他、太陽炉そのものの駆動時間もオリジナルとは異なって有限であるなど、性能そのものは明確な太陽炉の劣化版である(ただし、生産性や整備性、それ以外にもある機能の調整の容易さは疑似太陽炉の方に利がある)。
機体の構造は、プトレマイオスチームのガンダムが太陽炉を機体内部に格納する方式なのに対して、こちらは太陽炉そのものを胴体として四肢を取り付ける方式になっている(例とするならガンダムはエンジンを格納する自動車、スローネはエンジンがむき出しのバイク)他、機体各部へGN粒子を伝達する方式も、プトレマイオスチームの粒子供給コードを用いた方式に対し、スローネは装甲そのものに粒子を流せるコードレス方式を採用している。
こちらも構造をシンプルにするのと同時に、部品を少なくして整備・改良・量産を容易とする構造であり、トリニティによる上記した武力介入は量産化にあたっての実戦データの収集も目的だったであろう事から、最初からスローネシリーズは後に国連軍に提供された量産機を製造する為のプロトタイプ…そしていずれはその量産機によって駆逐される捨て駒に過ぎなかった。
そのため、世界中のソレスタルビーイングへの憎悪が増幅し、GN-Xも開発された地点でスローネは役目を果たしたと判断された。そのうちのツヴァイは正規パイロットを殺された上、バイオメトリクスを書き換えられて傭兵に強奪。アインは強奪されたツヴァイに圧倒された挙句破壊され、強奪されたツヴァイは国連軍に合流し、最終決戦に参加するも大破。ドライは逃走に成功するも、5年後に倒されたことでスローネシリーズは全機破壊された。
基本的に、3機が1つのチームとなって作戦を行う前提で設計されており、その為に「戦闘支援型ガンダム」というガンダムシリーズでも珍しい機体が存在する。ただし、トリニティ3人の練度や技量不足で、この3機で連携するという設計思想は結局殆ど活かさる事はなかった。
スローネシリーズ
ガンダムスローネアイン
機体番号 | GNW-001 |
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頭高長 | 18.6m |
本体重量 | 67.1t |
所属 | ソレスタルビーイング |
パイロット | ヨハン・トリニティ |
長男ヨハン・トリニティが搭乗する1号機。アインはドイツ語で「1」の意味。
ガンダムデュナメスの精密狙撃能力と、ガンダムヴァーチェの大火力を融合させた遠距離重砲撃型MSである。単体でも充分高い火力を有しているのだが、「GNメガランチャー」や「GNハイメガランチャー」など他の2機の粒子供給を受けて使用するさらなる大火力武器も存在する。
詳細は当該記事にて。
ガンダムスローネツヴァイ
機体番号 | GNW-002 |
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頭高長 | 18.6m |
本体重量 | 67.1t |
所属 | ソレスタルビーイング→国連軍 |
パイロット | ミハエル・トリニティ→アリー・アル・サーシェス |
次男ミハエル・トリニティが搭乗する2号機。ツヴァイはドイツ語で「2」の意味。
主に「GNバスターソード」などの強力な近接格闘用の武器に加えて、「GNファング」といった強力な中距離支援及び戦闘に特化した専用の武器を装備し、チームでは前衛を担い、アインへのドライの粒子供給を援護する役割も持つ。
詳細は当該記事にて。
ガンダムスローネドライ
機体番号 | GNW-003 |
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頭高長 | 19.4m |
本体重量 | 67.7t |
所属 | ソレスタルビーイング |
パイロット | ネーナ・トリニティ |
末妹ネーナ・トリニティが搭乗する3号機。ドライはドイツ語で「3」の意味。
機体各部に大容量のGNコンデンサーを搭載しており、スローネアインへの粒子供給や、「GNステルスフィールド」によるジャミングなど、後方からの戦闘支援能力に優れている。
詳細は当該記事にて。
ガンダムスローネフィーア
舞台『機動戦士ガンダム00 -破壊による再生-Re:Build』に登場したスローネ4号機。フィーアはドイツ語で「4」の意味。他のスローネとは違ってリボンズ・アルマークによって作られた。
詳細は当該記事にて。
スローネ用武装ユニット
トゥルブレンツユニット
外伝『機動戦士ガンダム00V』に登場。
ガンダムスローネ用の追加武装ユニット。トゥルブレンツはドイツ語で乱気流の意。
当初から大規模な武力介入を行っていたトリニティだが、その規模をさらに拡大する為にガンダムスローネアイン用に開発された。
スローネ本体の擬似太陽炉に加え、トゥルブレンツ側にも擬似太陽炉が搭載されている為に、活動時間の大幅な延長が可能となっている。ユニットは戦闘機形態への変形機構も備え、独立した支援機として運用する事もできる。
スローネアイン以外のトゥルブレンツも設計はされていたが、所詮は生贄同然の捨て駒に過ぎないトリニティには過ぎた武装(特に長距離高速移動・稼働時間延長)と見なされ、結局ロールアウトされる事はなかった。
バリエーション
スローネヴァラヌス
機体番号 | GNX-509T |
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頭高長 | 18.8m |
本体重量 | 69.1t |
所属 | 国連軍 |
パイロット | デボラ・ガリエナ |
外伝『00V』に登場。
アレハンドロ・コーナーによって独自に開発され、後に国連軍に提供されたGN-Xの試作機にあたる機体。試作段階である為に、機体各部には基となったガンダムスローネの名残が見られる。
詳細は当該記事にて。
アルケーガンダム
機体番号 | GNW-20000 |
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所属 | イノベイター(リボンズ・アルマーク)の私兵 |
パイロット | アリー・アル・サーシェス |
第2期に登場したスローネシリーズの最終発展型。
ツヴァイをベースにサーシェスの専用機として各種改修が施されているが、その分閉所での戦闘では武装が制限される。
本機はツヴァイ同様に近中距離戦に特化した機体だが、他にもMSVとしてアイン・ツヴァイ・ドライの装備を統合した「ヤークト」や、ドライの装備をベースにしたものも存在している。
詳細は当該記事にて。
ガンダムスローネSSカスタム
ビルダー | ソガ・ショウタ |
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ファイター | ソガ・ショウタ |
フォトストーリー「ガンダムビルドファイターズ炎」に登場するビルドMS。
上記のオリジナルのスローネの特徴的な要素を全て搭載した正にパーフェクトな機体であり、グフSSカスタムの後継機として登場。
具体的に言えば、
- 右肩にGNメガランチャー
- 両腰部のGNファングコンテナ
- 左背部のGNステルスフィールド展開機
等。ちなみにバックパックはパージ可能らしい。
トランザムを使用した描写は無かった。
SSは「スペシャル・スコードロン(特殊中隊所属仕様)」の略称で決して
「ソガ・ショウタ(Soga・Syota)カスタム」の略では無い。
たぶん。
劇中ではコウエン・ユウセイのハイパーΖガンダム炎(重装版)とほぼ互角の攻防を繰り広げたが、炎システムの前に惜しくも敗れ去った。(これについてはユウセイも「捨て身の戦法を取らなかったら負けていた」と語らせるまでに追い詰めていた。)
その魂は同じく万能型の後継機、メッサーラSSカスタムに受け継がれる事になる…
SDガンダム外伝シリーズでは
『新約SDガンダム外伝 創世超竜譚』で暗黒卿マスターガンダム配下のスローネ三魔卿として登場している。
神の座を決めるバーサルウォーの決勝戦でグラディエーターガンダムエクシア(勇者ガンダム)に敗れた益荒男マスターガンダムが暗黒魔人ダークネスハート(正体は、黄金神話の時代で死亡したスペリオルドラゴンの中に宿っていた悪の一部が時空を越えて、創世超竜譚の時代の闇の世界で成長した存在だった)と組んで闇の力を得た暗黒卿スサノオマスターガンダムに賛同して配下となる。
メンバー
- 突撃卿スローネアイン
空を支配する闇の将軍で力こそが正義だと信じている。
機兵は、突撃機兵ソードスローネ(後の突撃卿ガンダムヘブンズソード)。
- 争覇卿スローネツヴァイ
陸を支配する闇の将軍で暗黒卿を英雄と崇め絶対の信頼を持っている。
機兵は、争覇機兵グランドスローネ(後の争覇卿グランドガンダム)。
- 江湖卿スローネドライ
海を支配する闇の将軍で闇の力に陶酔している。
機兵は、江湖機兵ウォルタースローネ。
活躍
暗黒卿スサノオマスターガンダムが乗る暗黒機兵クーロンと自身の乗る機兵で黄金竜の試練に挑んでいる勇者ガンダムたちを苦しめたが、試練に合格した勇者ガンダムがスペリオルドラゴン00へとなり、更にスペリオルカイザー00によってスローネ三魔卿は肉体を失い、魂は自身の機兵に封印され、暗黒卿マスターガンダムと共に地底深くに封印されるが、長い年月を経てスペリオルドラゴンの死で完全復活した暗黒卿マスターガンダムと共に復活し、スローネ三魔卿の機兵はデスペリオル三魔卿の機兵となり復活したが、デスペリオル三魔卿が破れた。
しかし、暗黒神デビルスペリオルの力によって復活しコアが無くてもスローネ三魔卿の魂が宿る機兵が活動できるようになり、暗黒卿マスターガンダムと合体したが、新生シャッフル騎士団によって暗黒卿マスターガンダムと共に打ち倒された。
ロストヒーローズ
デザート・キューブにて殺しを生業にしている悪党兄妹として登場。無論ヨハンの人格であるアインも最初から敵意むき出しである。
初めはリーオーを差し向けてヒーロー達を襲い、その次にトーラスを呼び出して袋叩きにしようとしたが、ヒーロー達を救いに来たソレスタルビーイング(+ウイングゼロ関連のガンダム)の手により作戦は失敗し一時撤退をした。
その後ライドマシンの主力武器であるガイアキャノンの監視を任され、偵察に来たマグアナックを殲滅させた。その後ヒーロー達と再び出会い、戦いに負け撤退をしようとしたところあるガンダムに仕向けられたアルケーガンダムの手によって原作では一人生き延びたドライも纏めて兄妹揃って始末された(コラそこベース元のツヴァイがいるのにアルケーガンダムが一緒に居るのはおかしいだろとか言わないの)。
関連タグ
ヨハン・トリニティ ミハエル・トリニティ ネーナ・トリニティ アリー・アル・サーシェス
D兵器:こちらも白兵戦用、砲撃戦用、戦闘支援用の3機が存在。ただし1号機と2号機の役割がスローネとは逆。