概要
ソレスタルビーイングのセカンドチームでガンダムスローネのパイロットでもある兄弟。
長男ヨハン・トリニティ、次男ミハエル・トリニティ、末女ネーナ・トリニティで構成されており、プトレマイオスチームが私服に対し、チームトリニティは白い制服を身に纏っている。
ヨハンの話によると血の繋がりはあるらしく、外伝作品『機動戦士ガンダム00I』によると、アレハンドロ・コーナーの依頼を受けた医師クレーエ・リヒカイトの手により、リボンズ・アルマークの遺伝子から作り出された事が判明する。三人のうちネーナはミーナ・カーマインの先祖の遺伝子をベースとしている事から、チーム・トリニティらもイノベイドと同様に、かつてソレスタルビーイングに協力した人間、ないし科学者の塩基配列をベースとしている事が窺える。
また、この出生から末妹のネーナには、リボンズ達イノベイドのように脳量子波でヴェーダにアクセスする力がある(ただしアクセス権自体は、リボンズやティエリアなどの正規のイノベイドより低い)。
当初はヴェーダの管理するデータ上にも存在しないプトレマイオス側から見ても謎の部隊だったのだが、その正体は計画への介入を目論む監視者のアレハンドロ・コーナーからの意向を受けて作られた存在であり、同じく監視者のラグナ・ハーヴェイからの指示で、プトレマイトスのガンダムマイスターとは別に武力介入を行っていた。故に彼等の情報がヴェーダ上にも存在しないのは当然であり、そもそも彼等はソレスタルビーイングの構成員ですらない。
作中での動向
三国同盟の前に窮地に陥ったプトレマイオスチームを救うために参戦。彼らへの挨拶を済ませた後は自軍も本格的に武力介入を行っていく。
だが、その武力介入は徹底的に相手を潰すという非常に過激なもの(プトレマイオスチームやそこに所属するガンダムマイスター達のやり方は、手ぬるいとして露骨に見下している)。更には民間人が働いているアイリス社の兵器工場を襲って働いていた民間人を虐殺したり、挙句の果てにはネーナが気まぐれでルイス・ハレヴィがいるスペインの保養地で開かれていた結婚式を砲撃し、彼女を含む何の罪もない民間人を特に理由もなく虐殺する事にも躊躇しないなど、そのやり方は下手なテロリストよりも質の悪いものだった。
彼らが作られた裏の目的は、世界の敵意をソレスタルビーイングに集めて統一を促すというものであり、その目的こそ果たしたものの、それらの行為によって刹那・F・セイエイからも「紛争幇助の対象」と見なされた結果、ティエリア・アーデやロックオン・ストラトスも加わったプトレマイオス側のガンダムマイスターと交戦になり、完全に決別されてしまう。
そして最終的には、アレハンドロからも用済みとして切り捨てられた事でネーナ1人を残して壊滅させられ、ネーナも後にリボンズに操られたルイスによって殺害されたことでついに全滅する。
能力
ガンダムスローネのパイロットとして作られただけあって、ガンダムマイスターとしての適性自体は高いものの、その戦い方は初期の刹那以上にガンダムの圧倒的な性能に頼りきったものであり、彼等自身の純粋なパイロットとしての実力や練度自体は全体的にあまり高くはない、というかぶっちゃけ低い(小説版ではティエリアなどからもこの点を指摘されている)。
初登場時こそ三国家の合同軍事演習で刹那達を救出し、MSWADの基地を破壊するなどの活躍をしていたのだが、作中で活躍らしい活躍をしたのはそれくらいであり、それ以降は刹那達のガンダムとの戦いや新国連軍がGN-X部隊を投入した事で機体性能というアドバンテージが無くなると、途端に苦戦描写ばかりが目立つようになっていった(MSWAD基地襲撃の時点で、オーバーフラッグス隊の波状攻撃に最初は翻弄されるなど、既にその兆候は見られた)。
また、実戦経験の少なさから旧世代機を駆る相手を見下す傾向も強く、作中ではフラッグカスタムのグラハム・エーカーに不意を突かれて終始圧倒され続け、アインの腕を切り落とされて返り討ちにされている。さらにイナクトカスタムに乗り、救援部隊を装って現れたアリー・アル・サーシェスの早撃ちにミハエルは瞬殺され、ヨハンは対人格闘でも圧倒された上に、スローネツヴァイに初めて搭乗したサーシェスに一方的に倒されるなど、作中でも最強クラスの経験豊富なエースパイロット達には悉く敗北している。
加えて元々捨て駒として作られた為か、3機で行動を共にする前提のスローネの特性に反して、互いの連携の為の訓練も殆どしていなかったらしく、作中では初めて訓練されていた連携攻撃のフォーメーションを行い、さらにそれを次々と繰り出す刹那とティエリアの2人に、3対2という数的には優位な立場にいながら対応しきれず、これまた一方的に翻弄されて圧倒されていた。
このように、サーシェスが搭乗してからのツヴァイの活躍ぶりを見ても分かるが、お世辞にも彼らはスローネの能力を活かせていたとは言い難く、まさに宝の持ち腐れである。
ニンテンドーDS版
ソレスタルビーイングの監視者がプトレマイオスチームへ差し向けた刺客として登場し、ラスボスも務める。
ネーナ→ミハエル→ヨハンの順で戦うことになるがヨハン以外の2人はプトレマイオスにミサイル攻撃を行い、艦が破壊されるとゲームオーバーになるので早めに倒す必要がある。
死に際の台詞に関してはヨハンは潔く、ネーナは称賛の言葉を贈りながら、ミハエルは悔しさを口にしながらも殉職を受け入れている。ちなみになんとこのゲームでは三兄妹は戦死扱いとなる。
使い捨てであることは変わらないが各メディアでもっとも扱いの良いトリニティといえる。
余談
トリニティはキリスト教における三位一体の意味もあり、ヨハンはヨハネ、ミハエルはミカエルと聖書に登場する預言者や天使の名のドイツ語系である。ネーナもまたドイツの名詞であるが彼女は「幼い子」と聖書とは関わりがない命名。