「世界に見せる必要があるのさ。ソレスタルビーイングの本気さをな…」
CV:小西克幸
舞台版キャスト:坂垣怜次
概要
トリニティ兄妹の長男で、ガンダムスローネアインのマイスター。
冷静沈着な性格で言動も常に穏やかであり、刹那・F・セイエイが駆るガンダムエクシアに急襲された際にはまず説得を試みて、GN-X部隊に対して不利を悟った際は迷わず撤退するなど、精神的に幼いミハエル、ネーナを纏めるリーダーとしての能力を見せた。
その反面、自分達やその使命を特別なものであると強く意識しており、使命と関係のない事に対しては冷淡であまり興味を示さない。
ネーナが故意に民間人を攻撃した際にも軽い注意程度に留めており(しかもこの時に注意したポイントは、あくまで任務外で勝手な行動をしたことに対してで虐殺そのものは咎めていない)、プトレマイオスチームの方針に対しても、世論の反応を気にしながら武力介入を行っていると批判しているなど、彼等のことを見下しているのは弟や妹達と何も変わらない。
刹那やティエリア・アーデとの交戦中、ロックオン・ストラトスが参戦してフェアプレイに持ち込まれた際には、『ガンダム同士の戦い』は計画に支障をきたすとして撤退を決めるも、ネーナがすでに入手していたマイスター達の過去を不敵な笑みを悠々と浮かべながら暴露して、彼等のチームワークを乱す事を目論むなど陰湿な面も見られる。
だが、彼のこの行動はその目論みとは裏腹に、お互いを認め合ったマイスター達の結束がより高まる結果に繋がってしまった。
三ヶ国合同軍事演習の初登場時は、AEU軍に鹵獲されかけていたガンダムヴァーチェの窮地を救った他、兄妹でユニオンのMSWAD本部の襲撃も行い、その際はレイフ・エイフマン教授を殺害している。
しかし弟や妹達と同様にまともな活躍をしたのはそれくらいで、アイリス社の軍事工場を襲った時は、そこで働く民間人達を大量虐殺するが、出撃してきたグラハム・エーカーが駆るフラッグカスタムの猛攻で、乗機の片腕とビームサーベルを失うという苦渋を味わった上で撤退を余儀なくされた。
その後も戦争根絶のためと信じて疑わず、与えられた任務を忠実に実行しようとしたが、役目を終えたことでアレハンドロ・コーナーから切り捨てられ、国連軍のGN-X部隊によって追い詰められ続ける。
そして、彼からの抹殺指令を受けて接触してきたアリー・アル・サーシェスにミハエルが射殺され、自身も銃で撃たれて負傷した身でスローネアインに搭乗し、ミハエルの仇討ちを試みるものの、スローネツヴァイを強奪したサーシェスに力及ばず撃墜されて死亡した。
涙ながらに吐いた最期の台詞は、信念を打ち砕かれた失意を訴えるものであった。
「私たちは、マイスターとして生み出され、その為に、生きて…」
ファンの間での評価は、チームトリニティの中ではまだ戦争根絶への信念がある事などから、3人の中ではまだマシな方と評されるが、一方で前述通り弟妹の虐殺行為も計画に支障が無ければ見逃がし、見咎めたとしても軽い注意程度で済ませていることや、逆に任務であれば民間人の虐殺も全く厭わないことから、所詮は同類と見なす意見も多い。
実際に小説版では、グラハムからもヨハンを含めたトリニティ3人からは、プトレマイオスチームのような確かな信念や気品は全く感じられないと酷評されている。
一方で、同小説版では軍需工場攻撃時の独白で弟妹達の様な残虐思考は無いことや、攻撃こそ容赦ないが従業員については逃げれるなら逃げればいいと考えていることも分かる。要するに任務には忠実で作戦による民間人の被害は全く気にしていないが、別に無意味な殺戮を望んでいる訳ではないという彼の立ち位置が改めて窺える。
また、登場時のキャラクターの印象に反して、作中での立ち回りはほぼ徹頭徹尾ただの噛ませであり(作中設定的にもそういう存在として作られたので仕方ないが)、これといった見せ場も無ければ濃いキャラクター性も無く、加えてアレルヤ・ハプティズムとキャラデザが微妙に被っていることもあって、乗機のスローネアイン共々イマイチ印象に残っていないというファンも少なくない。
SDガンダムシリーズでは
『SDガンダムザ・ラストワールド』にて敵として登場。
何と、
という『機動戦士ガンダムSEEDDESTINY』以降のライバルや悪役達を纏めるリーダーとして手腕を振るっている(ライバルがマスクしかいないのは置いておいて)。
更にはリボンズ・アルマークの直接的な配下となっており、本編の不遇な扱いから一転して大役を与えられた。最終的に倒されてしまう悪役ではあるが、ファンは必見と言える(ファンがどの程度いるのかは分からないが)。