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ウズミ・ナラ・アスハ

うずみならあすは

ウズミ・ナラ・アスハとは『機動戦士ガンダムSEED』の登場人物(メイン画像の壮年の男性が該当)。
目次 [非表示]

CV:大川透


プロフィール編集

性別男性
年齢51歳(逆算するとC.E.20年生まれ)
人種ナチュラル
家族

人物編集

オーブ連合首長国前代表首長(後述の経緯によりC.E.71年3月頃に辞任)であり、五大氏族・アスハ家の当主。カガリ・ユラ・アスハを引き取った彼女の養父。

代表だった頃は「オーブの獅子」と呼ばれており、代表の座を退いた後も内外においてその影響力は強く残っていた。

キラとカガリの実父であるユーレン・ヒビキとは学生時代の友人だったものの、ウズミ自身は「命は自然に生まれ落ちるもの」「人が操作していいものではない」とするヒビキ博士の妻であるヴィア・ヒビキと同じ考え方を持っており、そのためヴィアと同様にかつての友人とは最終的には対立していたと思われる。そしてそのヴィアとも生前交流をしていた経緯から、カガリを引き取るのはその縁もあった。尚、ヴィアが妹夫妻(ハルマ・ヤマトカリダ・ヤマト)に託した双子の内、キラの引き取りに関しては「この子は普通の子として育てたい」とするヤマト夫妻の意思を汲み取った為である。


カガリが砂漠で世話に成ったゲリラ〈明けの砂漠〉のリーダーであるザイーブ・アシュマンは大学でのウズミの恩師でもあり、カガリへの勉強の目的でレドニル・キサカを護衛に付けつつ彼らへ預けていた。


パナマ攻略戦後、再び首長の座に立ち平和維持を宣伝する。しかし、パナマ攻略戦によりパナマ基地のマスドライバーを失った地球連合首脳会議にて、ブルーコスモスの盟主であり国防産業理事でもあるムルタ・アズラエルがオーブのマスドライバー施設モルゲンレーテ本社の工廠を手に入れる為の侵攻を示唆し、ユーラシア連邦東アジア共和国は反対したものの大西洋連邦は賛同した為、オーブ侵攻は時間の問題と成っていた。


それから2週間後に大西洋連邦が『オーブ解放作戦』を実行、新型のGAT-Xシリ-ズに搭乗するブーステッドマン連合初の量産型MSによる、圧倒的軍事力を用いた物量作戦によってオーブは追い込まれていき、オーブ解放作戦開始2日目の昼、カガリに2人の赤子(=キラとカガリ)と2人を抱いている母親らしき女性が写った写真を見せ、「きょうだいがいること」と「カガリの父で有ったことは幸せだった」と告げ、後をキサカに任せてクサナギに乗せる。


その後、カガリの乗るクサナギが無事出発したのを知った直後、ウズミはマスドライバー施設モルゲンレーテ社工場を連合に利用させない為に爆破し、それらの責任の所在を有耶無耶とするため自身も側近と共に炎に包まれて死亡した。


※キラとカガリは二卵性双生児であり同日に生まれた為、どちらが)であるかは不明である。尚、カガリは「自身が姉」だと主張しているが、写真裏の名前はキラが先に記されていた為、キラの方が兄である可能性が高い。キラは特に気にしておらずカガリの主張を認めているが、カガリへの態度は兄のそれである(作中描写的にはどちらかが気落ちしていると、もう一方が兄/姉らしくなる)。


来歴編集

オーブ諸国の氏族における土着宗教の有力家系であるアスハ家に在籍する。

とは言え、オーブ氏族の掟で五大氏族に繰り上がった家は実子を次期当主に出来ない為、ウズミ本人が先代と血の繋がりが有ったかは不明瞭である(少なくともウズミ本人はカガリを養子縁組している)。

彼の所属するアスハ家は、オーブにおける日本人移民流入の際には文化的な折衝を果たし、その後は宇宙港の誘致など経済分野で活躍したとされる。

ウズミ本人もヘリオポリス等のコロニー事業、アメノミハシラ等の軌道エレベーター事業は精力的に行っており、それ故に発展を遂げたオーブではカリスマ的な人気を誇る指導者で有った。


また技術立国としてのオーブの生き残りを強く志した人物で有った為、ブルーコスモスや連合国による迫害から逃れたコーディネイター移民を積極的に受け入れた。

そうした中にはザフトから離脱した技師もいた為、コーディネイター故にプラントと繋がりを持つ国民の為に、水面下での外交ラインを構築したりもしている。

シーゲル・クラインの故郷であるスカンジナビア王国の王室とは個人的に親しく、連合国がプラントからのニュートロンジャマーによる経済制裁によって窮乏した際は、コーディネイター技術者が開発した工業製品を輸出する等、オーブが中立国としての地位を保つ為に尽力し、またそれらによって経済制裁の犠牲者を可能な限り減少させる助力にも貢献している。


一方で、存命時には下級氏族だった頃のセイラン家との子息の婚姻を了承する等、国内での政治的な根回しも怠らなかった。

サハク家のGAT-X/ASTRAY独断開発の折も、将来オーブも軍事的侵攻を受ける可能性を視野に入れた結果、国際問題化した際に彼らを処分する駆け引きを捨て、国防用MSの開発を黙認する。その引責辞任を自身が負い、同時に首長の座はホムラに譲りつつ、実際の指揮は自身が行う黒幕的な立場を演じた。


だが、パナマ基地のマスドライバー破壊により宇宙へ物資を送れなく成った連合と、その劣勢な戦局の反動によりブルーコスモスの影響が強く成り、中立国への軍事侵攻も厭わなく成った大西洋連邦による『オーブ解放作戦』の発令によって、主権放棄と徹底抗戦の二択を迫られた結果、抗戦の構えを選び国家は戦火に呑まれてしまう。ただし、オノゴロ島を第一防衛ラインとして設定して戦力を固め、本土やその他の島への戦火の拡大は防ぐ様に立ち回った。

この際、オーブ占領による宇宙港入手を危ぶんだザフトからの援軍も打診されたが、大西洋連邦の所在地であるアメリカ大陸とザフト駐屯基地の所在地であるオーストラリアに挟まれた立地であるオーブが、連合とザフトの激戦の中心地になる事態を恐れからこれも断り、連合からの脱走艦でありオーブで保護していたアークエンジェルや私情で加勢したバスタージャスティスが義勇軍と成る形で連合と応戦するも、たった1日でオノゴロ島は壊滅状態に追い込まれる。

最終的には政権をホムラに任せ、残された軍備を宇宙へ逃がしつつ、自身はマスドライバー施設とモルゲンレーテの工場を爆破しつつ、五大氏族の族長らと共に自爆した。

オーブ解放作戦2日目の極めて早いタイミングでの自爆(=降伏)であったが、これにより大西洋連邦側の侵攻理由を失わせ、被害をオノゴロ島(モルゲンレーテ本社の工廠を含む)とカグヤ島のマスドライバー施設のみに抑えた。(アカツキガンダム等の開発途中の機体、重要データー等は各地の秘密工場などに退避させて)

地球連合としては兎にも角にも最優先で入手したかったマスドライバーが破壊された為、月面基地が干上がるまで一刻の猶予もなく真面に占領政策を実施する余裕もなくカーペンタリアへのマスドライバー奪還に動かなくてはならず、大西洋連邦に占領されたとしても今後の戦場になる事態を防いでいる。


なお、オーブが攻められたのはサハク姉弟が連合のMS開発に協力し、オーブの技術力の高さに目を付けられたためでもある。オーブを守りきれ無かった責任こそウズミにあるが、オーブが攻められた原因ではない。


オーブ出身のシン・アスカは解放作戦の折に、自身の家族が落命した過去から「ウズミは政治的理念を優先したから多くの国民を犠牲にした、戦争を続ける為に降伏をしなかった」と断じて批判している。尤も大西洋連邦は48時間の攻撃猶予を与えており、その間オーブは民間人の避難誘導を行っていた。

が、一般的にはこれは降伏勧告であり「民間人という人質」の避難はそもそも思慮に入ってすらいない。(連合側からすれば交渉材料の一つであり、避難されたら困る)


解放作戦の当時、世界情勢はまさに「最悪」そのものの状況下に有った。

オーブ解放作戦の起こった前のパナマ攻防戦では、アラスカ攻略作戦である『オペレーション・スピットブレイク』に実質敗戦した報復から、ザフト兵達が国際条約を無視して投降した連合兵を虐殺する事態が巻き起こり、当然これによって連合側のコーディネイターへの憎悪もかつて無いまでに高まっていた為、連合とプラント双方の指導者に至っては、相手の「殲滅」以外を考えない極端なまでに先鋭化された過激思想の持ち主であった始末で有った。

そんな状況下でオーブが連合側に降伏すれば、オーブ在住のコーディネイター達の命がかえって危険に晒される可能性は有るが戦力が温存されたままなので『国民に手を出せばザフト側に寝返るぞ』などの交渉カードは残り、そこは立ち回り次第と言える。


むしろこの際に最も危惧されるのは敵を地球に閉じ込め制宙権を維持し敵を干上がらせたいプラント側から何が何でもオーブのマスドライバーは破壊するか、勢力下に置いておきたいので総攻撃を早急に仕掛けるのは想像に容易い。

また、戦闘が長引いた場合にもオーブの意思等お構いなしに武力介入に踏み入る可能性が高い。

その際に最悪、NJキャンセラーを実用化させているザフトからの核攻撃すら可能性として挙がる。


尤も、ザフト側に付いた場合で言えば降伏したときと敵味方が入れ替わるだけで「オーブが最低月面基地が干上がるまでの一月もの間最前線であり続ける」リスクが高く。そうなれば島国であるオーブの各地でゲリラ戦が展開され「沖縄」のような大量の犠牲者が出て、破壊されたインフラと喪失した人材による国力の低下は著しく一等国に返り咲くことすら不可能となった可能性も高い。



これらからも、当時のオーブの指導者であるウズミが降伏をせず連合と戦う道を選んだのは「世界がナチュラルとコーディネイターに二分され憎しみ合って争い続けるのを防ぐ」政治的理念も確かに有ったが、オーブが最前線となり多くの国民が戦火に巻き込まれ技術立国を支える最大の資源「人材」を可能な限り失わずかつ、ある程度の軍事力を突きつけ、更に後に占領後のオーブを開放しうる指導者を国外に逃がしたのは「第二次世界大戦のフランス」と同じ選択と言える。


客観的にはシンの主張も理解出来るが、1人の民間人(被害者)の立場でしか物事を見ようとしない彼の八つ当たりな主張とも評せる。シンにしてもオーブの理念自体には共感しており、批判したのはあくまで自分の家族を守れ無かった非力なオーブであり、本心からオーブを嫌いに成れなかった。


その後編集

『オーブ解放作戦』の処理に際しては、弟であるホムラが連合の占領下で尽力を尽くした。

連合軍の拡大からオーブに近いザフト・カーペンタリア(オーストラリア大陸)が激戦区に成ったにもかかわらず、停戦までオーブが再度戦火に呑まれはしなかった。

また、ウズミが生前懇意にしていたスカンジナビア王国はウズミと交わした事前の取り決めもあり、オーブへ迅速な支援を行った他、外交官リンデマンの手で戦後条約の締結に尽力し連合・プラント双方の折衝を務めも有り、オーブの主権回復に成功させている。

その一方、ホムラを含めた占領下の政治家は引責辞任し、戦後のオーブ首脳陣は占領下の流れからセイランやキオウ、マシマなどの連合やロゴスと繋がりの強い人間が新たな氏族として国家運営に携わった。

そうした中、娘であるカガリはアスハ家が国民に支持されていた時代の英雄性のみを利用した傀儡政治に利用され、実権はほぼ無きに等しかった。そうした状況にある彼女ではセイランの掲げる国際安全保障の加盟も押し留めるのは敵わず、「中立国」たるオーブの理念はC.E.73年の地球連合加盟により崩れ去った。


関連タグ編集

機動戦士ガンダムSEED オーブ連合首長国 M1アストレイ

関連キャラクター編集

カガリ・ユラ・アスハ キラ・ヤマト マリュー・ラミアス


シン・アスカ ムルタ・アズラエル


ロンド・ミナ・サハク ロンド・ギナ・サハク:オーブ五大氏族サハク家当主。ウズミの理念とは対立していた。ウズミ死亡後はカガリの暗殺を図った。


モーガン・シュバリエ ラスタル・エリオン:中の人繋がりのガンダムキャラ。前者は同一世界の外伝キャラでもある。

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