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CV:井上喜久子

概要編集

ガンダムSEEDシリーズの主人公、キラ・ヤマト育ての母。キラからは「母さん」と呼ばれている。

キラの実母であるヴィア・ヒビキの妹であり、キラとカガリ・ユラ・アスハの叔母にあたる。


スペースコロニー「メンデル」がブルーコスモスに襲撃される直前、姉のヴィアから(偶然にも生まれて間もなかった)キラとカガリを預けられており、彼らを守るために夫のハルマ・ヤマトと共にメンデルを脱出した。その後、カガリは(生前のヴィアとは交流のあった)ウズミ・ナラ・アスハに託され、キラに関しては自分たち夫妻で引き取った。当然、キラの出生の事は知っていたものの、あくまでも普通の子供として、そして自分たちの息子として、ハルマと共に大切に育てあげた。

その徹底っぷりは、些細な言動から相手の本心を察することのできるキラが(一切の疑問もなく)実の両親と思っていたことに加え、彼の身辺調査を行っていたラウ・ル・クルーゼ「知っていればそんな風に育つはずもない。何の影も持たぬ、そんな普通の子供に」「御両親」と(皮肉交じりながら)敬意を抱かせるほどだった。


アスラン・ザラの母親であるレノア・ザラとは親友であり、コペルニクス在住時にはプラントでの仕事で忙しい彼女に代わって、コペルニクスの幼年学校へ留学していたアスランの面倒を約7年ほど見ていた。そのため、アスランにとっては第二の母親的存在であり、彼の自室にあるコルクボードには友人たちとの写真に混ざる形でカリダの写真も飾ってあり、彼女の作るロールキャベツが好物となっていた(ちなみにこのキャベツは、有名な農学博士でもあるレノアがプラントにて研究栽培したものであった)。

また、アスランが生真面目かつ礼儀正しい優等生だったためにカリダからの好感度は高く、彼の好みに合わせた夕食を作ったり、彼を引き合いに出してキラを窘めたりすることも多かった。当時のキラは、普通の子供としてのびのびと育てられたが故か、生意気な面倒くさがり屋な性格をしており、宿題をすっぽかした挙句にアスランに泣きついて手伝ってもらっている最中にゲームを始めて叱られるなど、割と年齢相応のクソガキだった。

ちなみに、当時のアスランはプラントで頻発していたテロから遠ざけようとした父・パトリック・ザラによって身分(コーディネイターであることも含めて)を隠してコペルニクスへ留学させられていた身であり、そんな境遇に置かれたアスランの面倒を長年に渡って任されていた事を考えれば、ザラ夫妻からいかに信用されていたことがうかがえる。なお、パトリックとしては(ナチュラルである)カリダがアスランの面倒を見るのには心情的に反対していたものの、妻の意向に逆らえなかった為に渋々承諾していた形となる。


C.E.68年に情勢悪化を鑑みてコペルニクスからの移住を決意し、レノアからはプラントへの移住を薦められていたが、夫が(ナチュラルとコーディネイターが共存している)オーブ連合首長国への移住を選んだため、(レノアの誘いを断って)オーブの資源衛星「ヘリオポリス」へと移住した。

なお、ヤマト家がヘリオポリスへ移住した2年後にコペルニクスで爆弾テロが起こり、月面会議に集まっていたプラント理事国の代表者、国連事務総長、国連首脳陣が揃って死亡するという最悪の事態(いわゆるコペルニクスの悲劇)が起こった。また、(ヘリオポリスへの移住に伴う形で)ザラ家とは音信不通の状態となっており、血のバレンタインにてレノアが死亡したこと、アスランがザフトに入隊したことを後にキラから聞かされるまでは知らなかった。


SEED編集

「どんな事態になろうと、絶対に私達があの子真実を話すことはありません。」

「全ては最初のお約束通りに…ウズミ様にこうしてお目に掛かるのも、これが本当に最後でしょう。」


しかし、C.E.71年1月25日にヘリオポリスでザフトによる初期GAT-Xシリーズ機体の奪取が敢行され、その際に起きた連合とザフトの戦闘によってヘリオポリスが破壊されてしまい、夫と共に救命艇で脱出する。その後はオーブ本土へ移住する事となる。


同年の3月23日に(偶々とはいえ)キラを乗せたアークエンジェルがオーブに寄港した際、キラとの面会を申し出るもキラ本人が面会を拒否したため、その代わりとして、(今後のことを相談するために)夫と共にウズミと面会する。


4月15日にアークエンジェルが出港する際、ウズミとカガリの計らいによってドックの監視ブースからアークエンジェルの上部デッキに呼び出されたキラの姿を見ることができた。その際、ブースのガラスに取り縋るように身を寄せ、キラの名前を叫び、キラを心配させまいと笑みを浮かべてはいたものの、頬には涙を光らせていた。

その直後、キラとカガリが抱き合う姿を目の当たりにして驚き、夫やウズミと顔を見合わせていた。


それから丁度2ヶ月後となる5月15日に亡命目的のアークエンジェルと共にオーブを訪れるが、キラ側の立場立場だったことに加え、その1か月後の6月15日に大西洋連邦によるオーブ解放作戦が展開されたため、キラに会うことは出来なかった。


SEED DESTINY編集

「貴方の家は此処よ。私はいつでも此処にいて、そして貴方を愛してるわ」

「だから、必ず帰ってきて」


停戦後は、オーブ近海の無人島にあるマルキオ導師の伝道所で孤児の面倒を見るなどの手伝いなどをしながら(半ば廃人同然だった)キラの面倒も見ていた。さらに、(息子の恋人である)ラクスと共に台所に立ち、色々な料理を教えていた。その中には、ロールキャベツやヤマト家直伝だし巻き卵も含まれていた。


しかし、C.E.73年10月3日に起こったブレイク・ザ・ワールドによって無人島が流されてしまったため、キラたちと共にオーブ本土へ移住し、カガリの計らいもあってアスハ家別邸で生活を始める。

それから2ヶ月が経ち、地球連合と同盟を結ぼうとするオーブの情勢を鑑みて、キラコーディネイター組を中心にプラントへの移住も検討されていた。しかし、ラクスの暗殺未遂カガリの政略結婚という、キラ達にとっては面倒な事態が立て続けに起きてオーブからの脱出を決めたため、「ごめんね、母さん。また…」と謝るキラを(上記の言葉を伝えて)見送った。


SEED FREEDOM編集

引き続きオーブにて生活しているようであり、ファウンデーション王国デスティニープラン宣言による混乱の最中、夫と共にオノゴロ島の戦没者慰霊公園を訪れている。

また、キラのデスク脇のボードに、キラ、ラクス、カリダ、ハルマのフォーショット写真が貼られていた。


騒動が終わった後は、再び世間から離れることとなったキラ・ラクスを受け入れた模様。


余談編集

(自身の出生に縛られないという点で)現在のキラを形作ったという意味では、(ハルマ共々出番は少ないものの)作品としてはかなり重要なキャラクターだと言える。また、キラの親友であるアスランからも強く慕われているのだが、『SEED』シリーズ本編で再会することはなかった(描写されていないところで会っているとは思われるが)。


子供達が現代相当の文明レベルと倫理観を持つ舞台に戦う系統の作品において、親は保護者として子供のストッパーとなってしまうことから子供の置かれている状況などを知らないというのが一般的である。しかし、彼女の場合は、キラの出生や彼が軍属として戦っていること、更にはアスハ家別邸の地下にフリーダムが安置されていることまでも知っており、その上で再び戦場へ赴く息子を(その自主性を尊重して)見送るという、独特な母親キャラをしている。

また、ガンダムシリーズにおいて(主人公となる)未成年の子供を顧みない、或いは死亡してしまっている親が多いが、(養母とはいえ)非常に真っ当、かつ愛情を持った良き親として夫ともに存命しているという数少ないキャラとなっている。


一方、キラとカガリの実親で姉夫婦のユーレン及びヴィアとはどういう関係で、彼らの勤務先研究をどう思っていたのか、オーブの首長であるウズミやプラントの権力者の妻であるレノアとどういった経緯で繋がりを持つようになったのか等、彼女ら夫婦にも相応に謎が多い。


関連イラスト編集

既刊:ガンダムSEED「ヤマト家の日常」


関連タグ編集

機動戦士ガンダムSEED 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY 機動戦士ガンダムSEEDFREEDOM

人妻 母親 善人 聖人


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