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ウスバカゲロウ

うすばかげろう

ウスバカゲロウ科に分類される昆虫の総称、またはその中の1種の名前。アリジゴクの成虫で、名前に反してカゲロウではない。
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概要編集

 ウスバカゲロウ(薄翅蜉蝣、薄羽蜉蝣)とは、ウスバカゲロウ科に分類される昆虫の総称。同時にその中の1種 Baliga micans の標準和名でもある。


 アリジゴク成虫として有名な昆虫。というか、幼虫であるアリジゴクがあまりにも有名過ぎて、一時期まで逆に知名度が低かった(アリジゴクに成虫が存在するというだけで驚く人もいた)ほどである。

 そのせいか様々なメディアで紹介され続け、今では脈翅目(アミメカゲロウ目)に所属する昆虫の中でおそらくもっとも有名な種類と言えるほどになった。


 名前に反してカゲロウではない。網目状のが4枚全て大きく、棒状の腹部に長い髭のようなを持たないなど、姿もよく見るとカゲロウといよりトンボ(特にイトトンボ)に似ている。そのため地方によっては「極楽トンボ」・「神様トンボ」などと呼ばれることもある。ただしウスバカゲロウの棍棒状の触角は、カゲロウやトンボの目立たない糸状のものとは程遠い。


 いずれにせよ、カゲロウやトンボとはただの他人の空似であり、ウスバカゲロウが所属する脈翅類は前述した不完全変態昆虫ではなく、むしろ甲虫ネジレバネに近い完全変態昆虫である。


 同じ脈翅類の中では、ツノトンボが最もウスバカゲロウに近縁。当然ながらこれも名前に反してトンボではない。ツノトンボと比べて、ウスバカゲロウの方は毛と触角がより短く、腹部がより細長い。


 英語名「antlion」(アントライオン、直訳:アリ獅子、意訳:アリの殺し屋)はアリを主食とする幼虫由来で、狭義ではその幼虫を指している。


生活環編集

 幼虫は言わずと知れた、乾燥した地面で穴を作るタイプのアリジゴクである。砂地に漏斗状のを掘って奥に潜み、アリなど通りすがりの小さなが落ちてくると細長いで体液を啜って捕食する。

 詳細は「蟻地獄」を参照のこと。


 数年程にも及ぶ長い幼虫期を経ると、周りのなどで丸いを作り中で化する。一ヶ月後に羽化して成虫となり、繭から這い出してを広げる。翅はトンボと似ているが、飛行はトンボとは比較にならないほど遅く不器用である。


 成虫期は一ヶ月ほどと短く、名前と相まってカゲロウの(何も食べれず数日ほどしか生きれない)儚い成虫を彷彿とさせるが、カゲロウとは異なり、原則として幼虫と同様肉食である(一部は花粉を好む)。ただし吸汁だけのアリジゴクとは異なり、成虫は短いながら丈夫な顎で餌を噛み砕ける。交尾を済んだメスは、長い腹部を地面に刺してを産み付ける。


フィクション・創作関連編集

モチーフとして採用されることは幼虫のアリジゴクが多い一方、成虫は圧倒的に少ない。


関連タグ編集

昆虫 完全変態 脈翅目 蟻地獄/アリジゴク

ツノトンボ:近縁。

カゲロウトンボ:他人の空似。


桂歌丸林家木久扇笑点において他の噺家(特に互いに)からこう(木久扇の場合は、それを捩ってウスバカカゲロウとも)呼ばれていた。

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