概要
カマキリモドキ(蟷螂擬、学名:Mantispidae)とは、カマキリモドキ科に分類される昆虫のこと。
名前の通りカマキリ(mantis)に似た姿をしているが、カマキリに類縁でなく、ウスバカゲロウ(アリジゴク)などと同じ脈翅目(アミメカゲロウ目)の完全変態昆虫である(さらに紛らわしいことに、この類は名前に反してカゲロウの近縁ではない)。
複眼が大きく倒三角形の頭部・長い前胸・鎌状の前脚・長い中脚と後脚で立つなど、所々カマキリとよく似ている。餌となる虫を捕食する方法もカマキリそっくりで、これは収斂進化によるものであると考えられている。
カマキリとの違いとして棍棒状の触角・屋根状に畳む網目状の翅・盛り上がる腹部が挙げられる。前脚もよく見ると収納姿勢が異なり、前脚の上腕部が胸部に密着せず(肘が前腹面に突き出す)、鎌を上腕部の横にずらしてより奥まで折り畳め、鎌が胸の横に構えるように見立てる。
姿こそカマキリに寄るが、スズメバチなど凶暴な狩り蜂に擬態して黄褐色となり、前に構えた鎌を蜂の大きな頭と見立てるものもいる。
幼虫は葉の裏に産んだ卵から孵化した後にクモに寄生し、クモの卵を餌にして成長することが知られている。
同じ脈翅類で近縁のグループとして、化石種が多いトガマムシとケカゲロウが挙げられる。トガマムシの場合はカマキリモドキと同じカマキリと似ているが、カマキリモドキと比べ触角が細長く、鎌はより華奢である。これにより、両者のカマキリとの収斂進化はその共通先祖に起源すると考えられる。
主な種類
フィクション・創作関連
カマキリモドキと直結するわけではないが、2019年に特撮番組『仮面ライダーゼロワン』第1話の怪人(ベローサマギア)のモチーフがカマキリモドキの近縁トガマムシの化石種(クジコハクトガマムシ Kujiberotha teruyukii)であり、話題となった。