概要
蜂(=蟻以外の膜翅類)のうち、他の虫を捕らえて食べたり幼虫の餌にしたりする種類のこと。スズメバチやアシナガバチ、ドロバチなどが含まれる。
ジガバチやベッコウバチのように、幼虫が寄生蜂と似た生態(後述)を持つ種類もいるが、他の狩り蜂と同様「獲物を巣に運ぶ」「宿主は動物(虫)である」点で寄生蜂(宿主を運ばない・宿主が植物の場合がある)から区別される。
系統的には寄生蜂の間から進化し、ハナバチや蟻の祖先が起源する雑多なグループである。
ざっくり分けて以下二つのハンティングスタイルがある。
その場で獲物を仕留める
捕らえた獲物を即座に咬み付きや毒針で殺し、噛み砕いて肉団子状にしてから巣に持ち帰り幼虫に与える。獲物の種類は特に問わないことが多い。
これには主に社会性の種類が属し、獲物を食いちぎるための顎が発達している。
獲物に麻酔をかける
「狩人蜂」(かりうどばち)と呼ばれるタイプ。
捕らえた獲物に毒針を刺すことで生きたまま動きを封じ、巣に運び込むなどしてから卵を産み付ける。孵化した幼虫は寄生虫のように生きたままの獲物を食べて育つ。
一匹狼な生活をし、種類毎に獲物が概ね決まるものが多い。
- ジガバチ:蝶や蛾の幼虫(芋虫)を狙う。
- ベッコウバチ:クモを狙う。
- ハナダカバチ:ハエやアブの成虫を狙う。
- ツチバチ:コガネムシの幼虫(地虫)を狙う。
- セナガアナバチ:ゴキブリを狙う。
- ドロバチ:芋虫やハムシの幼虫、クモ等を狙う。
- アナバチ:様々な昆虫やクモを狙う。
- アリバチ:様々な昆虫を狙う。