概要
脈翅目(学名:Neuroptera)とは昆虫のグループの一つ。別名「アミメカゲロウ目」。脈翅類と総称され、ウスバカゲロウやクサカゲロウ、ヘビトンボ、カマキリモドキなどが属する。広義では脈翅上目(Neuropterida)を指して、ヘビトンボやゼンブリ、ラクダムシまで含まれる。
名前に反してカゲロウでもトンボでもカマキリでもなく(全て不完全変態)、むしろ甲虫やネジレバネに近い完全変態昆虫である。
名前(neuron 脈 + pteron 翅/翼)の通り、本群の最大特徴は、網目状の脈によって構成された4枚の大きな翅。英語の総称「net-winged insect」("網状の翅の昆虫")やクサカゲロウの英語名「lacewing」(レースウィング)がこれに由来する。
しかし翅が派手であるものの、飛行能力は上手とはいえないものが多い。
成虫・幼虫とも主に捕食性。成虫は一見して華奢なものが多いが、多くが幼虫と同じ肉食である。カマキリモドキとトガマムシはカマキリそっくりな捕食スタイルを収斂進化し、見た目で捕食性が分かりやすい。なお、ヘビトンボの成虫は草食で、ゼンブリの成虫は摂食する様子が確認されていない。
幼虫は独特な生態を持つものが多く、例えばウスバカゲロウとツノトンボの幼虫は待ち伏せ捕食者のアリジゴク、カマキリモドキの幼虫はクモの卵の寄生虫、ヘビトンボの幼虫は「川ムカデ」と呼ばれる水生昆虫である。
他の多くの完全変態昆虫と同様繭で蛹を覆うが、羽化直前の蛹は大顎で繭を破り、蛹の皮を覆うまま外へ歩き出すことが多いのが特徴的。
種類
別系統であるものの、大まかな姿が似ているため「カゲロウ」や「トンボ」、更に「カマキリ」まで名付けられていて、名前の紛らわしい連中だらけである。