・・・というのは冗談で、コノハムシとは、読んで字のごとく「木の葉」に似た見た目をしている昆虫である。
概要
該当する近縁種を想像しにくい見た目だが、植物に擬態することで有名なナナフシのグループの一つである。コノハムシ(木葉虫)とは、ナナフシ目のうちコノハムシ科に分類される46種ほどの昆虫の総称で、その中の一種「Phyllium pulchrifolium」の名前でもある。
頭部と前胸はよく見ると普通のナナフシの形をしているが、脚と残りの胴体は葉っぱのように平たく幅広い。種類によってはただの葉に似せるだけでなく、枯れた部分や虫食いのようなディテールも再現される。一部は同種でもバリエーションがあり、個体によっては新鮮な葉・枯れ始めた葉・黄色く枯れた葉・褐色の枯れ葉と似たものまで存在する。
雌雄で姿が異なるが、本記事の画像を含めて、紹介されるのは殆どが雌である。
雌は体が大きく、脈まで葉にそっくりな前翅を持つが、その下に後翅はない。
一方、雄は前翅が短く、後翅が透明の扇子状に発達し、触角も雌より長い。しかし、体が小さく見栄えしない為か、紹介される事は少なめ。
冒頭で「動物と植物の中間的存在」と記したが、あくまで見た目の印象だけの話であり、体質的にはれっきとした動物である。
生態
東南アジアに生息し、現地に生息する植物の葉に擬態する。他のナナフシと同様草食で、姿を食草に紛れ込み鳥などの天敵に気づかれないように生活する。種類によっては風が吹いたときに実際の葉よろしく揺れるものまでいるという。もっとも、単に普通の葉と同じように風に揺られているだけの可能性が高いという指摘もある。
雌は前翅で飛ぶことはできず、代わりに雄が後翅を羽ばたいて雌を探す。
なお、多くのナナフシと同様単為生殖を行うので、雄が居なくてもクローンを量産できる。その為か、野生で雄のコノハムシを見つけるのは至難の業である。
人間との関わり
色といい質感といい完璧に葉を模倣しており、その再現度の高さゆえに擬態生物の例として引っ張りだこ。
実物を目にすることは難しいとしても、テレビや書籍などで写真を見たことがある人は多いだろう。
ちなみに、一度定着すると駆除のし難さ、殆どが雌である事による繁殖力の高さで自然を壊滅させる恐れがある為、原産地を除いて生体の輸入・販売は厳しく制限されている。
余談
漢字でそのまま書くと「木葉虫」となるが、どことなく三葉虫と似ている気がするのは偶然だろうか。
各言語での呼び名
言語 | カナ表記 | 綴り |
---|---|---|
英語 | リーフインセクト / ウォーキンリーフ | Leaf insect, Walking leaf |
ドイツ語 | ヴァンデルンデ・ブレッター | Wandelnde Blätter |
スペイン語 | インセクト・オッハ | Insecto Hoja |
イタリア語 | インセット・フォッリャ | Insetto Foglia |
ハンガリー語 | ヴァーンドルロー・レヴェール | Vándorló Levél |
タイ語 | タッガテーンバイマーイ | Takkataen Baimai |
マレー語&インドネシア語 | スランガ・ダウン | Serangga Daun |
スワヒリ語 | ムドゥドゥ・ジャニ | Mdudu-Jani |
韓国語 | イプサグィボルレ | Ipsagwibeolle |
中国語 | 葉䗛(イェシュ)/ 葉蟲(イェチョン) | Yè xiū/Yè chóng |
フィクション・創作関連
モチーフとしたキャラクター
新甲虫王者ムシキング
2016セカンドにおいて、最高レアリティのSSRのお助け昆虫として参戦。
肩書きは「アンノウン・リーフ」。おたすけわざは「パーフェクトミミック」。
他のSSR昆虫と比較するとやや頼りない外見ではあるが、メイン甲虫の体力を大幅に伸ばすことが可能であり、追撃時の攻撃力が高い上にレアリティR以下のカブトムシで発動した場合には1ターンだけ相手の必殺わざを封じることが可能と、SSR相応の実力を持つ。
なお激闘編では収録されず、超神化1弾で再録された際も能力が変更されなかったのもあり2016サードまでのSSRお助け昆虫の中では唯一能力違いでの収録がされなかった。
どうぶつの森
『街へいこうよ』から登場。
本シリーズでは、家具を野外の地面に置くと木の葉になる。コノハムシは、その木の葉に擬態している。踏むと正体を現して逃げ出すので、早めに捕まえてしまおう。
『あつまれ』では家具がそのまま置ける仕様に変更になったが従来のように木の葉状態で置く事も出来る。また、少し近くを通りかかるとモコモコ動く為、より分かりやすくなった。
関連タグ
ハナカマキリ、カレハカマキリ、コノハチョウ、カレハガ:似たような擬態を行う昆虫。
ハンボ、カレハンボ:『ピクミンシリーズ』に登場する原生生物の一派で、落ち葉に擬態しており、「コノハムシ科」に属する。しかし設定ではアメンボの進化形とのことで、実際のコノハムシとは関係ない。