カール(スナック菓子)
かーる
(株)明治が製造・販売しているスナック菓子。ポップコーンに着想を得て1968年に当時の明治製菓から発売された。
トウモロコシを原料とした親指大のノンフライスナック菓子で、サクサクとした軽い食感が特徴である。
カブトムシの幼虫のような独特な形は、開発時に偶然ノズルから出た生地が丸まって下に落ちた形がユニークだったことがきっかけとなって決められた。「カール」という商品名も"curl(巻く)"に由来するが、商標登録の関係上"karl"となっている。
2017年5月25日、突如販売規模縮小のニュースが報じられ、不安の声が挙がっている。
そして一部地域では販売がストップした。現状再販の目処はない。
範囲については諸説あるものの、公式では「関西地域以西での販売」としている。
現状北海道・東北地方・関東地方・甲信越は問答無用でアウトである。西日本のアンテナショップや西日本の問屋を経由する商店などは不明だが基本無いものと考えるべきであろう。
北陸地方についても少なくとも新潟県・富山県・石川県はアウトだし、福井県辺りも殆どの店が販売を終了している。
逆に西日本には唯一の生産工場となった松山工場(愛媛県)があることもあり概ね安定供給が図られている。九州地方・中国地方・四国地方は従来とほぼ変わらない販売網と見ていい。
そういった事情もあってか、関東地方などでは似たような形状に似たような味をした食べ物が「ジェネリックカール」として重宝されたり、販売されているエリアから通販などで密輸(カール自体は違法な食べ物ではない。念のため。揶揄としての意味)と言ったような事例もある。
グレーゾーン
さて、問題は日本の中央部に位置する各県である。まず東海地方のうち愛知県・静岡県・岐阜県は少なくとも周辺に商品を卸す大手中小のネットワーク内では完全に販売終了している。逆に近畿地方のうち関西2府4県はほぼ安定的に供給されている。
なお、twitterでも問題となったのが三重県の処遇である。人によって中部に帰属するのか関西に帰属するのか(あるいは両方か、はたまた「近畿」にのみ帰属するか)などいろんな議論が行われている同県であるが、また一つ火種が投下されることとなった。
結論から言うと基本的に販売終了。同県にも多く店舗を抱える本社和歌山県のスーパー「オークワ」も、これ以前に三重など東海近郊の店舗の商品供給を他の関西圏のものとは別個に確立したために販売されないこととなってしまった。
しかし、名張市など関西圏への通勤・通学・買い物・観光需要が成り立っている地域では販売継続している店舗が存在する。伊賀付近でも購入出来ると言われている。
目安の基準としては近畿日本鉄道の存在が役立つかもしれない。同社のうちいわゆる名古屋統括部管轄エリアは販売終了。大阪統括部管轄エリアは概ね継続している。と言っても鉄道ファンの一部しかエリアは分からないだろうから具体名で言うと青山トンネル(西青山~東青山)を越えるか否かで明暗が分かれていると考えるのが妥当だろう。文化的にも同トンネルは中部圏と近畿圏の境目と言われている。
何故西日本のみ継続か
カール担当の広報によれば、「別に東日本と西日本で売上が大きく異なるわけではない」とのこと。
実はカールの需要が減少する一方で、チョコレート菓子など他の商品の需要が増加し、生産ラインが従来のままでは追いつかなくなってしまったとされる。そのためカール生産工場のラインを他のラインに回したのだ、と広報は主張している。
カール唯一の生産工場となった松山工場は、他の工場と異なりラインに余裕があったので、とりあえずここだけはカールを継続して続けられるとして生産を継続。しかし東日本の生産拠点が無くなってしまったため、結果的に供給出来なくなった、らしい。