概要
1969年3月2日生まれ、千葉県出身。弘前大学理工学部物理科学科卒業後、1991年にHAL研究所に入社。
デビュー作は『ハイパーゾーン』。星のカービィシリーズ初参加は『星のカービィ 夢の泉の物語』。
初代から参加している石川淳氏と共に現在まで楽曲を作っている。
『星のカービィ ディスカバリー』からはリードミュージックを担当しており、楽曲制作が中心になっている。
サウンドテストで安藤氏の担当曲を示す音符の色は青色。
エピソード
HAL研入社のきっかけ
『スターアライズ』発売時のインタビュー(英語)によると、大学時代は物理学を専攻していたため当初は音楽の道に進むつもりは全く無かったとのこと。音楽に携わろうと決めたきっかけは学生時代にプレイした『ドラゴンクエストⅡ』。すぎやまこういち氏がいなければ、業界に入る決心をしたとは思わなかったという。
同じ頃にパソコンを購入して作曲を始め、デモをHAL研に送ったところ石川氏が会ってみようと決めたことで入社した。
入社後に練習でファミコンのツールで作った曲を聴いた石川氏は、「想像していたより100倍くらいすごかった」と衝撃を受けたという。
作曲のスタンス
カービィシリーズの曲に関しては「テンポが速く踊れるような音楽がプレイヤーにとって飽きない」としている。その上で同じ作品内では共通するフレーズを織り込んでいる。また、感情的にではなく概念的に作曲するよう心掛けている。その複雑な構造のため、BGMを人間が演奏することは考慮していないという。
なお作曲するペースはかなり速いらしく、『星のカービィ ロボボプラネット』発売時のインタビューにて石川氏は「年をとるごとに作るスピードが速くなっていて、私の担当分がどんどん少なくなっている」とコメントしている(本作のサウンドテストに収録された全162曲中、半数以上の97曲が安藤氏の曲)。
自身が担当したBGMの中で一番お気に入りなのは『ロボボプラネット』のエンドクレジット曲「メモリーズ:あなたとの思い出は忘れない」。
大好きなファミコンやピアノの音をたくさん使えて満足しているが、自分が使っているツールの特徴から拾ったコンセプトを偶然含んでいるので「今の自分では作曲できないし、将来これ以上のものが書けるかどうかさえ分からない」としている。転調はかなり面白いが音楽的には本当に奇妙で、どうやってこんな曲を思いついたのかも自分では説明しきれないという。
石川淳氏との関係
先述したインタビューでは「比較的狭いゲーム音楽の分野で個性を発揮することができるような気がするから」という理由であえてゲーム音楽を聴いていない。
しかし同僚の石川氏が担当した曲は自分の曲以外によく聴くらしく、「こんなに独創性に溢れた曲を作曲できる人はいない」とコメントしている。
石川氏が作曲した中で一番好きな曲は『星のカービィ トリプルデラックス』の「美の監獄」。ムービー曲「カミにも等しき美ぼうが前に」にフレーズを使用する際に分析したところ、「不規則な時間と和音の平行移動が目立ち、転調はかなり穏やかで均一に感じるが面白い雰囲気でいつまでも聞いていられる洗練された曲」としている。
声優として
『星のカービィWii』以降、一部のキャラクターのボイスを担当している(地声ではなく加工している)。
担当したキャラクターは以下の通り。
鶏好き
鶏が大好きで、数々の鶏に関するエピソードを残している。
- ナゴという名前の名古屋コーチンを飼っている。鳴き声がとあるボスの効果音に使われたことも。
- 星のカービィ25周年記念オーケストラコンサートでのインタビューによると、熊崎ディレクターのペットの猫・トムの鳴き声の方が目立つ上に、慣れた人は技を出す前に倒してしまうため本人曰く「あんまり撃たないで欲しい」とのこと。
- 『毛糸のカービィ』発売時のインタビューや『スターアライズ』のサウンドトラック発売時の座談会といった公の場にて、必ずと言っていいほど鶏柄の服を着ている。
- 『ロボボプラネット』公式サイトでの名義が「ウェザーコック・アンドウ」
担当作品
- ハイパーゾーン(SFC,1991年)(石川淳、菅浩秋と共同)
- カードマスター リムサリアの封印(SFC,1992年)ミュージックコンポーザー(石川淳と共同)
- 星のカービィ 夢の泉の物語(FC,1993年)ミュージックコンポーザー(石川淳と共同)
- カービィボウル(SFC,1994年)ミュージックコンポーザー
- 星のカービィ2(GB,1995年)ミュージックコンポーザー(池上正と共同)
- カービィのきらきらきっず(GB,1997年)
- カービィのきらきらきっず(SFC,1999年)サウンドコンポーザー(石川淳と共同)
- ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ(64,1999年)サウンドコンポーザー
- 星のカービィ64(64,2000年)サウンドコンポーザー(石川淳と共同)
- 大乱闘スマッシュブラザーズDX(GC,2001年)ミュージック&サウンドディレクター(サウンドは池上正、酒井省吾、橘田拓人と共同)
- 星のカービィ 夢の泉デラックス(GBA,2002年)サウンド(酒井省吾、石川淳、池上正と共同)
- カービィのエアライド(GC,2003年)サウンドコンポーザー(酒井省吾、石川淳、池上正と共同)
- 星のカービィ 参上! ドロッチェ団(DS,2006年)(酒井省吾、石川淳、池上正と共同)
- 星のカービィ ウルトラスーパーデラックス(DS,2008年)サウンド(石川淳と共同)
- 毛糸のカービィ(Wii,2010年)サウンド(冨田朋也、石川淳、池上正と共同)
- 星のカービィ Wii(Wii,2011年)サウンド(石川淳と共同)
- 星のカービィ 20周年スペシャルコレクション(Wii,2012年)サウンド(石川淳、酒井省吾と共同)
- 星のカービィ トリプルデラックス(3DS,2014年)サウンド(石川淳と共同)
- カービィファイターズZ(3DS,2014年)サウンド
- デデデ大王のデデデでデンZ(3DS,2014年)サウンド
- 星のカービィ ロボボプラネット (3DS,2016年)リードサウンド(サウンドは石川淳と共同)
- みんなで!カービィハンターズZ(3DS,2017年)リードサウンド(サウンドは石川淳と共同)
- カービィのすいこみ大作戦(3DS,2017年)リードサウンド(サウンドは石川淳と共同)
- 星のカービィ スターアライズ(Switch,2018年)リードサウンド(サウンドは石川淳、小笠原雄太と共同)
- スーパーカービィハンターズ(Switch,2019年)サウンド(櫨本浩、石川淳と共同)
- カービィファイターズ2(Switch,2020年)サウンド(櫨本浩、下岡優希、石川淳と共同)
- 星のカービィ ディスカバリー(Switch,2022年)リードミュージック(サウンドは小笠原雄太、石川淳、下岡優希と共同)
- カービィのグルメフェス(Switch,2022年)サウンド(小笠原雄太、石川淳、酒井省吾、大原萌、下岡優希と共同)
- 星のカービィ Wii デラックス(Switch,2023年)リードミュージック(下岡優希と共同、サウンドは石川淳、櫨本浩、小笠原雄太、加藤優貴と共同)
代表曲
作曲
- 雲の面(星のカービィ 夢の泉の物語)
- 夢と寒冷地の面(同上)
- コース8:雪ステージ(カービィボウル)
- VS.メカデデデ(同上)
- クラウディパーク(星のカービィ2)
- メタ・クリスタル(ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ)
- シティトライアル:街(カービィのエアライド)
- 4人の仲間と:クッキーカントリー(星のカービィ Wii)
- 必殺!スーパー能力/ウルトラスーパーボスバトル(同上)
- スカイタワー(同上)
- 飛べ!星のカービィ(同上)
- CROWNED(同上)
- ボヨヨンバッタン・ファクトリー(星のカービィ トリプルデラックス)
- 狂花水月(同上)
- この星をかけた魂の戦い(同上)
- 銀河に名立たるハルトマン(星のカービィ ロボボプラネット)
- VS.スタードリーム(同上)
- 回歴する追憶の数え唄/回歴スル追約ノ忘レ貝(同上)
- 組曲:星羅征く旅人(星のカービィ スターアライズ)
- 審判の夢見鳥:バルフレイナイト(同上)
- 三叉一閃の巫の熱情(同上)
- いつしか双星はロッシュ限界へ(星のカービィ ディスカバリー)
- 褪せ色のサイコメトラードリーム(同上)
編曲
太字はセルフアレンジ。
- 雲の夢(星のカービィ Wii)
- ヒストリー オブ デデデ(カービィファイターズZ)
- 伝導電磁式三連砲:D.D.D.(星のカービィ ロボボプラネット)
- 暗黒の復刻(同上)
- ダーククラウディ(星のカービィ スターアライズ)
- ダークマター イン ザ ハイパーゾーン(同上)
- おとめたちのやみとのたたかい(同上)
- 覇王戴冠 ~OVERLORD~(同上/星のカービィ Wiiデラックス)
- 月魄のファントム(星のカービィスターアライズ)
- 幼き日に視たデウス・エクス・マキナ(同上)
- グリーンツリーメモリーズ from 星のカービィ(スーパーカービィハンターズ、作曲:池上正、編曲:谷口尚久・安藤浩和)
- 天を貫く絆の間(カービィファイターズ2)
- 無敵にGOODBYE NEW WORLD!(星のカービィ ディスカバリー)
- Winter Days Route 8(カービィのグルメフェス)
- 王亡き樹冠のミストルティン(星のカービィ Wiiデラックス)