概要
2011年に発売された、『星のカービィWii』をグレードアップさせた移植作品。2023年2月24日にNintendo Switch専用ソフトとして発売。
単なるHDリマスターに留まらず、キャラクターや一部ステージなどの3Dモデルが刷新されている他、新モードなど多数の要素が追加されているなど、まさにデラックスな仕上がりになっている。
キャラクターデザインは全体的に近年の作品に合わせる形で変更されている。特にデデデ大王の変化は顕著であり、体型や顔つきがオリジナル版とは大きく変わり、『星のカービィディスカバリー』に近いものになっている。
また、キャラクターやアイテムのモデルには輪郭線が付いており、これは更に美麗になった背景でキャラクターを見やすくするための表現とされる。
新要素
追加コピー能力
既存の能力に加えて、今作からの新能力「アーマー」と「サンド」、『スターアライズ』で登場した「フェスティバル」の3種類を含む、合計26種のコピー能力が登場。
リメイク作品にてコピー能力が追加される事態は本作が初である。
またそれに合わせてステージ中に新たなザコ敵が追加されている。
おたすけマホロア
ゲーム初心者向けのオプション機能。マホロアがサポートをしてくれる。
内容は以下の通り。なおストーリーモード(本編)以外では使用不可能。
- 穴に落下しても引っ張り上げてくれる
- 挟まれると即死になる地形などの動きが遅くなる
- 体力の最大値アップ
- 『みんなで!カービィハンターズ』シリーズのたいりょくのクスリをくれる。『カービィファイターズ!』シリーズ同様、通常の青いHPゲージの上に緑のHPゲージが追加される。
- ゴールゲームの成績に応じて回復アイテムをくれる
- 中ボス・ボスとの戦闘中にアイテムを渡してくれる
- すっぴん時は能力星(これまでコピーしたことのある能力からランダムに選出)、能力を持っている場合は回復アイテムをくれる。
- フェスティバルの演出に登場する(効果は特に変動しない)
サブゲーム
本作ではマホロアが作ったテーマパーク『わいわいマホロアランド』として独立化。
従来の「一撃!手裏剣道場」に加えて、新サブゲーム「みつけて!マホロア図書館」が追加されている。
更に「刹那の見斬り」や「爆熱ボンバーラリー」、「スマッシュライド」と言った過去作で登場したサブゲームも含めた10種類が収録されている。
ちなみにオリジナル版にあった「ガンガンバスターズ」はないがその名残を感じさせる「ガンガンブラスターズ」が登場している。
サブゲームの成績によってにスタンプカードにスタンプが押され、一定数スタンプを集めることでおみやげアイテムとおめんが入手できる。
尚、オリジナル版と同様にエナジースフィアの数に応じて、ローア船内でも遊ぶ事が可能。
なりきりおめん
わいわいマホロアランドのスタンプカードで入手できる、歴代キャラクターを模したおめん。歴代キャラに仮装できる他、一部のおめんはキャラクターボイスが変わるものがある。
おめんはカービィだけでなくバンダナワドルディやデデデ大王、メタナイトにも装備することができ、Rスティックを押し込むことで取り外しできる。ストーリーモードでも持ち込むことができる。
一部のおめんには装備することで特定の能力が上がるものもある。
マホロアエピローグ 異空をかける旅人
「メタナイトでゴー!」「デデデでゴー!」「星の○○○○」などのような本編クリア後の追加モード。マホロアを主人公としてプレイできる。
メインストーリー(冒頭のムービーを見るに、正確にはエクストラモード)後の顛末を描いており、異空間からの脱出を目指す物語。
初期状態のマホロアは力を失っているが、ステージで拾ったり敵を倒してコンボを繋げたりすることで獲得した「まりょくポイント」を消費してマホロアを強化できる。また、ボスを倒すと獲得できる「かじつのカケラ」で新しい技も解禁されていく。
力を失ったマホロアの服は色褪せボロボロになっているほか右耳も露出している。誰が呼んだか「ボロロア」。
原作との違い
アクション関連
- 『Wii』以降の作品で初登場したアクションや技が追加された(緊急回避やソードのスカイエナジーソードなど)。
- ただしニンジャの「かわりみのじゅつ」は原作同様の「こっぱみじんのじゅつ」に戻ったほか、ニードルの「フォーリンスパイン」は何故か使用不可になっている。
- カービィ以外の3人に関しても『スターアライズ』の最終アップデート・『カービィファイターズ2』準拠の性能となっている。
- Rスティックでアピールすることが可能。キャラクターごとに細かい動きは異なるが、上→左手を振って挨拶、左→周囲をキョロキョロ、下→ラジオ体操のような動きで準備運動、右→右手を挙げてキメ顔で統一(なりきりおめん装備時はボイスも変わる)。
- オプションでオートのみこみの設定と(デフォルトではOFF)、AボタンでジャンプしてBボタンで攻撃するか、BボタンでジャンプしてYボタンで攻撃するかの設定ができるようになった。また、スタート画面からローアへ戻ることができる。
モーション関連
- スーパー能力取得時にそれぞれ固有のモーションが追加された(ただしとあるシチュエーションのみ原作の演出に戻る)。
- なお、ウルトラソードの剣のバリエーションが追加されている。
- スーパー能力で倒した敵は、スマブラよろしく吹っ飛ばされて画面手前にへばりつくようになった。
- ゲームスピードの見直しが行われた。特にスーパー能力の技が速くなり、ギミックをよりサクサク攻略できるようになった。ワープスターによる移動ムービーもスキップできるようになった。
- ゴールするとカービィがポーズを取るようになった。専用のファンファーレ「ゴールトビラ」(「ぼうけんのはじまり」のアレンジ)も流れる。
- 複数人でプレイしている場合、『スターアライズ』のように全員集合してから決めポーズする演出となった。
BGM・効果音関連
- 『ディスカバリー』同様、サウンドテストで曲名が表示されるようになった。これまで題名が分からなかった曲の名称が約11年越しに明かされることとなった。
- 『トリプルデラックス』以降導入された音符の色で作曲者が分かるシステムも採用されている。
- 効果音が聞けなくなった代わりに、同じく『トリプルデラックス』から初導入されたオート再生機能が追加されている。
- 水中のステージではBGMがくぐもるようになった。
- わいわいマホロアランドの裏曲やHAL部屋、真・格闘王への道を中心に、原作では使用されていなかった過去作のBGMが流用・メドレーアレンジされている。
- カービィのボイスが一新され、『トリプルデラックス』以降のエコーのかかったボイスとなっている。
- スーパー能力の掛け声も種類に応じて変更されている。ちなみに『星のカービィ30周年記念ミュージックフェス』にて、大本眞基子氏と熊崎信也氏が「カービィが『たや!』と言っているかどうか」で揉める一幕があった。
エクストラモード関連
- 原作では本編のクリア率が70%以上で遊べるようになったが、本作では都合上本編を一度クリアすれば遊べるようになった。
- 敵の数がさらに増加している。なお上記の通り「おたすけマホロア」が使用不可。
- 回復アイテム数が減らされた。おみやげアイテムの持ち込みが可能になった兼ね合いと思われる。
その他
- ウィングの帽子、ソード・ニードル・スパーク・ハンマー・ハイジャンプ・トルネイドの能力星のデザインが変更された。
- ウィスピーウッズやスフィアローパーなどの一部ボス達に当時はなかったスペシャルページが追加された。
- 各コピー能力の説明文も、当時の文章からブラッシュアップする形で微調整が入っている。
- また、元からスペシャルページがあるボスでも、原作と内容が変わっているものもあるので、そちらも必見である。
- ローア内でのマホロアの会話セリフが追加されている。外伝作品を遊んだプレイヤーやマホロアファンは必見。
- アナザーディメンションのスフィアローパー戦で負けても、再突入時にはスフィアローパー戦前からやり直せる。
- 中ボスを倒したあと吸い込まずに攻撃してもコピーのもとになって残るようになった(ただしスーパー能力で倒したり、穴に落ちた場合は除く)。
- 本編とエクストラモードとは別に、ファイル全体のクリア率が計測されるようになった。100%クリア条件は以下の通り。
- 本編とエクストラモードの両方のクリア率を100%にする(以下が更なる内訳)
- 全てのボスを倒す
- エナジースフィアを全て集める
- 全てのチャレンジステージをクリア(評価は不問)
- マホロアエピローグをクリア(エクストラステージ含む)
- わいわいマホロアランドで最初から出ている全てのミッションをクリア(真エクストラミッションはクリアしていなくても可)
- 格闘王への道及び真・格闘王への道をクリア
- 本編とエクストラモードの両方のクリア率を100%にする(以下が更なる内訳)
- 新たなHAL部屋が2ヶ所追加されている。
- シアタールームからスタッフクレジットが見られるようになった。
余談
この作品が発表された年がちょうど星のカービィ30周年を迎えた年であり、初代『星のカービィ』の発売日を節とした『星のカービィWii』の小説版が発売されていたこともあって、発表の際に「Wiiの小説版が出たのはこの作品を出す伏線だったのでは」と考える人が多く見られた。
今作は原作に比べてHUDが長い。恐らくバンダナワドルディの文字数制限を解消するため(原作では単純にワドルディの表記のみ)長くしたと思われるが、今作はHPそのものが増えたのかそれとも誇張したかは不明である。
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カービィのグルメフェス ⇒ 星のカービィWii デラックス ⇒ ???