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概要

カービィ本編シリーズ初となる、奥行きのあるステージを駆け巡りゴールを目指すコースクリア型の3Dアクションゲーム。

カービィのすいこみ大作戦で培われた技術がついに結実した「スーパーマリオ3Dワールドのカービィ版」とも言える作品となっている。

タイトルのディスカバリーとは「発見」および「発見された地」を意味する言葉、カービィとプレイヤーを待っているものは新天地における未知の発見となる。

英語版タイトルは"Kirby and the Forgotten Land"で、日本語に訳すると「カービィと忘れられた地」と言ったニュアンス。

前作に存在したヘルパーシステムは撤廃されているが、唯一バンダナワドルディだけは、おすそわけプレイの2P用として共に操作する事が可能。

舞台

舞台となるのは文明と自然が混ざり合う未知の『新世界』。

カービィやワドルディ達は、プププランドに突如発生した「ナゾのうず」に飲み込まれる形で迷い込んだ。

この世界では廃墟と化した高層ビル群や巨大なタワーが立ち並び、それらに緑豊かな草木が茂っているという、ポストアポカリプスを想起させるような、退廃的ながらも清涼な雰囲気を醸し出す光景が広がっている。

カブーシャッツォなどのお馴染みの敵がちらほらといる以外に、コロリといった久々に出演を果たしたキャラクターも登場、また様々な動物の姿をした謎の敵勢力「ビースト軍団」がカービィの前に立ちはだかる。

ビースト軍団は何故かワドルディ達を積極的に捕まえており、彼らはステージの各地に配置された檻に閉じ込められてしまっている。その為、カービィは単なるステージクリアだけでなく、このワドルディ達を救出する事も目的となっている。

ステージ一覧

はじまりの大陸

初めて訪れることになる緑化都市。

今や廃墟と化した多数の建造物と、緑豊かな植物が一面に広がっている。

広大な海と砂浜が広がる諸島。

海の中には建物の残骸が沈んでおり、中でも工業施設のような名残が多い。

かつて大人気だった、ワンダリアという巨大遊園地の跡地。

遊園地らしく、ジェットコースターやお化け屋敷など多彩な仕掛けが多い。目玉アトラクションは宇宙船型ジェットコースター『スペースワンダリア号』。

雪と氷に閉ざされた寒冷地。

ヨーロッパを思わせるようなレンガの建物の残骸が多く、中でも奥にそびえ立つ廃城が目を引く。

ここの水辺はカービィや敵が落ちると一瞬で凍りついてしまうほど冷たい。

禁足の島

海を渡った先の大陸に広がる砂漠と渓谷。

元々は港町だったようで、工場の跡地や船の残骸や、かつて生息していたであろう海洋生物や珊瑚の亡骸がちらほら点在している。

火山そびえる溶岩地帯。

資源エネルギープラントの他に、野生的な建造物が点在している。火山弾によって足場が崩れる事があるため、注意が必要である。

ビースト軍団のアジトらしく、今まで戦ってきた面々が大挙して行手を阻む。

レッドガル禁足地の向こう側にある研究施設と、それを取り巻く元先進都市。

技術発展の先駆けとして栄華を誇っていたらしいが…

本作も、各ステージの頭文字を並べると、ある単語が見えてくる。

登場キャラクター

毎度おなじみ主人公。

ポップスターから『新世界』へと飛ばされてしまい、未知なる世界にて冒険の旅に出る。

カービィの友達である、バンダナを被ったワドルディ。

今回も助っ人キャラとして冒険に同行する。

カービィと共に冒険の旅に出る、空飛ぶネズミ。

ミスをし続けると、カービィにアドバイスをしてくれる(初心者救済処置)。

カービィと並ぶシリーズ皆勤のお馴染みキャラ。

一足先に「新世界」へ到達したのち町を作っていたらしいが、エフィリンと同様、何故かビースト軍団に執拗に狙われ、囚われてしまう。

なお、町にいるワドルディを攻撃すると、多種多様な倒れ芸を披露し、何事もなく起き上がる。

ボス

前作同様、ボス戦開始時には二つ名とカットインが表示される。

ビースト軍団幹部の1匹。モヒカンヘアーの巨大ゴリラ。最初に戦うボス。

ショッピングモールを縄張りとしており、激しい剛腕を振りかざす。

ヤシの木をモデルにしたウィスピーウッズの亜種。

歴代屈指の巨体から繰り出すヤシの実や根っこは強力。

ビースト軍団幹部の1匹。スリムな出で立ちのヒョウ。

サーカスのテントで待ち構え、華麗な動きで翻弄し、鋭い爪で斬り刻む。

毎度お馴染みの仮面の剣士。

コロシアム限定のボスとして現れ、ソードカービィに戦いを挑んでくる。

カービィより後に「新世界」にやってきたらしく、エフィリン曰く、カービィが不在の間はワドルディの町をビースト軍団から護っていたらしい。

毎度おなじみカービィの永遠のライバルであるプププランドの自称大王。

どういう経緯か、野人じみた格好でビースト軍団の幹部となっており、人相も『64』に近いものとなっている。

ビースト軍団幹部の1匹。ガラクタ集めが趣味な巨大アルマジロ。

ガラクタで作った人形を投げつけたり、体を丸めてスピン攻撃を仕掛ける。

イノシシのような仮面を付け、両手にハンマーを持つ。より強くなったデデデ大王。

炎の旋風を起こして攻撃する。第2形態になるとハンマーを捨てて四足歩行になる。

ビースト軍団の首魁で、筋骨隆々で巨大なライオン。

※以下のキャラクターにはネタバレが含まれます。

メインストーリーのラスボス。

クリア後ストーリーのボス。

クリア後ストーリーのラスボス。

コロシアム最高難易度の最終ボス。

新システム

カービィがコピー能力とは異なる形で得られる新能力。異空間中に変異したような描写があったがこの2つの関係は不明。

『新世界』に点在する一部の器物を吸い込み、それらを包み込む様に頬張る事で合体。器物に応じて様々なアクションを行使できる様になる。

詳細はリンク先を参照。

本作はある一定の条件を満たすと、コピー能力を進化させる事が可能。ステージ中のどこかにある設計図を見つけ、武器屋でコインとレアストーンを払う事で強化できる。

進化したコピーは武器屋にて切替可能であり、以降はステージ内で入手できるコピーが、切り替えたコピーに置き換わる。自分が使いやすいと思うものを選ぼう。

詳細はリンク先を参照。

  • はるかぜモード・ワイルドモード

本作の難易度。設定画面でいつでも変更可能。

はるかぜモードは初心者に優しい難易度であり、奈落に落ちた際のダメージが軽減されたり被弾時の無敵時間が長くなっている。

ワイルドモードはカービィの体力が半分になり、敵が追加されたりなど難易度が上がる代わりにコースクリア時にコインスターが50枚入手できる。

  • ワドルディ救出

ステージ各地で囚われたワドルディの檻に触れることでワドルディを救出できる。

本作のゴールも3体のワドルディが捕まっている金の檻で、触れるとお馴染みのダンスと共にステージクリアとなる。

特に、ボスと戦うためには一定数のワドルディを救出しなければならない。

近くにワドルディの檻がある時は「わにゃ、わにゃ~」というワドルディが助けを求める声が聞こえてくる。

因みに囚われたワドルディの目の前に現れた後、檻の後ろに回るなどしてワドルディがカービィを見失うとガッカリしたワドルディが見られる。やっぱ可愛い

その他、ステージ各自に設けられたお題をこなす事でも救出できる(チューリップを5つ咲かせるなど)。最初はお題が何かまでは表示されないが、お題に関係ある行動を取る、または未達成のままゴールすることで1つずつ解禁される。とりあえずは気になる部分は隅々まで調べてみよう。

ボス戦の場合必ず「ノーダメージでクリア」というお題がある。

また、全てのワドルディを救出すると広場にちょっとした変化が起こる。

  • コインスター

今作の舞台の通貨。ステージ各地に散らばっており、ワドルディの町の施設の利用などに使用する。

救出済のワドルディの檻には赤いコインスターが入っており、ゴールの金の檻にはたくさんのコインスターが入っている。また、1ステージに付き1枚、青いコインスターが隠されている。

また今作では残機制ではなくなった代わりに、体力がなくなって1ミスするとコインスターが100減ってチェックポイントからやり直す形になっている。コインスターが100枚未満でもリトライ可能である。

今作のコレクション要素。ワドルディの街でガシャポンができる他、カプセルがステージの各地にも隠されている。入手したフィギュアの説明も見れる。

各エリアや進行度ごとに入手できるフィギュアは異なり、歴代コレクションでありがちだった終盤のネタバレへの対策になっている。

また、ミニゲームクリアや特定の人物に何度も話しかけるなどで入手できる特別なフィギュアもある。

また、ガチャルポンの説明文から、新世界にはかつてホラインコーポレーションアライブルホールディングスライトロンワークスカンパニーという3つの大企業があったことがわかる。

さらにその3つの頭文字をつなげると「HAL」になるという小ネタがある。

なお、これとの兼ね合いからか従来作品のスペシャルページ・各種コピー能力の説明文は全廃された。

  • トレジャーロード

『新世界』の何処かにある「なぞのウズ」を見つけると入れる、いわばボーナスステージ。

制限時間内に特定のコピー能力やほおばりヘンケイを駆使してステージを踏破すると、コピー能力を進化させるのに必要な「レアストーン」と言うアイテムが手に入る。

また、目標タイム内にクリアするとコインスターが50枚もらえる。

なお、はるかぜモードにしていた場合制限時間が長くなる。

今作の新要素の1つで、檻から助けられた多くのワドルディ達が、安全な森の中に作り上げたプププランド様式の拠点。カービィ達もここをベースキャンプとしている。

最初はビースト軍団の蛮行によりボロボロの廃墟なのだが、助けたワドルディの数が規定数に達するたび少しずつ発展してゆき、各種施設が増えていく。

ミニゲームも同様にここでプレイできる様になる。

詳細は項目参照のこと。

登場コピー能力

進化させられるコピー能力は、コピー能力進化を参照。

(復)…今作で復活のコピー、(新)…今作新登場のコピー

ディスカバリー以前のカービィ本編シリーズは『夢の泉DX』『鏡の大迷宮』から20種以上のコピー能力がある事が基本になり多少の変動はあれも基本的なシステムは変わらなかった。

しかし本作は3Dアクションへの移行した為、製作的な都合に加えアクション面の事情(3D化によるアクションの複雑化やバランス調整など)により大幅に見直される事になり、2D時代の過去作と比べて12種とコピー能力の数は少なめとなった。これによりGBA時代から続投され続けていたビームファイター、電気系コピー(スパークプラズマ)などリストラされ皆勤賞が途絶えた能力やその系統も多い。

その分コピー能力進化や、ほおばりヘンケイなどの豊富なギミックでアクション面を補っている。

発動できる技も単純・縮小化され、複雑なコマンド操作をしない簡単なものになったが、移動しながら攻撃する事も可能となり、むしろシンプルに強化された感もある。

操作要領

今作ではスタート画面にて操作説明が一切なく、的確な場面にてボタンのガイドが出たり、『スーパーデラックス』の初心者の部屋や『星のカービィ64』のトレーニングを彷彿させるミニ画面が現れて操作を教えてくれる。

一方で各種コピー能力のコマンドはポーズ画面で見られなくなったので注意が必要。

吸い込みの仕様

基本的には『カービィのすいこみ大作戦』と同じであり、コピー能力を持つ敵は吸い込むと自動で飲み込むようになっている。オートのみこみは従来ではできなかった「空中で即座に飲み込んでコピーする」ことが可能になった(従来は空中で吸い込んだものは着地するまで飲み込めなかった)他、ダメージで剥がれたコピーを誤って吐き出す事故を防ぐ事に繋がる。

設定でオートのみこみの解除ができるため、コピー能力で戦いたい場合はオートのみこみをONにし、すっぴんで戦いたい場合はオートのみこみをOFFにした方が望ましい。

飲み込む時はL/Rボタンを押せばいい。

吐き出し攻撃は、敵に向かってある程度ホーミングされる。

能力の解除はYボタン長押しまたは−ボタンを押すことで行える。上記のほおばりヘンケイの解除も同様である。今作では解除したコピー能力が消えるまでが長く、その間他のコピーを取っても消えない。水に落ちても消滅せずに水面に浮く。

今作もコピーできる敵を2種類同時に飲み込むと、ルーレットが発動する。しかし一度取得したコピーしか選出されないので、未知の能力をいきなり引き当てることはない。

ホバリング

『64』や『すいこみ大作戦』と同様にホバリングには時間制限があり、しばらく飛んでいると疲れて高度を保てなくなる。ホバリングで攻略する場所はあるが、高度も制限されているため梯子を無視して飛んで登る事などが出来なくなっている。

ファイアのバーニングアタックである程度空中を高速で移動することはできるが、空中で連続で出すとだんだん疲れていくので過信は禁物。

即死・残機制度の廃止

従来では高所や深い穴に落ちると1ミスだったが、今作ではダメージを受けて落下したところの手前まで戻るようになっている(ゼルダシリーズと同じ仕様)。また、「ギミックに挟まれて即死」といったステージも無い(潰されてもぺしゃんこになって一定時間動けなくなるだけ)。

上述したが残機制ではなくなって、ミスしたらコインスターが減って直前のチェックポイントからやり直すようになっている。ワイルドモードの際はリトライ時にはるかぜモードの切り替えを勧めてくれる他、コインスター100枚以下でもリトライ可能。

しゃがみガード

L/Rボタンを押すと「しゃがみガード」が発動し、この状態で移動するとアクロバティックな動きで敵の攻撃を回避できる。これで敵の攻撃をギリギリ回避するとスローモーションになり、威力が高めのカウンター技を放つ事が出来る。

今作は無敵技が全て撤廃され、敵の攻撃の追尾性も高いため後半はこれを使いこなせないとかなり厳しい難易度となっている。逆に使いこなせれば一方的にボスを倒す事も可能。

しゃがんだ状態でジャンプボタンを押すことでスライディングを出せる。今作ではスライディング後の硬直が短く、連続でスライディングする事ができる。また、崖際でスライディングしても落下せず、崖の手前で止まる仕様である。

ただしコピー能力によっては基本アクションが変化し、例えばソードではスライディングでドリルソードをし、その最中にジャンプボタンできり上げスラッシュを繰り出し、すかさず攻撃ボタンでメテオエンドを繰り出すといったコンボになる。

アイスはしゃがみガードがこちこちガードになり、従来通り解除時に氷の破片による攻撃判定がある。緊急回避はガード解除時にスティックを倒すと発動するが、移動距離は短い。他の能力同様スライディングは可能。

現時点ではスライディングとジャンプを組み合わせた変態走行かソード時の連続スライディングが一番速く移動できると言う声もある。

更に同じコピーでも進化すると仕様が変わる場合があり、ギガントソードではダメージを受けない盾が装備を構えたり(掴み攻撃などのガード不可攻撃は防げない)、通常のソードなどでできた緊急回避の代わりに、ガードしたまま方向転換やジリジリと移動できるようになっている。

この事から、緊急回避できないコピーはしゃがみガードが強化されている場合がある。

水上のアクションについて

水に入ると浮き輪で浮かぶようになり、水鉄砲ではなく吸い込み攻撃を行う。コピー能力も地上と同じように使える。

また、その状態でしゃがみガードや緊急回避、スライディングも可能。ただし水の中に潜ることはできず、水面を移動するステージはあるものの、本作には水中ステージはない。

その他

  • ファイアやアイス、みずふうせんほおばりなど口から吐く攻撃は、発動しながらL/Rボタンを押すことで向きを固定しながら移動できる。
  • 小ネタとして十字ボタンでスマブラのアピールを彷彿させるアクションができる(バンダナワドルディも行える他、ほおばりヘンケイ中は特殊なアクションができる)。ワドルディの町にいるワドルディに向かって左もしくは上アピールを使うと反応してくれる(もちろんコイツ(ネタバレ注意)も)。
  • Rスティックで視点を動かす事ができ、押し込むことでリセットできる。
  • ステージ選択場面でL/Rボタンを押しながら素早く移動できる(怪しい場所を調べたりステージに入ることはできない)。
  • 大砲に入ってL/Rボタンまたはスティックを下に入力すると、導火線の点火スピードを上げる事ができる。

主題歌

WELCOME TO THE NEW WORLD!

NEICHEL

作詞 熊崎信也

作曲 池上正

編曲 永田太郎、小笠原雄太

ゲームにおいてのカービィシリーズで初となる主題歌

歌自体はどの国の言語でもない、『新世界』独自の言葉であり、海外のユーザーでも本作の舞台が未知の世界であるように演出されている。

余談

前述の通り、海外と日本で副題が違うのはロボボプラネット(planet robobot)、更には意味合いが全く違うのは星のカービィWii(Kirby's Return to Dream Land)以来となる。

実はカービィの3Dアクションゲームの構想はかなり昔からあり、ゲームキューブ時代の2004年に発表されるも開発中止となった「星のカービィGC」がそれに当たる。

ただ、カービィのデザイン上、後ろ姿だとどっち向いているかわかりづらい事もあり、3Dなフィールドでカービィを動かすのは苦労したと開発者のインタビューで語られている。

ステージの各所に使われている文字がラテンアルファベットに対応していることが示唆されており、さっそく文字の解読が進められているなど、深い理解を試みた人に見えてくる世界観は、本作でも健在のようだ。

本作では従来に存在していた宙に浮く足場やブロックが無い。どれもが壁や柱にくっついていたり、クレーン等で吊るされており、積まれている箱は下の箱を壊すと落ちるようになっている。

ただし、一部の星ブロック(「烈火往く道」終盤など)や星マーク付きスイッチで出現する足場(「地下水道に流されて」終盤など)等々、カービィ世界由来と思しき事物はその限りではない。

また、異空間であるトレジャーロードやクリア後の裏面では、浮遊する足場や宙に浮くブロックが普通に存在する。

2022年8月8日にて角川つばさ文庫より小説版「新世界へ走り出せ!編」が販売。

同年の9月13日から、クリア後の物語を描く「絶島の夢をうちくだけ!編」が販売された。小説版でクリア後の裏ステージが描かれるのは本作が初である。

ストーリーは本編をなぞっているが、一部に本編の描写を補足したり、改変された描写もある(デデデ大王がバンダナワドルディと同時のタイミングで空間のうずに飲まれるなど)。

2022年のネット流行語100では21位にランクインした。

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