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概要編集

Nintendo Switchのゲーム『星のカービィディスカバリー』のテーマソング。

ゲームにおける星のカービィシリーズにおいて初の主題歌。


歌自体は外伝作スーパーカービィハンターズにてエンディングテーマとして「グリーンツリーメモリーズ from 星のカービィ」があるが、星のカービィシリーズ本編にて歌付きのテーマはこれが初である。


ゲーム内で初めて聞けるのは最初のステージ「はじまりの地」のラスト。

くるまほおばりのターボダッシュによる体当りで跳ね橋を落とし、その衝撃で偶然近くにあったラジオプレイヤーが起動。

この歌が流れ出しこれをBGMにカービィは新世界を駆けるという所謂オープニングムービーが始まる。

(体験版では丸々カットされている)


歌:NEICHEL

作詞:熊崎信也

作曲:池上正

編曲:永田太郎小笠原雄太


制作秘話編集

熊崎氏の中には本作の世界観が決まる前、もっと言えば『Sカビハン』時代から既に主題歌を導入する案があったため、「グリーンツリーメモリーズ」はカービィと歌の親和性を確かめる目的としての布石として制作された。

従来よりも特徴的な世界観を演出するために「過去の世界で流行していた歌」という設定にすることで、「この世界にもかつて娯楽があった」と感じてもらえるものにした。池上氏も「異世界の言語で、その世界の人気歌手が歌う」というコンセプトで作曲している。


しかし『星のカービィ30周年記念ミュージックフェス』によると違和感なくゲーム内に組み込むのには苦戦したようで、池上氏は使用シーンを知らず、ディレクターの神山達哉氏は歌の存在自体を知らなかった。

そこで「起動するとすぐに本編が始まる」という構成を逆手に取り、「これから冒険が始まる」というタイミングまで取っておくことに。ムービー中におけるくるまほおばりと曲のインパクトを両立させるために「カービィが跳ね橋にぶつかる」というアクションを起点としたのだが、制作時間の余裕がなかったところをアートディレクターのファーマン・力氏がムービーをたった1人で作るという力技で間に合わせた


余談編集

曲のジャンルは、これまでカービィらしい木管楽器を中心としたクラシック系が多かったが、今回は珍しく電子楽器を中心としたロック系となっている。

しかし、それでもカービィらしく可愛らしい曲調となっている為、違和感が意外と無い。


曲は字幕が日本語(英語)翻訳付きだが、歌自体は新世界の言語となっている。これにより海外のユーザーでも、「本作の舞台は未知なる世界」と感じられるように演出している。


なお、翻訳文の下の原語はアルファベットに対応できるが、いくつかの原語の内容が、日本語訳と差異が見られる。

例えば、「あの空も 全部キャンバスさ」は原語を翻訳すると「THE SKY'S OPENED UP, AND THERE'S SO MUCH TO SEE.(空が開けて 見るものがたくさんある)」となり、

「風よ」は「FRESH SPRING BREEZE(「SPRING BREEZE」はスーパーデラックスの「はるかぜとともに」の海外名)」となる。

このように原語の意味を理解すると、日本語訳がどことなく空耳っぽく演出されている事がわかる(そもそも、新世界の言語がわからないカービィが、そう聞こえているのだという演出だと考えられる)。


歴代カービィシリーズのテーマ曲と同じく、本作では様々な場所でアレンジ曲が流れている。


2022年8月11日に開催された星のカービィ30周年記念ミュージックフェスに於いてNEICHELが出演し、本人による生歌唱に加えカービィの声優である大本眞基子とのデュエットでの日本語バージョンが披露された。


関連タグ編集

星のカービィディスカバリー テーマソング





























※ここから先、主題歌の真相に関する考察とちょっとした星のカービィディスカバリーのネタバレがあるので注意。

こうかいしませんね?























上記の通りこの歌は新世界に存在したラジオプレイヤーから流れている。

つまり単なるこの作品のテーマソングというだけでなく、作中世界に実在する歌であると考えられる。

その事とかつてこの世界にいた住民が捕獲したID-F86を研究して入手したワープ技術で手狭になったこの世界から旅立ったという事実から考えると、この歌の存在意義と意味について1つの答えが出る。

即ち「狭くて古くなったこの世界からまだ見ぬ新しい世界へ行こう!」という思想を推奨する、一種のプロパガンダの歌であるという事。

無論あくまで作中の情報からの推測に過ぎないが…少なくとも公式サイトやPVでも言われ、カービィにとっては間違いなく「新世界」である冒険の舞台は、元々住んでいた人々にとっては狭さを感じた事で見限り(大きな忘れ物その片割れアニマル達諸共)忘れ去った「旧世界」なのだ。


「新世界への夢と希望」がテーマのこの曲ではあるが、カービィの視点では「新世界をこれから探索するワクワクな気分」なのに対し、新世界人からすれば「新しい技術を手に入れたことで、『旧世界』たるこの世界を忘れて次の星に旅立つ」という解釈もできてしまう。

実際に熊崎氏はインタビューにて、「歌詞も読み解けばちゃんとこのゲームの世界に合ったメッセージになるように作詞している」とコメントしている辺りほぼ確信犯である。


余談だがどこで見つけて拾ってきたのか、EDではカービィの家に同型のラジオプレイヤーがありやはりこの歌を流す。

また町かどワドワイブに最後までおひねりを入れて(合計3000コインスター必要)全BGMを解放すると、最後にボーナストラックとしてオフボーカルの本曲が聞ける。



なお、新世界語はアルファベットに翻訳可能だが翻訳した内容は海外版の歌詞と同じである。

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