ハルトマン「すばらしい。じぃ、つぅ、にぃ、すばらしいっ。」
「これこそ、銀河の かなたの文明を ひもとき、
わが社の テクノロジーで よみがえ らせた、
マザーコンピューター…「星の夢」である。」
概要
『星のカービィ ロボボプラネット』のストーリーモードのラスボス。
ハルトマンワークスカンパニーが誇るマザーコンピューターにして戦闘マシン。
銀河の彼方の文明の技術を、ハルトマンワークスカンパニーのテクノロジーで蘇らせた叡智の結晶である。
ハルトマンの願いである「カンパニーの永遠なる繁栄」に応じ、ポップスターの侵略という完璧な経営戦略を導き出し、インベードアーマーの製作やメタナイトの改造なども行っていた。
計画を邪魔するカービィを駆除するためにハルトマンが搭乗するが、スージーによってコントローラーを奪われたことで暴走し、リンクしようとしていたハルトマンの精神と中途半端に混ざりあった結果、自我が芽生えてしまう。
「アー…………
……ワタ…シの 名ハ……
マザー…コンピューター… 「星の夢」…
イヤ… 「ハルトマン」なのカ…?
……モハや、ドウデモ ヨイコト…か……」
「アー……… …オ…ホン。」
「ワタシハ…コノ カラダを通ジ… 生命体…の 全テを シッタ…
カンパニーの ハンエイ とイウ… 「ネガイ」の タメにハ…
不完全で カヨワキ… 生命体ナド…不要と ハンダン…
ナラバ コレより… その歴史に…オワリを ツゲヨウ…
カンパニーの 永遠ナル ハンエイ ノ タメニ…」
「ホロビナサイ。」
ハルトマンを介して生命体の全てを学習した星の夢は、全ての生命体を不完全な存在と見做しカンパニーの繁栄の妨げになると判断。全生命体滅亡を実行するため宇宙へ飛び立っていく。
カービィ達はメタナイトの協力でロボボアーマーと合体した戦艦ハルバードで後を追い、最後の戦いへ挑むことになる。
後述にもあるように多数の変身形態を持ち、その所業もかなり悪質なため星のカービィシリーズの歴代ラスボスの中でも最強・最凶の呼び声が高い。。
戦闘スタイル
戦闘はシューティングで行われる。シューティングオンリーのラスボス戦は星のカービィ64以来16年ぶりである。
第一形態
ハルトマンの せいしんとゆうごうし、
宇宙最高のコンピューターが じが を持つ。
永遠なる はん栄という、かつての あるじの
ねがいのために、自ら下した、はんだん…
それは、すべての生命体を ほろぼすことだった!
羽の生えた巨大なネジのような形状のマザーコンピューターで、目のようなレンズなどを合わせ何処と無く0²を彷彿とさせる姿をしている。
ワームホールから光弾を放つ『メガビット・ショット』やロケットミサイルを発射する『ギガバイト・ロケット』、ハート型のレーザー装置を設置する『テラバイト・ハート』、熱を出すように赤く光りながらこちらに突進する『サーマル・モジュール』を行う。
後半戦になるとハート型のバリア『ハートフル・シェル』を展開して攻撃を無効化したり、紫色の波動砲『スタードリーマー』を発射する。
星の夢は全形態を通して『アウト・プット』によってハート型のワームホールを開き、いろんな物を呼び出す。
この形態で召喚するものはインベードアーマー、後半戦になるとグランドICキューブ、大量の隕石が追加される。
こちらの攻撃手段は連射型の2連主砲。
また、星の夢が放つギガバイト・ロケットやインベードアーマー、隕石などを撃ち落とすとそのエネルギーを吸収し強力な『プラネットバスター』を放つことができる。
また防御手段に、スターフォックスのアーウィンやウルフェンのローリングシールドのようにビームを反射できるセイルウィングが存在する。
第二形態
ハルトマンの せいしんは、いまや 消えつつある。
超巨大母艦「アクシスアークス」とマージし、
星の夢は、じが を待つ 新たな星 そのものとなる。
あるじを うしない、もくてきを みうしなった
悲しきキカイを… 止めるんだ、星のカービィ!
『マージ・マザー』により、カンパニーの母船「アクシスアークス」と合体し機械仕掛けの星となる。
第一形態の部分が丁度頭頂部に刺さる形となり、全体のシルエットがどことなく「懐中時計」のようにも見え、硬い殻に覆われた「卵」のようにも見える。
瞬間移動で移動し、ギガバイト・ロケットより固い『ペタバイト・ロケット』やリング状の光弾『メガバイト・ショット』を発射したり、『アウト・プット』で鉄巨兵ギガヴォルトを召喚する。
体力が少なくなると「アクシスアークス」の脚部分を再生させ、機械の脚で薙ぎ払う『ワークスアークス』を使う。
一定ダメージを与える毎に外殻が剥がれ落ち、その直後にアルファベットを飛ばす『ハルトマンワークスカンパニー』を行うが、飛んでくる文字の順番を逆にすると…?
第二形態の体力を0にする事で、前方の外殻が全て剥がれ落ち…
第三形態
(スペシャルページの内容は第二形態と同じ)
内部から大彗星ギャラクティック・ノヴァに酷似した姿が現れる。ハルトマンの「銀河の彼方の文明」という発言や「願いを叶えるために動く」という説明から推測するに星の夢はノヴァの模造品だと思われる。
戦闘BGMにもSDX/USDXのノヴァ内部と同じフレーズが使われている。
(ちなみにハルトマンワークスカンパニーの社歌の歌詞にもノヴァの存在や召喚方法と思われる一文が各所に見て取れる)
「星」→「銀河」、「夢」→「ねがい」⋯と置き換えられないこともない。
産声の様な咆哮を上げて空間を歪ませた後、『インストール・ホール』で吸い込もうとする。
その直後、数字のホログラムを飛ばす技『デッド・エンド・コード』により「5」からカウントダウンを開始。カウントごとに『アウト・プット』によって開かれたワームホールからウェザーコック(風見鶏)、ダンシングコンパス(コンパス)、ポケットウォッチ(懐中時計)、ライトバルブ(電球)、テレスコープ(天体望遠鏡)といったノヴァに装飾されていた物品『メモリーズ』を召喚する。メモリーズはそれぞれ異なる攻撃を仕掛けてくるが破壊すればプラネットバスターのエネルギーに変換できる。
カウントが終了するまでに倒しきることが出来なかった場合、「GO!!」の表示と共に回避困難の全体攻撃である『Fatal Error』を発生させカービィのライフを削りにかかる。
Fatal Errorを耐えきると、カウントが「5」に戻り、再びデッド・エンド・コードが開始される。
なお、カウントが少なくなればなるほど星の夢の防御力が低下しており、Fatal Error寸前のプラネットバスターの最大溜めでは体力を半分近く削れたりする。
最終決戦
ロボボアーマーの最終決戦艦ハルバードモードによってかなりの痛手を受けた星の夢だが、スタードリーマーを発射し最後の抵抗をかける。
スタードリーマーに被弾したハルバードは墜落しかけてしまうが、メタナイトは突差にロボボアーマーを搭乗したカービィごと分離させた。
メタナイトの 力をかりて
戦艦ハルバードから 飛び出した。
めざすは 星の夢の 中心部。
くるったマシンを 止めるべく、
カービィは 最後の戦いに のぞむ。
ロボボアーマーの腕が巨大なドリルドライバーへと変形したファイナルスクリューモードに搭乗し突撃を仕掛けるカービィ。
(最後の攻防はレバガチャ勝負で、スライドパッドか十字ボタンをひたすら回し続けると勝利)
対して星の夢はハートフル・シェルやレーザーで必死に抵抗を行うが…
ワタシが 作リ出シタ、戦トウ能力 シエンマシン
インベードアーマーの セイ能ヲ ハルかに コエる
エネルギーヲ カクニン。 コノ生命体ガ 持ツ、ムゲンの
パワーは キョウイニ アタイ。 …ワタシが コノ…キョウイ
ヲ…ハイジョ…デ…キル…カクリツ…は……?
星の夢とロボボアーマー。どちらも造物主を同じくするものだったが、奇しくもロボボアーマーに搭乗したカービィの前に敗れ去った。
断末魔と共に崩壊し、爆風の中に消えたその最期もまた、ノヴァを彷彿とさせるものであった。
その後、星の夢のオーバーテクノロジーによって作り出されたポップスタ-や住民を侵食していた機械は、星の夢の干渉から逃れた極一部を除いて、まるで悪い夢が終わったかのように全て消えてしまい、ポップスターは元の自然溢れる姿を取り戻したのだった。
戦闘BGM
第一形態
正式曲名:「VS.スタードリーム」
作曲者:安藤浩和
「銀河に名立たるハルトマン」を中心に勇敢にアレンジした疾走感に溢れる曲。
最初の静かなイントロ部分で星の夢が登場し、ムービーと関連付けた演出となっている(もしもスキップした場合は途中から流れ始める)。前半は電子音が主体だが、どんどん「生きた音色」であるオーケストラ風に移り変わっていく。
そしてサビでは『スーパーデラックス』の「戦艦ハルバード:艦内」のフレーズが使われている。メタナイトとの共闘を示す上ではこの上なく熱い。ループ直前にはおなじみグリーングリーンズのフレーズも。
本作が『スーパーデラックス』をとことん意識しているためか、曲名も過去作のように「VS.」が付けられている。
ところで、同曲は「銀河にねがいを」ではハーフムーンにて流用されている。そして、ハーフムーンの次の星といえば……?
安藤氏によると、「今回のラスボス戦にはハルバードが出る」等の情報を元に「戦艦ハルバード:艦内」のアレンジにするなど順調に作成できたらしい。
しかし完成直後に「どこかで聞いたことがあるような曲」という感覚に陥り、本曲のイントロが『トリプルデラックス』の「グルグルジャングル」にそっくりだということに気付いたという。本人曰くこれらの2曲は偶然似てしまっただけで無関係とのこと。
第二形態
正式曲名:「主のいないインテルメッツォ」
作曲者:石川淳
「インテルメッツォ」(intermezzo)とはドイツ語で「間奏曲」という意味。
文字通り第一形態と第三形態を繋ぐ役割を持つ、地味ながらも重要な一曲である。
フレーズの大本はギガントグラウンドのステージセレクトBGM。
第三形態
正式曲名:「回歴する追憶の数え唄」
作曲者:安藤浩和
本作のタイトル画面の曲「回る光はプラネット」のアレンジ。全体的に悲壮感が溢れる曲調となっている。
星の夢の精神そのものと化しているためか、ほぼほぼ電子音や不協和音主体となっており、「銀河に名立たるハルトマン」のフレーズは最後の方に少し入るだけ。
また先述の通り、ギャラクティック・ノヴァ戦の前半のフレーズが引用されているのが大きな特徴。
「数え唄」とはデット・エンド・コードを指す。
また「回歴する追憶」もハルトマンの過去を知れば、また違った見方ができるだろう。
なお公式HPでは、試作段階のBGM3種が視聴できる。
コンセプトは「銀河をめぐる人智を超えた存在」。後半部分のサビは「カウントダウンが進む決戦」という感じを盛り込むために追加された。これに「もっと熱く、忘却に向かって静まった後、最後はループしてよみがえる!」という難しいオーダーを元に改良されたのが完成版となる。
『スターアライズ』では星の○○○○において秘書スージーを選択すると、バルフレイナイト戦では「回歴する追憶の数え唄」と「VS.スタードリーム」のメドレー「幼き日に視たデウス・エクス・マキナ」が流れる。あえて電子音を使わずにオーケストラ風の音色となっているのが特徴。
『スーパーカービィハンターズ』では、超ランクわいわいクエストのプレズ・アナザースージー戦でアレンジされた。
最終戦
正式曲名:「この一撃に桃球レボリューション」
作曲者:安藤浩和
6-5のロボボアーマーパートでも流れていた曲。
6-1のBGM「ハルトマンワークスカンパニーHQ」や「真 かちぬきボスバトル」の通常ボス戦BGM「戦闘力測定プログラム」のアレンジではあるのだが、前奏が付け加えられているほかサビの「回歴する追憶の数え唄」パートが「VS.スタードリーム」に近い冒頭のフレーズに差し替えられている。
熱いロックな曲調も相まって、前作の「この星をかけた魂の戦い」同様負ける気がしない戦いを盛り上げてくれる一曲。
クリア後
「……R…E…A…… ……D…Y…………… ・>」
「……………………。」
「アナタが…新しい… ゴシュジン様…デスネ。」
カービィがお昼寝を続けたパラレル展開の『メタナイトでゴー!リターンズ』にて再登場。
このストーリーではハルトマンとの精神が融合していない為、星の夢が本来の喋り方で会話をしている。その特徴的な言葉遣いはやはりギャラクティック・ノヴァと同じものである。
ハルトマンを倒したメタナイトを新たな主と認め、彼の願いを勝手に判断し、
クローン剣士ダークマター、クローンセクトニアといったかつての強敵のクローンを作り出す。
更にハルトマンに禁じられていた「時空テンイプログラム」で辺り一帯の星が滅ぼされることを承知の上でギャラクティックナイト リターンズを呼び出すが、開いた異空間ロードより現れた彼に一刀に伏せられた。
呆気なく破壊され退場となり、メタナイトでゴー!リターンズクリア後のモードでもギャラクティックナイトが戦闘前にわざわざ星の夢を破壊する始末。
…しかし、その影響で禁断のプログラムが起動してしまい…
余談
- 第三形態移行時の咆哮「星の産声」は、本作のディレクター熊崎氏の飼い猫である「トム」の声を加工したものである。さらに風見鶏の鳴き声も星の夢のBGMを作曲した安藤氏の家で飼っていた名古屋コーチンである「ナゴ」のものを加工したものらしい。
- 今作でも各ステージの頭文字を取るとある言葉が浮かび上がる。
頭文字を順番に並べると「PROGRAM」になる。