「あー… オッホン。
ワシがこの、 ハルトマンワークスカンパニーの
社長にして トップであり 最高せきにん者でもある…
「プレジデント・ハルトマン」である。」
「あー… つぅ、まぁ、りぃ、だ。
この 星の夢がしめす、カンペキな 経営戦りゃくに したがい…
本日づけで、キミには…
消えて もらうのであーる!」
概要
CV:麦人
『星のカービィロボボプラネット』エリア6「アクシスアークス」のボス。
本名「ゲインズ・インカム・ハルトマン」。
悪の宇宙企業「ハルトマンワークスカンパニー」の社長にして最高責任者、そして愛を忘れた訓示でもある。『キカイ化しんりゃくプロジェクト』によって「ポップスター」を侵略し、あらゆるものをキカイ化させた張本人。
恰幅のいい体格で七三分けの紫髪、立派な髭が特徴で、口癖は「〜である」。
カンパニーの超巨大母艦「アクシスアークス」のオフィスに常にいて、ジェットエンジンで浮遊する椅子に座っている。戦闘時は、純金の専用インベードアーマー「プレジデンバー」に椅子ごと乗り込む。
戦闘
4段階に攻撃パターンが変化し、第2段階以外は円形のフィールドになる。
使用技は秘書スージーの技を全体的に強化したものが多いほか、技名にはビジネス用語がふんだんに織り込まれている。
第1段階
- ミス・オフィサー
スージーとよく似た小型メカを飛ばしてくる(通常版は4体、Re:は6体)。地面に当たって爆発すると電撃がしばらく残る。
吸い込むとスパーク(ゆっくり動くものはボム)をコピーできる。
- オフィス・エグゼクティブローテート
ミス・オフィサーと共に2手に分かれ、中央部分の柱に沿うような動きで突進する。Re:では移動スピードがアップ。
第2段階では単独で繰り出す「エグゼクティブローテート」も使用。
「エグゼクティブ」は「上級管理職」という意味。
第2段階
これのみ通常の2Dフィールドとなる。
- アサイン ザ OJT
SP型ロボ「イエスマン」を召喚、一定時間後に自爆する(この際、よく見るとハルトマンは自爆するように命令を出している。とんだブラック上司である)。
この間はハルトマンの被ダメージが減少するため、イエスマンを避けることを優先しよう。
第3段階に入ると2体(Re:は4体)召喚する。
「OJT」は「On the Job Training」(現任訓練)の略。上司が部下に職場で実務を指導することで行う実地教育を指す。
また「イエスマン」とは何を言われても他人の言いなりになる人、目上の人の命令に逆らうことなく何でも従う人という意味。そのためハルトマンに自爆を指示されても、躊躇せずに実行してしまうのである。
- エグゼクティブミサイル
プレジデンバーの下から宝石型のミサイルを5発発射、着弾地点から炎が上がる。発動回数ごとに挙動が変化する。
奇数回目は5発連続、偶数回目は左右に2発ずつ+中央に1発となる。Re:は2回連続で行う。
吸い込むとボムをコピーできる。
第3段階
- キックオフパーティ
形態移行時確定攻撃。第4段階でも使用する。
上空からミス・オフィサーを大量に降らせてくる。
「キックオフ」とは企画立案時の会合を指す。
- ハルトマニーキャッシュ
大量の紙幣を画面に張り付け、こちらの視界を妨害してくる。一定時間が経過するか、第4段階に移行すると剥がれ落ちる。
ちなみに額面と肖像画は通常版がハルトマンの10万ハルトマニー札、Re:がスージーの5万ハルトマニー札。
- アジャイル
プレジデンバーの腕を回転させながら、スピードを生かした体当たりを仕掛けてくる。半周ごとに別の場所へジャンプする。
直訳すると「機敏な」という意味だが、ソフトウェア工学においては迅速性に重きを置いた開発で変化に対応していくことも指す。
- ビジネストリップ
連続してジャンプする。Re:ではスピードアップしつつアジャイルも挟んでくる。
直訳すると「出張」を指す。
第4段階
形態移行時、フィールド中央に立方体のオブジェを出現させる「オープン ザ オフィス」を行う。
- リストラ・ショック
形態移行時確定攻撃。
イエスマンを2体召喚したあと、立方体の穴部分からイエスマンを巻き添えにする極太ビームを発射する大技。
3回目は回転して位置をずらし、カービィに当てようとする。Re:ではイエスマンの数が4体に増え、3回目は回転し続ける。
この技に限らずハルトマンは行動する度にボイスを発するが、特にこの技では狂ったような笑い声を上げるため必聴。
画面上空が安置なのだが、こちらはハルトマンに攻撃できないためタイムアタックでは痛手となってしまう。そのため第3段階時にハルトマンの体力を大きく削り、第4段階に移行した後は発動される前にすぐ倒してしまうタイム短縮テク(通称「リストラ阻止」「イエスマン生存ルート」)が使われている。ちなみに通常版・Re:のどちらも全コピー能力で阻止可能なので頑張ろう。
- オフィス・ストライク
立方体の穴部分を通過するように突進、着地時に衝撃波を出す。この衝撃波は穴に電撃が発生している時だと大きくなる。
Re:では穴をこちら側に向けてから突進する。
マザーコンピューター『星の夢』
カービィに「プレジデンバー」で戦いを挑むも、敗北。
それに逆上した彼はカンパニーの全システムを管理しているマザーコンピューター『星の夢』に乗り込み、カービィら“ヤバンなゲンジュウ民”を滅ぼそうとする。しかし乗り込んだ矢先、スージーにプログラムコントローラーを奪われてしまい、その結果『星の夢』と精神が融合・暴走してしまう。
ハルトマンの体を介して生命体の全てを学習した『星の夢』は、彼自身の願望である「カンパニーの永遠なる繁栄」の実現のためには、そんな不完全でか弱き生命体など不要と判断。“ゲンジュウ民”はおろか全ての生命体を滅ぼすために宇宙へと飛び立つため、それを阻止しようとするカービィと最終決戦を繰り広げることになる。
そして、一度敗れた『星の夢』が「アクシスアークス」とマージした頃には、もう彼の意識は消えつつあった。
また「真・かちぬきボスバトル」では、この『星の夢』はギャラクティックナイトによって斬りつけられ、その拍子に「最終プログラム」が起動し、『星の夢.SoulOS』となる。「心」を不要と判断し、コアからハルトマンのメモリーすなわち彼の最後の思い(後述)が完全に消去されていく。
この時「キカイが夢を叶えてくれる訳がなかった」と理解していることがスペシャルページに書かれている。
なお、星の夢建造時点ではまだスザンナは近くにいたため、ギャラクティック・ノヴァを模して作った事について「何か別に叶えたい夢があったのでは?」という考察もある。
哀しき過去・設定
フルネームは「ゲインズ インカム ハルトマン」。
かつて ひとり娘を じこで なくし、それいらい 人の心も
きおくさえも すて、カンパニーの成長の ためだけに
生きる男。だがそれも、娘に ふたたび会いたい
ただその ねがいを かなえるため であったのだが…。
(Re:版のスペシャルページより)
遥か彼方の惑星で、発明を生業とし、一代でカンパニーを築き上げた実力者。
若い頃は情熱的な野心家だったが、ある時マザーコンピューターの起動実験の事故で幼い一人娘を失ってしまう。その後、「娘に再び会いたい」という願望のためだけに仕事に尽くすようになるが、「星の夢」を制御するためにプログラムコントローラーを用いて脳と接続していた結果、その記憶が失われていき、彼の願望はいつしか「カンパニーの永遠なる繁栄」というものへと変貌。そして彼自身も人のことなど信用せず、カンパニー繁栄のためならどんなことも厭わない冷徹な人物となってしまった。
2016年8月9日のmiiverseで秘書スージーはまぎれもなく彼の実の娘であることが判明した。
すなわち、ハルトマンの願いは既に成就していたことになる。しかし、とうに娘の記憶を失い「カンパニーの永久なる繁栄」という夢に囚われている彼には、すぐ側にあった本当の願いに気づくことはなかった。
また上述の通りミス・オフィサーはスージーとそっくりな外観なのだが、よく見ると髪飾りを付けておらず、背中に小さく天使の翼が付いている。彼は「娘はもう死んだ」と思い込んでいたのだろうか……。
戦闘BGM
正式曲名:「Crazy Rolling in Money」
作曲者:石川淳
「銀河に名立たるハルトマン」をアレンジしたイントロから始まり、前半部分は重々しくも壮大だが、突然曲が止まると同時に時計の秒針の音が鳴ってそこから一気に様変わり。後半部分は変拍子と不協和音が多用された、荒々しく狂気じみたハイテンションな曲調になる。
前作の「Dirty&Beauty」同様、静かな前半部分と激しい後半部分が対比されている曲(ちなみに2曲とも石川氏が作曲しており、サウンドトラックではボイスが入っている)。
なおイントロ直後の電子音はモールス信号で、解読すると「HAL」になる(ご丁寧にもサウンドテストには86番に収録)ほか、後半部分にはわかりにくいがカービィダンスのフレーズが入っている。
曲名は「狂った金持ち」という意味。先述した裏設定を鑑みると、「カンパニーの繁栄のために全てを捧げ、狂気に堕ちたハルトマンの精神状態」をこれでもかと表現している。
熊崎信也ディレクター曰く「あの声ありきでハルトマンの戦闘曲は完成するほどにしたいと考えていた」とのこと。そのため次回作『スターアライズ』では、制作当時新人だった小笠原雄太氏は本曲を参考にボイスやSEのはめ込みに関する説明を受けたという。
小説版『星のカービィ ロボボプラネットの大冒険!』における顛末
2016年7月15日に角川つばさ文庫より出版された小説版カービィシリーズ(文章:高瀬美恵、絵:苅野タウ・ぽと)の一作。
角川つばさ文庫の小説版カービィはこれまでオリジナルストーリー(今まで発売された小説の中にはマホロア・タランザ・クレイシア達の後日談として『大迷宮のトモダチを救え!の巻』が存在する)を紡いできたが、ゲーム版の完全ノベライズは今回が初。
ケイン博士(小説版オリジナルキャラ。本作では濃い解説キャラをしてくれている)によると「娘を失う前は優しい人だった」と言う話が聞ける。
メタナイトボーグとクローンデデデを撃破したカービィの前にプレジテンバーを操縦して原作通り立ちはだかるが敗北。その後、星の夢に取り込まれてしまうが……。
小説版ネタバレ
カービィ、そしてメタナイトやバル艦長ら戦艦ハルバードの乗員達の奮戦によって精神崩壊する直前で星の夢を撃破した事でギリギリで死亡は免れた。
全ての記憶を失いかけた矢先、ワドルディが拾っていた懐中時計を返してもらって娘の記憶を取り戻す…かと思われたが、結局元の人格(宇宙侵略する大企業社長としての人格)に戻ってしまっていた。
しかし、スージーの裏切りを許容。ケイン博士やスージーと共にハルトマンワークスカンパニーの発展を目指して再び宇宙へ旅立って行った。
なお、本作ではカービィやメタナイト、ワドルディやケイン博士ら主要キャラはハルトマンとスージーが父娘である事に勘付いている。(発売時点ではMiiverseにおける熊崎Dの回答はまだだった)その上でまた同じ事を繰り返そうとしても「スージーなら今回の経験を生かして、今度は上手く父親を抑えてくれる」とカービィ一行は心の中で思った。
漫画版
今日もまんまる日記!に登場。こちらは大金持ちの企業社長というだけで悪人ではない。好きなのは金儲け。
スージーが、デデデ大王に近づいて自社製品の広告塔にしたのを皮切りに社長として接触。サーカスの見世物になってくれれば1億円払うというアルバイトを持ち掛けた(デデデもちょうど資金が尽きていたため飛びついた)。
以後も色々なイベントを用意しては、高額の賞金を提示し、デデデ達を引き込んでいる。ぶっちゃけたびたび城を破壊されて修繕費に苦しんでいるデデデ達にとってありがたい存在となっている。
も~れつプププアワー!には最終巻に登場。サプリなどを作って大儲けしようとしている。実はヅラ。前作のラスボスと並んでどうしてこうならなかったと言われている。
関連タグ
ロボボプラネット 秘書スージー 星の夢 金持ち 社長 ハルトマン 哀しき悪役
プレズ・アナザースージー:外伝作品に登場する、ある意味もう1人のプレジデント・ハルトマンと化した別世界のスージー。
マホロア / マホロア第一形態:シリーズ25周年を記念して開催された「カービィミュージアム」で公開された没案の中に、ハルトマンそっくりの「リッチな魔法使いの老人」というデザインがあった。
- ルザミーネ:同じ任天堂作品であるポケモンSMの登場人物。この人もハルトマンと同様に娘がいて、それなりの地位がある人物だったり…と共通点がある。こちらが失ったのは旦那さんであるが…。
- サモ:アニメ版に登場するそっくりさん。ただし未婚(一応、意中の人はいる)で単なるバーテンダー。
- 古明地こいし:別作品のキャラクターだが心を失ったボスという共通点があり、テーマ曲の題名が「ハルトマンの妖怪少女」(正確な元ネタはエドゥアルト・フォン・ハルトマン)。ただしあちらは洗脳ではなく、自ら心を閉ざしている。
- 犬養基継:別作品の中の人が同じキャラクターだが、自分が開発したマザーコンピューターの反乱で危うく命を落としかけ、スージーやカービィと同じ声の持ち主に救われている。
- シグマ:同じ声優のラスボス繋がり。こちらも元々は位の高いリーダー格だったが、過去が原因で、人格が変化したという点も良く似ている。