概要
『ポケットモンスター』シリーズに登場する、金髪で翠眼の麦わら帽子をかぶった恰幅のいい男性。
ポケットモンスターサン・ムーンに登場する施設「ポケリゾート」の管理人である、
「無人島をポケモンたちのリゾートアイランドにする」という目標を持ち、彼が作成した「いかだハウス」で暮らしている。いかだハウス内にはポケリゾートを管理するための全てが揃っているらしく、その他に一枚の写真が立てかけられていることが分かる。
ポケリゾートは、ポケモンボックスに預けられているポケモンたちが好きな時にやってきて自由に遊ぶことができる島であり、パーティから外されたポケモンたちが活躍できる場となっている。まさにボックスに預けたポケモンたちの楽園とも言える場所であろう。
リゾート内ではポケマメが採取できるのだが、彼も長い間リゾート管理人を続けているうちに(特にがらつきポケマメやにじいろポケマメに)やみつきになってしまったとのこと。
作中では主人公を腕の立つトレーナーと見込み、ポケリゾートの開発の手助けを依頼する。ポケマメはリゾートの利用効率化及び開発に大きく関わっていき、彼とポケマメを交換したり、消費したりすることでリゾートの発展に繋がる。
初対面以降はリゾート開発のアドバイスをくれる他、無人島の土地の性質や流木を活かした彼のアイディアからリゾートを開発していくことになる。
ポケリゾートはカキの試練をクリアしてリザードンライドをもらうと行けるようになるのだが、セリフ等でそのことには全く触れないためしばらく経ってから気付いたプレーヤーもいる。
そのためか、ポケモンUSUMではカキの試練をクリア後、ヴェラ火山公園前に行くと直接モーンと会うことになり、ポケリゾートを紹介してくれる。
素性
※以下、ネタバレ注意。
ウルトラホールやウルトラビーストに関する研究を行っていたが、ウルトラホールの研究中に消えた後、記憶を喪失してしまう。
「オレの 父なんだ
ウルトラホールと ウルトラビーストの 存在を 発見したのは……
だが 父は……
ウルトラホール 接続の 実験中に 消えた……」
ゲーム内でグラジオはこう語っている。
本編内では、ポケリゾート管理人モーンとは別にウルトラホールを発見した研究者「モーン博士」の名前が度々挙がる。
数年前にモーン博士は自らが発見したウルトラホールについての論文を発表し、「ウルトラホールの先には別空間が広がり、その質量の推移からポケモンらしき存在(ウルトラビースト)がいる」と推測した。
グラジオは「実験による博士の失踪後、母は夫への想いから残されたウツロイドの資料と弱ったコスモッグを頼りに、ウルトラホールやウルトラビーストに拘ったのだとしたら救われる」と語っている。
『ウルトラサン/ウルトラムーン』では、チャンピオン防衛戦でアローラに帰ってきたグラジオに勝利した後、エーテルパラダイスに行くとイベントが発生。
モーンが施設を見物しているところにルザミーネが現れ、ポケモン保護について語り合う。話が終わりその場を去ろうとしたモーンに対し、ルザミーネは「財団に来るのは初めてですか」と尋ね、モーンは「初めてだ」と答える。ルザミーネはそれ以上追及せずモーンを見送ったが、その様子を近くで見ていたグラジオは「いいのか?」と尋ねる。ルザミーネは「ええ、あの人の笑顔とても素敵だったもの」とモーンの背中を見つめていた。
上記のグラジオの台詞、そしてこのイベントから、彼こそがルザミーネの夫、リーリエとグラジオの父であることが分かる。
つまり、ポケリゾート管理人モーンとウルトラホール研究者モーンは同一人物であると言える。
元々ルザミーネ親子の持つ毛先が四角い金髪と翠眼の持ち主、特に前髪の形状がグラジオと酷似していることから彼が同一人物あるいは血縁関係者である可能性は高いと思われていた。
残念ながら、モーンはルザミーネのことは全く覚えていない。ウルトラホールを通過すると記憶を失う場合があるという事例もあったことから、同じようにモーンも家族との思い出を失っているようである。
アニメのモーン
CV:斉藤次郎
ウルトラホールの研究をしていた博士で『モーン博士』とも呼ばれる。パートナーのポケモンはゾロアーク。ゲーム版と違い、体型は行方不明になった当時とあまり変わっていない。
『サン&ムーン』編
『サン&ムーン』編116話の回想で初登場。
ウルトラホールをはじめとした空間研究家で、ビッケやザオボーも初期メンバーであった。研究家としてリーダーシップがある上優秀なトレーナーでもあり、アローラへの来訪早々ハラにも認められ、Zリングを(研究の意味も含めて)授けられている。
家庭的でもあるが夢見がちで、ルザミーネもそんな彼に惹かれたらしい。また回想でのハラとのバトルではポーズをしながらポケモンに指示を出しており、この癖はグラジオに受け継がれている。
だがリーリエが赤ん坊の頃、実験中に発生したホールに巻き込まれて行方不明となり、以降ルザミーネやグラジオからは亡くなったと思われていた。
しかし、「亡くなった大切な相手に会わせる」力があるというカプ・レヒレの霧にグラジオとリーリエが迷い込んだ際、2人が強く願ったにもかかわらず父と会えなかった事実から、生存の可能性が急浮上。
この話はグラジオからルザミーネに伝えられ、大規模な捜索が始められるに至った。
ハラとのバトルの回想で登場したゾロアークがパートナーポケモンだったが、モーンの事故後に姿を消す。
それを聞いたグラジオがゾロアークを探し回り、127話で発見。一家との想い出をしっかりと憶えていたゾロアークは、グラジオと行動を共にすることを選ぶ。
自室はリーリエが現在住んでいる屋敷の、本棚の本がスイッチとなった隠し扉の奥。
リーリエが誕生して間もなく、動かない状態のマギアナを骨董店で偶然発見し入手。何とか復活させ、その伝承に合いそうな娘へプレゼントしようと日夜研究していたが、彼の行方不明以後は自室の戸棚に放置されていた。
約10年後にようやくリーリエに見つけ出され、彼女の手に預けられた。
その後、マギアナが放つ光に導かれリーリエ達家族はアローラを離れ捜索の旅に出た。
『ポケットモンスター(アニポケ第7シリーズ)』編
モーンの家族はマギアナの光を頼りに彼の捜索を続けていたが、行き着いた先はガラル地方のカンムリ雪原であった。
リーリエ達は光に従い雪原に建つ民家にてモーンを発見するが、そこにいたモーンは記憶を失っており、彼は再会に喜ぶ家族やポケモンの反応に対して人違いをしているのだと解釈した。このときモーンは髭を生やしていたが、こちらについてもゲームとは異なりもみあげに繋がる長めのあごひげであった。
夫を探している事情を妻ルザミーネから聴いたモーンは、親切心からルザミーネらを家に招き軽食を出した。その後、別室からピアノの音が聞こえたことをきっかけに『リーリエ』という名の娘がいることを明かして紹介しようとするが、ピアノを弾いていたのは色違いのウツロイドであった。
実は彼は行方不明となるきっかけの事故でウルトラディープシーに流れ着き、その時に意識が混濁してしまったが、偶然居合わせた心優しいウツロイドに引きずられて別のウルトラホールを通り、元の世界へと戻っていた。その行き先がカンムリ雪原であり、ウツロイドはモーンを治癒すると同時に読み取った記憶を使い、幻覚を見せながら娘のリーリエとして10年近くもの間親子として生活を送っていた。
ウツロイドのリーリエはモーンとの生活が終わるのを恐れたためか、鏡や窓など彼の顔の映る物を遠ざけたり、行方不明時に着ていた服を隠したりしたが、彼への愛情のために壊すことなくしまわれていた。本物のリーリエ達が衣服と鏡を見つけ、それをグラジオの手により眺めたことで以前の記憶を取り戻し、長年離れ離れだった家族と再会を果たす事になった。
モーンらの一家団欒を見たウツロイドのリーリエはその場から去ろうとするが、人間のリーリエやモーンが家族として暮らすことを提案し、ルザミーネとグラジオも賛成し温かく迎えられた。
その後、カンムリ雪原からアローラ地方のメレメレ島へと帰還し、ハラやククイをはじめとするアローラ地方の住民に歓迎される。中でも関わりの深かった執事のジェイムズや研究員のビッケとザオボーには心配をかけたことを謝罪した。また、新しくエーテルパラダイスの研究員となったロトム・ポケデックスフォルムとも挨拶を交わした。
同時に帰郷したアローラリーグ初代チャンピオンのサトシ(アニポケ)の凱旋バトルロイヤルをルザミーネと一緒に鑑賞し、同大会に出場した息子グラジオの成長を実感した。またこの時サトシに会場中からチャンピオンコールが掛けられたが、アローラリーグを見ていなかったであろうモーンはその光景に唖然としていた。
余談
名前の由来は芥子のドイツ語名「Mohn」と思われる。
ゲームフリークのグラフィックデザイナーである井部真那は、自身がカードイラストを手掛けたSM10b版のルザミーネのカードをポケモンカードゲーム公式ホームページの記事で紹介した際、モーンがモーン博士と同一人物であるという公式見解を示した