概要
どこぞの忍者亀みたいな体型をした逞しいカエルの戦士を操作してステージを進めていく2Dベルトスクロールアクションゲーム。ダイナミックな攻撃アクションや、一風変わった仕掛けが当たり前のように登場し、ただのアクションゲームかと思って飛びつくと5分もすればその考えを否定したくなる気分でいっぱいになるだろう。
普通のベルトアクションステージが全体的にはかなり少なく、それぞれのステージは特徴だらけである。
このゲームほどハエをありがたく感じる作品はそうそうないかも。
主要メンバー
- ジッツ(zitz):メイン画像中央手前。チームのリーダーで策略家。ベルトを締めている。あまり自身があるとは言えず、自分がリーダーだと主張することがよくある。意味は「ブツブツ」。
- ラッシュ(rash):メイン画像右奥。チームの暴れん坊。グラサンをかけている。窮屈な事が嫌いで自分がヒーローであることを誇りに思っている。意味は「おでき」。
- ピンプル(pimple):メイン画像左奥。チーム一番の怪力。他の二人よりもやや大柄。暴走気味な他の二人と比べて温厚であり、無意味な暴力を嫌っているが、本気で怒ると手がつけられない。意味は「ニキビ」。
- アンジェリカ:宇宙一の美女。無印作品に登場。
- T-バード教授:チームのブレインたる博士。敵の本拠地や戦況分析を行っている。
- ダーククイーン:宿敵の魔法使いにして、銀河系最悪の犯罪組織所属。
バトルトードの中心メンバー3名は、作品にもよるが一部のメンバーが攫われ役になっていることが多い。ちなみに3名の中で攫われたことのないメンバーは1人もいない。
珍しすぎる仕掛け
- ロープを伝って洞窟を降りていたらカラスにロープを食いちぎられて転落死
- 第三ステージは生物を思わせるダークパレスじみた謎の洞窟でネタが多い。
- インベーダーに出てくるようなザコ敵キャラクターからライフゲージを直接盗まれる
- バイクに乗ったら突然制御不能なほどスピードアップして激突死
- このステージで挫折したプレイヤーがあまりにも多すぎて、コラボ企画などではここから先のステージに関するネタは皆無と言ってよい。
- 巨大なヘビに掴まって進む洞窟だが障害物に触れると即死
- ボス戦の内容がボスの視点で行われる(しかもファミコン、メガドライブなのに擬似3D)
- スタート直後に回転鋸を持った男に追い回され、逃げ切れないと真っ二つ。今晩はカエルの刺身ですよ!
- 2人プレイなら大丈夫だろうと思っていたら互いの攻撃がヒットして同士討ち
体力ゲージ制なのだが、その割には即死トラップがかなり多く、とりわけ特殊なステージではかなりの割合で敵やトラップの大半が即死ダメージを与えてくる。
そのため、残機を増やすためなら「倒した敵の死体をさらに攻撃してスコアを稼ぐ死体蹴り」などが常套手段になるなど、プレイヤー側も利用できるものを利用していかないと最後まで到達するのは極めて困難である。
また、本シリーズでは基本的に2人プレイをすると難易度が一気に上がる。その主な理由として挙げられるのは、同士討ち関連もそうなのだが、それ以上に、「即死トラップを避けて進むステージにおいて、片方が死亡すると2人とも最初からやり直しになる点」であろう。つまり、上手な人に引っ張ってもらって先へ進む方法が通用しないのだ。難易度はソロプレイより確実に跳ね上がる。
ステージ(初代・FC版/MD版)
- Ragnarok's Canyon
最初のステージ。これと言った仕掛けはないが、武器を拾ったりコンボを決めたりと基本をみっちり学べる。ボスはボスウォーカー。戦いの際にはボス視点になっている。
- Wookie Hole
第二ステージ。ロープにぶら下がりながら巨大な縦穴を降りていく。カラスの敵にロープを切られるとミスになる。死体蹴りによる1UPをどれだけできるかが勝負。
- Turbo Tunnel
第三ステージ。生物の体内じみた不気味な地下洞窟。ターボバイクに乗って進んでいくが、初見殺しのギミックが多い上ステージ自体も長い。ここでゲームオーバーになった人も多く、バトルトードを象徴するステージと言っても過言ではない。後半にて敵が落としてくるブロックは影の位置がヒントとなっている。
- Artic Caverns
第四ステージ。極寒の洞窟。つららや赤いトゲ玉に触れると即死するうえ、足元も悪く滑りやすい。黄色や紫のトゲ(有野課長曰く「ポテト」)や氷が滑って行く手を阻む。
- Surf City
第五ステージ。川の流れる地底。サーフボードに乗りながら丸太や渦、機雷などを避ける。ボスはビッグ・ブラッグだが、ステージの途中で出現する。遠くにいるとボディプレスをしかけてきて、うかつに近づくと尻尾で攻撃されるのでスキをついたり、背後に回って反撃する必要がある。踏み潰されると即死になる。反撃を食らうとスタンした時に踏み潰されることもあるので危険。
- Karnath's Lair
第六ステージ。カルナスという大蛇の住み処。カルナスはマリオシリーズのスネークブロックのような動きをするが終盤になるにつれて動きが速くなる曲者。そこに即死のトゲ玉が再登場するのでたまったものではない。
- Volkmire's Inferno
第七ステージ。マグマが流れる洞窟。ターボジェットに乗って電撃トラップや迎撃ミサイルをかわしながら進んでいく。
- Intruder Excluder
第八ステージ。ダーククイーンの前線基地らしき施設のエレベーターシャフト。毒ガスや電撃などのギミックをかわしながら最上階を目指していく。塔全般に共通して、下から上にスクロールはするが、逆はできないため、足を踏み外すと下の足場に着地できず落下死してしまう。ボスはロボ・マヌス。腕に装備された機関銃で発砲してくる他ジャンプで踏みつけようともしてくる。
- Terra Tubes
第九ステージ。戦艦ガルガンチュアのダクト。排水口から艦内に侵入する。ステージが非常に長く、追いかけてくる歯車など侵入者撃退トラップが目白押し。ゲーム中唯一水中があるほか、プロペラに掴まって下降・上昇するギミックも。終盤のアヒルには厳重注意!
- Rat Race
第十ステージ。戦艦ガルガンチュア内部。 スカッズというネズミの敵とレースする。スカッズに先越されて爆弾を起動させられるとミス。ボスはジェネラルスローター。左右に歩き回るだけだが、正面や頭上から接触すると角で突き上げられるので背後から攻撃する必要がある。突き上げられるとHPが0になるまでお手玉にされることも……。
また、スカッズはゲームセンターCXではダーククイーンを除けば敵の中では唯一名前が出ているが、『ギブレット』と間違われている(実際はモヒカンがないのが、スカッズでモヒカンがあるのがギブレット。)。これは恐らくゲームボーイ版の説明書にてギブレットの項目に間違えてスカッズのイラストを入れたからだと思われる。
- Clinger Winger
第十一ステージ。戦艦ガルガンチュア内部。バイクに乗ってバズボールという敵から逃げる。進行方向と同じ方向のキーを押すとスピードアップ。ボスはそのバズボール。
- The Revolution
最終ステージ。ダーククイーンの塔。『星のカービィ夢の泉の物語』のバタービルディングよろしく横スクロール時に塔が回転する。ボスはラスボスであるダーククイーン。竜巻状態になっている時は無敵なので元に戻るまで逃げるしかない。
余談
- アニメ化されたこともある(日本未放送)。バトルトードは元からカエル戦士ではなく、普段は冴えない人間の学生が変身能力を得た設定になっている。制作会社はアニメ版スーパーマリオでおなじみのDiC Entertainment。
- 日本のゲーム「ダブルドラゴン」(テクノスジャパン)とのコラボを行っていた。このコラボではベルトスクロールステージが大半を占めている。
- 任天堂のセカンドパーティ時代、バトルトードのバの字もなかった(せいぜいスーパードンキーコング公式ガイドブックに本作のことがちょろっと書かれていた程度)。
- ただ、そちらのシリーズにもバトルトード作品のギミックを流用したものが登場しており、明らかに影響はある。狭い通路を敵に追われる「クロクトパスの海」、ゆっくり降下しながら敵を避ける「パラシュート・パニック!」、障害物にぶつかれば一発アウトの強制スクロール「ダクトコースター」などコンセプトが同一のステージもあれば、一定時間以内に到達すれば利用可能なワープ、コース内でレースに勝てば進めるが負ければ一発アウトの仕掛けなど。
- 主役が敵によく攫われたりする点や、ボスに出会った時に目を飛び出して驚くシーンなどは、まさにバトルトードそのものと言える。
- また、64版のパフトス撃破時の演出アーケード版におけるビッグ・ブラッグ撃破時の物と似ている。
- バンジョーとカズーイの大冒険ガレージ大作戦でのゲーム工場のシーンではバトルトードのロゴの張り紙がされた箱がある。
- アーケード版はConker's_Bad_Fur_Day程ではないが暴力的なシーンが多い。そのためか、日本では稼働されず、国内でプレイするには後述のレアリプレイに収録を待つ事になる。(AC版のパブリッシャーはあのエレクトロニック・アーツでおそらく同社唯一のAC作品。)
- また、格闘ゲームではXBOXOne版キラーインスティンクトにラッシュが登場している。
- XBOXOne版のショベルナイトではバトルトードモチーフの隠しステージが登場、バトルトード流のトレーニングとして、恒例のぶら下がりステージや高速バイクステージでバトルトードのメンバーと対決する。
- 日本では当時アメコミ調のキャラデザが敬遠されて知名度が低かったが、ゲームセンターCXで有野晋哉がオススメした事がきっかけで、インターネットの普及もあって再評価を受けている。
- 1994年のアーケード版を最後にカメオ出演を除いて長らく音沙汰無しだったが、2015年、『レアリプレイ』にFC版とアーケード版が収録され日の目を浴びる事となった。
- 2020年に新作が発売。キャラデザが海外アニメ調になっており、『トピアン』というダーククイーンと共通の敵が現れたため、バトルトードとダーククイーンが手を組んでいる。
- レア社の公式ツイッターによると、この新作発売から24時間の間に高速バイクステージで引っかかった人は430万件にも及んだという。
- もともとはチームのリーダーがジッツという設定だったが、2010年代になるとはサングラスがトレードマークのラッシュにスポットが当たっている。ただ、メガドライブ版とゲームギア版のパッケージイラストは、ラッシュが大きく描かれている。他ダブルドラゴンとのコラボではロゴに描かれている。この頃からその形跡があったのだろうか?
- 外部出演の際は、基本的に高速バイクのステージまでのネタが使われることがほとんど。以降のステージのギミックはまず登場しない。いかに多くのプレイヤーがバイクステージで挫折したかがよくわかる。
- 初代のバイクステージやトンネル内で脳みそ型の岩から逃げるステージ(特にアーケード版の没ステージ)の様相が地下洞窟にもかかわらず何故か生物の体内と似ている。恐らくあることがきっかけで時折後輩と引き合いに出されるようになったRPGの7作目のラストダンジョンの類なのだろう。
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