概
元々は1987年にディスクシステムより発売された『夢工場ドキドキパニック』というゲームを、アメリカなどの日本国外の市場に輸出する際、プレイヤーとなるキャラクターをマリオ達に変えた上で『SUPER MARIO BROS. 2』として発売した物である。
1992年に、この日本国外で発売された『SUPER MARIO BROS. 2』を日本に逆輸入したゲームが本作『スーパーマリオUSA』である。
日本での販売に際しては、タイトルの通り「アメリカで発売されたゲーム」ということでユーザーの興味を引くだけでなく、ディスク用の『夢工場ドキドキパニック』をROMカセットで再発売するという意味合いも強かった。これにより、日本国内で『スーパーマリオブラザーズ2』と呼んでいるものは、日本国外では『Super Mario Bros The Lost Levels』としている(スーパーマリオブラザーズ1の失われた舞台、という設定)。
そのため、他のマリオゲームとはプレイ感覚が異なった物となっている。『踏んでも敵が倒せない』のは当時は大きな衝撃だった。
前述の通り国外で『2』のタイトルで発売された本作は『3』に先駆けて「物を持つ」アクションを行っているとも言える。
また、特定の通路を開くための『カギ』を取ると追いかけてくる、空飛ぶ仮面の敵キャラが一種のトラウマとして知られている。
翌1993年には『スーパーマリオコレクション』にリメイク収録…と、いうかファミコンのスーパーマリオシリーズでは上位機種移植が最速である。
余談だが、海外では『3』より早く発売されたためか、ゲーム選択画面は、1、2、USA、3と、一見するとよくわからない並び方になっている。
1998年にはサテラビュー用として「BSスーパーマリオUSA パワーチャレンジ」が配信され、
ゲーム内容に影響を与える豪華声優陣によるラジオドラマと全国のプレイヤーと競い合うスコアアタックが話題を呼んだ。
さらに2001年にはゲームボーイアドバンスにも移植リメイクされており、マリオブラザーズを同時収録した「スーパーマリオアドバンス」というタイトルで発売された。
「夢工場ドキドキパニック」からの変更点
- ステージをクリアするとキャラクターを変更できる。
- 『ドキドキパニック』に存在しなかった新ボスが追加されている。
- Bダッシュが可能。
- キャラクター問わず1周クリアするだけでエンディング。ただし、セーブ機能は無くなりコンティニュー回数は2回のみ。
- 残りライフが1になるとチビキャラになる。残りライフが2以上に回復すると元の姿に戻る。
- 残りライフ2→1のときのノックバックがなくなり、本家マリオ同様、その場で一瞬停止する。
- キャラセレクト画面と地上面のBGMがロングバージョンになった。
- 仮面ブロックのグラフィックが変更。
など。
スーパーファミコン版(スーパーマリオコレクションに収録)の変更点
- ステージクリア後のスロットマシンのアルゴリズムが変更。また、チェリー・7・7で揃えると1度だけコイン3枚がもらえる。
- セーブ機能がついたため、コンティニュー回数の制限も撤廃された。
- ミスをしたときにもキャラクターを変更できる。
など。
ゲームボーイアドバンス版(スーパーマリオアドバンス)の変更点
- ゲーム内のグラフィックは基本的にSFC版のものを流用し、一部のグラフィックが一新されている。
- プレイヤーが操作できるキャラ(マリオ、ルイージ、キノピオ、ピーチ姫)とボス敵にボイスが追加された。
- 新アイテム「Aコイン」と「ハート大根」が登場。Aコインは1つのステージ内に全部で5枚あり、全て集めると1UPする。ハート大根はライフを1つ回復する。
- スコアの概念が追加され、連続して敵を倒すと1UPできるように。
- やりこみ要素の「ヨッシーチャレンジ」の追加
- 巨大化した敵キャラやギミックが追加された。
- セーブ機能がさらに改良され、SFC版ではワールド単位でのセーブだったが、本作ではステージ単位でのセーブが可能となった。
……等々。
ストーリー
ある日マリオは、不思議な夢をみる。見たこともない景色が広がる中、か細い声がこう訴えかける。
「ここは夢の国・サブコン。この国がマムーに乗っ取られてしまった、助けて欲しい。マムーは野菜が苦手なのです」
次の日、ピクニックに出かけたマリオが仲間達に夢の話をしたところ、全員が同じ夢を見ていたという。目的地に着いた彼らは不思議な洞窟を発見する。その中には、夢で見たのと同じ世界が広がっていた。サブコンだ。
マムーはサブコンの中心部にある「ドリームマシン」を奪って、「奇妙な悪夢の怪物」を次々と生み出していた···
マリオたちの、「夢の世界」での冒険が始まる。
キャラクター
(声優はBS版)
プレイヤーキャラ
全ての能力がほとんど2番目に高く安定したプレイができる。
マリオに比べ、ジャンプ力が高くショートカットが得意がパワーとスピードが低めでジャンプ力が高い故に独特の浮遊感があり、癖が強い。
足が速くパワーもトップクラスだが反面ジャンプ力が一番低い為、コースクリアは苦手だがボス戦で強さを発揮できる。
ドレス着ている為、足が遅くパワーもないが空中浮遊ができ、足場が不安定な場所でも安定した動きができる。
初めてキノピオとピーチ姫がプレイヤーキャラクターになった作品である。特に海外ではいきなり2作目で。
また、アクションゲームとして、初めてマリオとルイージのグラフィックが、色だけでなく形状も明確に差別化されており、ルイージはマリオよりも身長が高くなっている。
敵キャラクター
中・大ボス
キャサリン(Birdo, バードー)(CV:呑奈純、梨花、あけみ)
ドン・チュルゲ(Mouser, マウサー) (CV:古川登志夫)
ガプチョ(Triclyde, トライクライド)
ヒーボーボー(Fryguy, フライガイ)
チョッキー(Clawgrip, クローグリップ)
マムー (Wart, ワート)
メカキャサリン (Robirdo, ロバードー):GBA版追加ボス
ザコ
ヘイホー((Shy guy,シャイガイ)
ムーチョ(Snifit,スニフィット)
リートン(Tweeter, トゥイータ)
ハックン(Ninji,ニンジ)
ドドリゲス(Pidget, ピジット)
サンボ(Pokey,ポーキー)
ハリマンネン(Porcupo, ポーキュッポ)
ナカボン(Flurry, フラーリ/フルーリィ)
トンダリヤ(Beezo, ビーゾー)
カメーン(Phanto, ファント)
ガラゲーロ(Cobrat, コブラ)
スパック(Spark, スパーク)
トトス(Trouter, トラウター)
トンドル(Albatoss, アルバトス/アバトス)
ボブ(Bob-omb, ボムオム)
ターペン(Hoopster, フープスター)
ターボン(Autobomb, オートボム)
ダウチョ(Ostro, オストロ)
ポンキー(Panser, パンサー)
その他
司令官 (CV:龍田直樹)
王様 (CV:大塚周夫)
サブコン(Subcon) 夢の国と同名の住人たち。
余談
このゲームほどマリオと銘打たれていてもマリオが活躍出来ないゲームは無いであろう。
と言うのも、ルイージ・キノピオ・ピーチ姫にはそれぞれに特色のある性能が設定してあるのに対し、マリオは平均的過ぎるのである。
ルイージはブレーキは効きにくいが持ち前のジャンプ力の高さ、キノピオはジャンプ力は低いがモノ投げの能力の高さと足の早さ、ピーチ姫は全能力は低いが滞空能力を所有…対してマリオは何も特殊能力を有していない。ある意味、キャラ性能の使い分けを特徴するゲームの宿命ともいえるのだが……。
オリジナル版の『夢工場』では全キャラクターでラスボスを倒さないとエンディングに到達できないという仕様だったため必然的に使わざるを得なかったものの、本作では1度クリアした時点でエンディングに到達できるうえにキャラの選び直しが可能であるため、影の薄さに拍車がかかってしまった。
なお、ワールド7のみステージ2までとなっているが、これは夢工場の『絵本の最後のページを破いてしまったため、ステージ3が無い』という設定の名残である。
・本作はアメリカで発売されるにあたって各キャラクターに英語で名前が与えられ、ED画面でそれらの名前を見ることができるが、キャサリン (Birdo) とダウチョ (Ostro) の英語名が本来のものから入れ替わっている。これは当時のガイドブックや説明書などでも同様。
・ステージクリア時にスロットで遊ぶために必要なメダルは、クスリで入る裏世界で草を引き抜く事で手に入るが、これがハズレ野菜になるのは裏世界に3回以上入った時ではなく、裏世界で草を引き抜くのが3回目以降の時。そのため、キノコと草の地点が離れてる場合はキノコだけ取るようにすればよい、
・4-2で登場するクジラの吹き上げる潮は横から触れるとダメージを受けるが、上に乗ると足場にすることができる。これらは、ストップウォッチで動きを止めることができたり、スターによる無敵状態では上に乗ることもできなくなったりと、どうやら扱いとしてはギミックではなく敵のようである。
・サンボとハックンは日本国内では本作に先駆けて『スーパーマリオワールド』で登場。また、ポンキーも見た目は違うが似たような攻撃方法をとる敵が登場する。
・ガラゲーロ、ターペン、トンドルはリメイク版『スーパーマリオブラザーズ3』にて、魔法で変えられた王様の姿として登場している。
漫画版
『スーパーマリオくん』では「スーパーマリオUSA編」としてコミカライズされた。
「スーパーマリオワールド編」から強制的に本編が開始した為、ピーチ姫の代わりにヨッシーが同行している等の相違点が見られる。
関連イラスト
関連タグ
ゼルダの伝説夢をみる島 : 夢というキーワードが共通すると共にマムーが出演。
※以下、エンディングのネタバレ
結末
エピローグでマムーを懲らしめたマリオ一行は、夢の国サブコンを救ったヒーローとしてサブコンの住人達からの歓声が飛び交う中で夢の国での冒険の旅は幕を下ろした…
…ところがエンディングでは突然、ナイトキャップをして寝ているマリオの光景になる。寝ているマリオから出ているフキダシはその夢の国の住人から歓声を受けている光景。
これは最初からマリオが見ていたただの夢にすぎなかったのだろうか?本当のところは誰にもわからないのである。
因みに、マリオが本格的に夢の世界を冒険するゲームは後に3DSで本当に発売された。