概要
スーパーマリオブラザーズシリーズの第3弾。1988年10月23日にファミリーコンピュータで発売。
前作から大幅にボリュームアップしており、後のマリオシリーズにも大きく影響している。
後に、スーパーマリオコレクションやスーパーマリオアドバンス4としてリメイクされている。
新要素
- しっぽマリオを始め、マリオ(ルイージ)のパワーアップのバリエーションが大幅に増えた。
- 一度スクロールから過ぎた場所も戻ることができるようになった。その代わり、強制的に進まされる「強制スクロール」というコースも追加されている。
- コースのバリエーションも大幅に増え、単純に左から右へ進んでいく以外のコースも多くなった
- コース選択制になり、全コースクリアしなくてもワールドのボスに挑戦することができる
- コースによっては複数のクリア条件が設定されるようになった
- 一部の敵は踏んだ後に一旦持ち上げて、好きなタイミングで蹴っ飛ばすことができるようになった
- パワーアップアイテムをアイテムとして持ち越せるようになった
- コース以外のミニゲームが追加された
- ワールド7まではクリアするとピーチ姫が手紙と共に一個だけアイテムを仕送りしてくる上に何かヒントを教えてくれる
- 2人プレイだとマップ上でマリオとルイージで「マリオブラザーズ」ができるが、原作はあくまでも協力プレイだが、マリオ3のそれはゴールパネルの奪い合いや残機の潰し合いも可能
- ある条件を満たすとマップに現れる「宝船」「神経衰弱」「隠しキノピオの家」の隠し要素
- 残機は99人でカンストするようになった
- 「連続スター」というシステムが登場。これは通常だとコイン1枚だけが入っているハテナブロックなのだが、スターでの無敵状態中に叩くとコインではなくスターが出現するというもの
各ワールド
本作からワールドごとにテーマが設定されるようになり、これによって前作までにおける殆どワンパターン的だったコース要素が、バリエーション豊富に楽しめる物となった。
ワールド | 国名 | 英語名 | ボス | 王様の姿(FC版)/(SFC版) | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 草原の国 | GRASS LAND | ラリー | 犬/ガラゲーロ | マップは固定 |
2 | 砂漠の国 | DESERT HILL | モートン | 蓑虫/ターペン | 動く太陽が出てくる・マップに隠しエリアがある |
3 | 海の国 | OCEAN SIDE(FC版)/SEA SIDE(SFC版) | ウェンディ | 河童/ライタ | 日本列島に似た島がある |
4 | 巨大の国 | BIG ISLAND | イギー | 怪獣/ドンキーコングJr. | 敵もブロックもデカい |
5 | 空の国 | THE SKY | ロイ | コンドル/トンドル | 地上と空中の2面構成 |
6 | 氷の国 | ICED LAND | レミー | アシカ/チョロプー | 通常コースは最も多い10個 |
7 | 土管の国 | PIPE MAZE | ルドウィッグ | ファイアパックン/ヨッシー | ブロスの代わりにパックンがマップに現れる |
8 | 暗黒の国 | CASTLE OF KOOPA | クッパ | なし | 戦車や戦艦、高速飛行船が登場する・通常コースはたった二つ |
9 | ワープゾーン | WARP ZONE | なし | なし | BGMはW5の空中と同じ |
リメイク版との違い
スーパーマリオコレクションやスーパーマリオアドバンス4ではオリジナル版から変更・追加された部分がある。
- 進行をセーブすることが可能になった。その為マップ上でストックするアイテムを保持しやすくなっている。ただし、セーブファイルで進行したワールドから自由に選択して開始できるので笛の使い道がオリジナル版に比べて価値が下がった。勿論、笛を大量に持つ事ができるようになっている。
- ワールド3で舟に乗っている状態で笛を使ってワープゾーンに行ってもきちんと行き先の土管がある列に移動する。
- ルイージのグラフィックが単なるマリオの色違いではなく面長の顔に変更された。また、アドバンス版では、アクション要素でもマリオよりジャンプが高くなった。
- 各ワールドの国のほとんどの王様が魔法で変えられた姿が動物からマリオシリーズのキャラに変更。例えばワールド1の王様は犬からスーパーマリオUSAのガラゲーロに変更(例外としてワールド7の王様はファイアパックンからヨッシーに変更されている)。
- 一部コースが修正された。これは不具合防止だとされている。
- マップ上の土管内ではタイムがカウントされず常に000表記でミスにならないようになっている。
- スコアウインドウにあるコイン枚数の単位が、$マークではなくコインのマークに変わっている。
- スーパーマリオコレクションだと1人プレイもしくは2人プレイのどちらかで始めてセーブするとそれで固定されてしまい、タイトル画面でプレイ人数の変更ができなくなる(2人プレイの場合は2コン側にコントローラを接続しなかった場合は1コン側でルイージの番でもプレイ可能)。
- スーパーマリオアドバンス版は全てのコースを1つ残らずクリアするとエンディングテーマが新規のものになる。しかしその場合、それまで流れていた本来のエンディングテーマは二度と聞けなくなる。
- スーパーマリオアドバンス版ではカードe+の専用カードのデータを読み込むと追加コースや追加アイテムが登場する。なお、WiiUバーチャルコンソール配信版、Nintendo Switch Online版は専用カードのデータが全て収録されている。
- スーパーマリオコレクションではタイトル画面で2人プレイ専用のBATTLE MODEが追加。原作のマリオブラザーズは基本協力プレイであり、本作本編のマリオブラザーズは協力と対戦のどちらも可能だが、こちらは対戦に特化したルールになっている。
- スーパーマリオ以上のパワーアップ状態になっている場合、海外版およびそれ以降のリメイク版ではダメージを受けてもスーパーマリオにパワーダウンが緩和された。くつと各種スーツを併用している場合はくつ→スーツ→スーパーの順にパワーアップが解除され、ちびマリオになるまで3回分の猶予がある。(国内のオリジナル版では一回当たっただけでちびマリオに戻された)
- スーパーマリオアドバンス4のみ、コース中にスーパーキノコ以外のアイテムを取得した場合、スーパーマリオ以上に直接パワーアップするようになった。
- スーパーマリオアドバンス4のみ、ゲームオーバーになっても直前までのクリア状況を保持した状態に戻るだけになった。一方でキノピオの家などは復活する。
スーパーマリオメーカー
コースエディットでマリオ3(FC版)の仕様のコースが作れる(通常・水中・砦・飛行船の四種類)。ただし、オリジナル版のように完全にというわけではないが。
また、ゴールはオリジナル版同様だが仕様はやや異なり、同じマークを3つ揃える仕様ではなくなっている上に1UPが追加。
ダッシュを続けると溜まるパワーメーターは左上に表示される。
余談
- 1986年2月にディスクシステムが発売されて以降、任天堂のソフト供給はディスクカードのみとなり、ROMカセットの発売は行われなかったが、本作は約2年半ぶりにROMカセットでのリリースとなった。
- ワールド3の城は日本列島そっくりの島にあり、位置的には京都のあたりにある。ちなみにその王様は何故かマリオと瓜二つである。
- ファミコン版は内部に没となったミニゲームやコースが存在する。
- スターを取った際はソニックのようなスピンジャンプができるが、実はこちらがソニックより先。
- 使うと竜巻に巻き込まれてワープゾーンに行けるアイテムである「笛」は実は初代ゼルダの伝説にあった、ダンジョン間をランダムで移動できる笛が元ネタ。音色も竜巻に巻き込まれるのも全く同じ。
- 二人プレイでの先述のマリオブラザーズモードは、一定のラウンドになると変化が起きる。「土管から吹き出すコイン(ファイアも紛れている)を早く集める」・「ステージ内にある?ブロックを蹴っ飛ばして隠されたコインを早く見つける」があり、後者はあまり見た事が無い人もいるかもしれない。
- 本作以降、シリーズナンバリングは行われず、サブタイトルを変える形になっている。これはゼルダシリーズもそうであるが、仮に数字を付けられた場合は古参の流れの中に新規のファンが途中から合流する形になる、そのような心理的な「にわか」感覚を避ける為だと思われる。
- 結構忘れられがちだが、今作ではピーチ姫は最初からクッパにさらわれていない。さらわれたのが発覚したのはワールド7クリアの時点とさらわれるタイミングが非常に遅い。おそらく初めての事である。逆に言うと、さらわれてから救出されるまでが一番最短だったりする。
舞台演劇説
本作は西洋の舞台演劇を意識した演出が多く(リメイク版では開幕のブザーが鳴る)、本作自体が演劇ではないかという説がある。
- タイトル画面が幕が上がるところから始まり、ピーチ姫救出後に文字通りいったん幕を下した後、カーテンコールのように各ワールドをダイジェストで紹介する。
- ゴール付近がギザギザの影で覆われており、幕間の様に暗くなりFC版では背景がモノトーンで描かれている。
- 全体的に背景が書き割りっぽく、空中の足場が上のほうから吊るされていたりネジで留められていたり、影が空中にできているところがあったり、FC版では空に絵が描いてあったりする。
- OPでマリオが背景の裏側に姿を消して退場する。またゲーム本編でも背景の裏側に入る隠し技が用意されている。
- 日本版ではピーチ姫を救出した時のセリフは至って普通に救出のお礼の言葉だが、実は海外版は『1』や『2』の8ワールド(『2』はA~C含む)までのキノピオのセリフのパロディをかましてくる程の余裕。
資料動画
コマーシャル(FC版)
コマーシャル(スーパーマリオアドバンス4)
BGM動画