概要
『ペーパーマリオオリガミキング』のラスボス。
謎めいたオリガミの男性。頭に王冠を被り、左目が隠れる程の長い前髪が特徴。
作中世界を「オリガミ王国」に変えることを目論む。
また、ペーパーマリオシリーズで初の『既存のキャラの要素を含まないラスボス』でもある。
自分の体を別のオリガミの姿に変身したり、紙世界の住民であるペラペラをオリガミに作り替えてしまう「オリガミパワー」の使い手である。オリガミ化の様子は、影での描写だが、対象を宙に浮かせて折りたたむという超能力めいたものであり、巨大な影に噛ませて完成させる。
当初は黄色いオリガミヘイホーに変装し、クッパの目の前でクッパ軍団を次々とオリガミ兵に変えていった(しかも、オリガミ兵にされた者はオリー王に操られるばかりか、ある理由から二度と戻ることができない)。
タイトルにある「オリガミキング」とは彼の事を指すと思われる。
何故かキノピオを名指しして憎んでおり、ピーチ姫やクッパ軍団をオリガミにしたのも、オリガミ王国を作るのもすべて、キノピオをこの世から消し去る事が目的である。
そのため、部下のオリガミ兵やブンボー軍団はキノピオ達をこれでもかと酷い目に遭わせている。
憎しみが有り余っているのかキノピオどころかペラペラな住民そのものを恨んでいる節があり、自分からマリオを勧誘しておきながら、「はい」を選択しても「油断したスキに倒そうと思っているな?」と全く信用しなかった。仲間になることを受け入れたら即ゲームオーバーとなる歴代のラスボスとはえらい違いである。
ただし、ピーチ姫のおたからフィギュアの説明文によれば、ピーチ姫をオリガミにしたのはマリオを誘い込むためである。その前のピーチ姫の質問にどう答えても「カミのように薄っぺらい答え」と言われるので、(任天堂の事だから)プレイヤーが適当や悪ふざけで答えてるのが見透かされたのだろう。前述のオリガミピーチ姫の台詞も、マリオ達と決別したという意味の他、真面目に答えないプレイヤーに対する辛辣なツッコミにも聞こえなくはない。(また、上記の仲間になることを受け入れたら即ゲームオーバーとなるラスボスの内の後者は、マリオ達を仲間にする時には敢えて“相手を洗脳させる芽”を植え付けてから仲間にしていた事から、恐らくは彼もオリー王と同じく疑り深い性格故に(2人を仲間にしてから裏切られる事態も想定して)服従させてから利用する手筈だったと考えられる)。
5色のカミテープでピーチ城をムシブロ火山の上へ移動させた後は、オリガミ兵を使ってクッパ軍団を始めとしたモンスター達を捕らえて兵力を増やし、キノピオを捕まえて折り畳んで折り紙にしてきた(折り紙にされたキノピオは、オリガミ兵とは違って、引っこ抜くなり、ハンマーで叩くなりすれば元に戻る。なお、ピクニックロードで確認できるが、キノピオ達を折り紙にするのはオリガミ兵でも可能)。
また、自身の魔力で動くハリボテ兵を使って作中の世界のあちこちの建物や地形を食い荒らして、各地にスカスカ穴を生み出していたりと破壊と暴虐の限りを尽くしている。
(対象に自我があってもお構い無しのようで、デクの森のデク爺もその被害にあう)
各地にあるカミの手の魔法陣は、オリビアによるとオリーによって世界が変えられた事と関係があるらしい。
オリビアとは兄妹だが、自分の野望を阻止しようとしているため敵対している。また、たとえ部下であっても、役立たずと見なしたら躊躇いなく処分してしまう冷酷な一面を持つ。
バトル
バトルでは既にマスターしていた4柱のカミさまに変身して勝負を挑み、変身したカミ様の能力を使って攻撃してくる。
カミさまをオリガミにした張本人だけあってその力を完全に使いこなすが、そのあまりの再現度の高さが仇となって弱点まで再現してしまい、そこを突かれて破られる。
しかし、ルート設定に時間をかけすぎると体力を回復されてしまうため、(アイスメイズで移動ルートが限定される氷ガミ以外は)凝ったルートを作らず、一直線など単純なルートを作った方がいい。
その後オリビアに説得されるがオリーは突っぱね、観客席を崩し、ステージをひっくり返して土俵にし、巨大なトントン相撲人形に変身する。負けじとオリビアもクッパを巨大トントン相撲人形に変身させるが力が足らず、マリオがカミの手でそれをアシストする形になる。
しかし、オリーも黙って見ているわけではなく、オリガミの手裏剣で妨害、さらにオリーが劣勢になるとオリガミ兵のドッスンをマリオの頭上に呼び出す。土俵からオリーを落とす前にドッスンが落ちるとゲームオーバーとなり、さらに落ちてくるドッスンから逃げると振り出しに戻るので注意(ハサミとは異なり、1UPキノコを持っていようがドッスンがマリオに落ちた時点で問答無用で即死である)。
激しい押し合いの末に土俵から落とされるも、溢れんばかりの恨みと怒りから更に巨大化し、クッパを弾き飛ばして本当の最終決戦が始まる。
巨大な両手で叩きつけたり、手をハンマーやハサミに変えて攻撃してくる。
オリビアが新たな最大級の魔法陣を生成するが、初っぱなからオリーの攻撃でバラバラにされるため、彼の攻撃を避けつつ、オリーの怒りの影響で発生した毒素が蔓延する前に魔法陣を修復する事になる(その為、この魔法陣の修復は制限時間付きで有り、時間切れになると毒素が蔓延して1UPキノコの有無に関係なくゲームオーバーとなる)。
スーパーマリオくん
57巻~58巻に登場。原作と似た口調だが中身は別物で、勝つためには卑怯なことをしたり、怒ると口調が乱暴になるなどキャラ付けがされている。また自分から軽くボケたりとどこか憎めない悪役となっている。
関連タグ
カゲの女王…しもべになるようマリオを誘い、「しもべになる」を選ぶとマリオは彼女のしもべとなってそのままゲームオーバーとなる(好奇心に負けてオリーの誘いも同様に受け入れたプレイヤーは肩透かしを食らっただろう。その代わりに今作は即死イベントがかなりあるのだが)
ディメーン…こちらも、彼の勧誘に乗るとゲームオーバーになる。彼の他にも、冒頭で勇者になるのを断ったり、宇宙空間で窒息しそうになってもヘルメットを被るのを拒否し続けたりなどをすると同様にゲームオーバーになる
以下、オリガミキングのネタバレに付き、閲覧注意。
元々は、大海原のとある小島に住んでいるオリガミ職人のキノピオの「いのち折り」によって生まれた、生きたオリガミである。
オリガミ職人はオリガミ祭りのために、祭りの目玉となるオリガミ城とそこに住まうオリーとオリビアの兄妹を作ろうとした。
しかし、何故か生まれたばかりのオリーは激怒して暴れ出し、オリガミ職人を話も聴かずに壁の中に閉じ込め(しかもテープで拘束するという徹底ぶり)、職人がオリガミ作りに使った道具をブンボー軍団として連れて飛び出してしまった。
生まれた直後でここまでの力を振るえる辺り、彼の生まれ持った「才能」の高さが窺える。
オリビアも、自分の野望を手伝わせる為にいのち折りを習得していたオリーによって作られたが、手伝うどころか止めようとしたため彼女もピーチ城の地下室の壁の中に閉じ込め、あっさり見限っていた。
少しだけ兄妹の情が残っていたらしく、再度自分の軍門に降るように説得したものの、聞き入れないと見るや、大岩で潰して本気で排除を試みている。
職人の部屋でオリビアを作って出ていった後から本編開始までの行動は不明だが、少なくともボム平の回想を見るに、ハリボテボスゲッソーを生み出してプリンセスピーチ号を襲わせた後、ボム平がキノピオタウンのキノピオ達に助けられて旅立った後にキノピオタウンを襲ったと示唆される。
また、オリビアがブンボー軍団の事やカミテープの場所を知らないのを見ると、各地への襲撃はオリビアを閉じ込めた後に行ったのだろう。
上記にもあるが、キノピオに対する憎悪は深く、オリー本人もキノコ王国全体を巻き込んでまで成就しようとしている計画がある様子。
しかし、(デクの森の喋る木々を伐採したキノピオ達はともかく)罪のないキノピオ達に対する非道な行いに、オリビアは何故兄がそこまでキノピオを憎んでいるのか疑問を抱く事になる。
ピーチ城をピーチ姫ごとオリガミ城に作り替え、オリガミ兵やオリガミ城の仕掛け、そして最後のブンボー軍団である番犬・ホッチキスを使ってまで時間を稼いだのは、1000羽折る事でどんな願い事も叶うとされる禁断のオリガミ「千羽ヅル」を作るためである。
オリーはこれで、全世界のキノピオを1人残らず白紙にするのが本当の狙いであった。
白紙にされてしまうと二度と元に戻る事ができないので、これには流石のクッパも驚きを隠せず、「泣く子も黙るワガハイも引くほど」と言い出してしまう程(カラースプラッシュで同じことをしていたが、その時は黒いインクに意識を乗っ取られていたためである)。
そこまでキノピオを憎んでいる理由はただ1つ。
オリーの体を作った紙には、オリガミ職人による「字」が書き込んであった事に気づき、「メモ用紙にされた」とオリガミとしてのプライドを傷つけられたから。
そのあまりの極端さには、オリビアも「そんな理由!?」と愕然した。
彼の部下であるブンボー軍団が性格に難がある問題児ばかりなのも頷ける。プロローグや最終決戦でのオリーが変身するシーンをよく見ると、文字が書かれている部分を見せないように体を折っている。(マリオくんでは「折る為の紙に落書きしやがった」と折り紙としての価値観が強調されている)
しかし、すでに999羽まで折り鶴が折られており、計画を尽く邪魔してきたマリオを倒し、1000羽目として折るべく、最後の戦いを挑んできた。
狂気じみた執念で何度も立ち上がり、恨みに任せて自分の身を顧みずに力を使い続けるが、力を合わせたマリオとオリビア(とクッパ)の前に追い詰められ、最終的に重篤なダメージを負って倒れ伏す。
そして漸く自らの敗北を認め、今まで恥として自分すら見なかった腹部のメモを見せるが、そこに書かれていたのは、
カッコよくて 心のやさしい すてきな王様になりますように
というオリガミ職人の優しい願いだった。
自分のやって来た事が勘違いからの逆恨みに過ぎなかった事を知ったオリーは、生み出された願いとは真逆の暴君・怪物になり果ててしまった己を自嘲し、巻き込んでしまったマリオ達に謝る。
真相を知る前は呼び捨てだったオリガミ職人も「職人さん」と改め、自分を使って最後の折り鶴を折って千羽ヅルの願いを正しい事に使ってくれるようオリビアに後を託し、ただのヨレ紙に戻ってその短い生涯を終えた。
ルイージが連れて来たオリガミ職人からツルの折り方を教わったオリビアによって、彼女自身を含めたオリーに作られたオリガミは全て元に戻り、キノコ王国に平和が訪れた。
これを機に、オリガミ職人はここまでの大事を引き起こしてしまった「いのち折り」を封印する事を決意したのであった……。
なお、博物館100%コンプリートすると、オリガミ職人がある粋な計らいをしてくれる。
もう一つの関連タグ
マムー:スーパーマリオくんでは「各ステージのボスの力を具現化した形態になる」「第二形態との戦いではクッパが駆け付け、マリオに変わって戦う」「マムーは地の底に沈められて敗北したかに思われたが、巨大化して這い上がり最後の戦いを演じる」という展開がある。本山一城版では、サブコンの住民たちをヘイホーに変えて使役しており、ピーチ姫も拉致してヘイホーにしようとした(人々を別の存在に変えて支配する)。最終目的は、野菜をこの世から刺し去ること(嫌いなものを消滅させようとする)などなど表現こそ異なるがオリー王に通じる部分がある。
ゲドンコ姫:本来のマリオシリーズにおけるオリー王に匹敵する程に邪悪で外道なラスボス。ペーパーマリオシリーズはマリオシリーズで描かれた本の為、オリー王のモデルがゲドンコ姫である可能性もあり得ない事ではない。
マジョリン(ペーパーマリオRPG):ペーパーマリオシリーズにおけるオリー王に匹敵する程に邪悪で外道な黒幕。仲間キャラの親族、それ故か作中での所業に比例してお咎めが重篤ではない、最終的に改心したなど共通点も多い。