概要
『ペーパーマリオオリガミキング』に登場する、各ステージの大ボス達。
同作の黒幕たる「オリー王」の手下であり、ピーチ城を捕らえて覆い隠している巨大な紙テープの発生源装置の番人を務めている。
…ここまで書くと、RPG等でよくありがちな存在とも思えるだろう。
だがその正体は、なんとその名の通り意思を持つ巨大な文房具そのもの。文房具をモチーフとしたキャラクターではない、本当に文房具自体が喋って動き回っているのだ。
共通して、体のどこかにオリー王のマークが刻まれている。
前々作や前作ではマリオの心強いアイテムだった「モノ」が敵として立ちはだかって来る事となり、極めて風変わりな激闘が展開される。
カミさま戦と同じく、ステージをパズルのように組み合わせてルートを作って攻撃するといったバトル形式になっており、攻撃方法や攻撃する方向、ボスとの距離を考えなければならない。
相手やバトルの流れ次第で、通じる攻撃や通じない攻撃も変わってくる他、後半からは宝箱に各種コマンドパネルを隠されるため、解放して補充する必要を生じさせる。
苦戦するようであれば、攻撃の手を緩めてでもヒントパネル(?マークがある手紙)に頼るのもいいだろう。オリビアやボス、観客のキノピオの台詞をよく読むのも大切である。
また、カミの手でトドメを刺せば、それぞれ固有のアクションが見られる上に、ボーナスで入手できるコインも多くなる。
イロエンピツ
赤の紙テープの番人である「ミサイルアーティスト」。ブンボー軍団の最初の刺客。
一人称は「ミー」で、口癖は「~ざんス」。気取り屋な性格で、「ジャン=ピエール・イロエンピツ12世」のフルネームを自称する。
見た目は赤いアルミケースに収納された12色鉛筆で、モチーフにちなんでかセリフがとてもカラフル。オリー王の印は蓋に刻まれている。
厳密にはケースの方が本体で、口から火薬がたっぷり詰まった爆発物の色鉛筆を次々と生成し、ミサイルランチャーの様に撃ち出してくる(ミサイルは瞬時にリロードされる)。
なお、よく見るとケースの中に塗装が剥げて色写りしている部分が確認でき、その再現度に舌を巻くプレイヤーもいるとかいないとか。
また、アーティストは名ばかりではなく、ミハラシタワー内部にはオリー王やキノコ、バナナ、ドット絵のやられたマリオなど高クオリティな落書きがたくさん描かれている。
わゴム
青の紙テープの番人である「ゴムゴムエンターテイナー」。ブンボー軍団の大スター。
一人称は「ワタクシ」で口癖は「~ヨン」。劇団の役者のような素振りを取り、自分が主役じゃ無いと気が済まない目立ちたがり屋。
登場シーンも宝塚を彷彿させる様な豪華なもの。敗北した時も悲劇風に負けた事を嘆く。
江戸時代をモチーフにしたテーマパーク「OEDOランド」を占拠しており、キノピオを輪ゴムで椅子に縛り付け、スタッフには緊箍児の如く頭に輪ゴムを締め付けて無理矢理従わせ、自分が考えたスペシャルステージを無理矢理見物させていた。また、マリオを演劇に出演させて、ハリボテ兵を使ってどさくさに抹殺しようと企んだ。
本体は一つのゴムバンドだが、その他何百本ものオレンジ、黒、青の三色の輪ゴムがからみあう事で巨人のようなボディを構成している。オリー王の印は、本体のゴムバンドに刻まれている。
ブンボー軍団で唯一、全体的な体の色が、担当するカミテープの色と異なる(青い部分もあるにはあるが、本体を含めてオレンジ色の印象が強い)。
ゴムだけによく伸びるためか、ゴム鉄砲やゴムパッチンといったリーチの長い攻撃が多い。
ボディの一部から取った輪ゴムを飛ばして、マリオが触れると矢印の方向に弾き飛ばすトラップにする他、攻撃してもステージに散らばった輪ゴムが集まる事で何度でも再生する難敵。
アイテムによる攻撃も同様で、しかもゴムの癖にファイアフラワーやファイアハンマーが全然効かない。
パンチ
黄色の紙テープの番人である「ノリノリあなあけフリーク」。ブンボー軍団の暴れん坊。通称「穴あけパンチ」と呼ばれている道具。
一人称は「おれッチ」で、口の悪いチャラチャラした口調が特徴。音楽が好きだがこだわりにうるさく、気に入らないと直ぐに癇癪を起こして「穴あけちゃうぞ」と脅し、気に入っても周囲の被害が及ぶのをお構い無しに踊り、気に入った音楽でもギャラリーがいないと踊る気にならないという、我がままではた迷惑な性格。
だが、根っからのダンサー気質であり、見た目に反してかなり軽快な動きで踊る。負けた時ですらしんみりした空気を嫌い、最後まで盛り上げようとする。
オリー王の印は、柔らかい蓋と硬い黄色いボディ部分に刻まれている。
古代遺跡「キノピチュいせき」を占領しており、キノピオの顔に穴を開けてゾンビみたいな状態にしたり、オールナイトでダンスしたいが為に砂漠の太陽に穴を開けて、永遠に日が昇らないようにする悪行を行った。
セロハンテープ
紫の紙テープの番人である「いきがり はりつけや」。ブンボー軍団の切り込み隊長。
一人称は「オレっち」で、テープだけにベタベタと馴れ馴れしく、ヤンキーや暴走族の様な強気な口調が特徴。「夜露死苦」、「仏恥義理」といったヤンキー用語も使ってくる。
大海原にそびえる「ウナバラタワー」を占領しており、キノピオ達をタワーの外壁に張り付けて拘束していた。
しかし挑発とはいえオリビアにオリー王の元へ戻るよう進めたり、他のメンバーとは異なり趣味に走らず忠実に紫テープを守っていたため、口調とは裏腹にブンボー軍団の中では一番真面目で良識があるとも言われている。
紫色の台(何気に底の方に滑り止めが張られている)に乗ったセロハンテープのような見た目をしているが、本体はテープそのもので、台をまるでバイクのウィリー走行の如く浮かせられたり、大ジャンプする事ができる。
オリー王の印の場所は台の側面と本体の芯。
ハサミ
緑の紙テープの番人である「チョキチョキマニア」。ブンボー軍団1の技の使い手。
一人称は「ぼく」で、子供っぽく、遊びたがりで残忍な口調が特徴のサイコパスじみた性格。なんでも切り刻める鋭い切れ味を持つ事から強さに自信があり、自らハンデをつけるなどマリオを完全に舐めている。
見た目は緑色の持ち手のハサミであり、オリー王の印は持ち手に刻まれている。
てんくうスパーランドに落っこちた「クッパ城」を占領して、門番のオリガミK.K.の雷雲を飛び越えようとしたクッパJr.をバラバラに切り刻んで撃退した。
ハサミだけに切り絵も得意で、オリガミ兵やハリボテ兵だけでなく、きりえへいやきりえへいノッポ、黒い手といった『切り絵の兵隊』も従える。
クッパ城と囚われたクッパを奪還に来たカメックやクッパJr.、クッパ軍団達を自身が作り出した黒い手で捕まえてバラバラに切り刻み、ヒャクメンハリボテメットに改造した。しかも、当人達の意識が残っているというえげつなさ振り。
バトルでは少しでも当たり判定をミスると999のカンストダメージで即死の恐怖と隣り合わせだが、その一方でハサミらしく「シャキーン!」という効果音が鳴る戦闘開始エフェクトやキレのあるBGMは人気。
ホッチキス
オリーを守護する「王のばんけん」。オリガミ城の最深部へと向かうマリオ達の迎撃と自身の野望を成就させる為の時間稼ぎとしてオリーが呼び出した。
上記の5体と違って喋る事はなく、鳴き声を放つ様は、まさに獰猛な番犬といったところ。常にピョンピョンと飛び回る黒色のボディは、ワンワンを意識した造形なのが分かる。
オリー王の印は、間接部にまるで目のように刻まれている。
クッパが折り畳まれた姿になったまま戻らないのも、オリーに折られたクッパ軍団をオリガミ兵にしたのもこいつである。
実は序盤のピーチ城の地下で影だけ登場しており、クッパへの見せしめと言わんばかりにオリーと共に彼の部下をオリガミ兵化させていた。
オリビアもバトル内で、オリガミ兵が元に戻れないのはこいつに噛まれてしまったからではないかと推測している。
余談
- セロハンテープ、ハサミ、ホッチキスは前々作ペーパーマリオスーパーシールにて、モノシールとしてマリオの力になった事がある。色や形状などは全く異なるものも多いが。
- ハサミは前々作「スーパーシール」で「モノシール(次作のカラースプラッシュでは「モノカード」)」のチュートリアルとしてクッパJrを切り刻むことになるため、セルフパロディとなっている。また色も同じである(他の文房具も出ているが、色や形が違う)。
- 各ステージでブンボー軍団を撃破後キノピオタウンの港にいるプーに話しかけるとブンボー軍団のおたからフィギュアを購入する事が可能になる。
検索における注意
単にキャラ名だけで検索すると実際の文房具のイラストもヒットするため、本タグあるいは「(キャラ名) マリオ」等と検索することをおすすめする。
また、擬人化二次創作が非常に多く投稿されているため、苦手な方はマイナス検索等を推奨。投稿側も「擬人化」タグをしっかりと付ける等の配慮が求められる。
関連イラスト
関連タグ
ペーパーマリオオリガミキング 文房具 オリー王 スーパーマリオヴィランズ
ブ軍…表記ゆれ
カジオー軍団…スーパーマリオRPGに登場する、敵組織の幹部。こちらは武器がモチーフのキャラクター。
クッパ軍団、ブルーダルズ、グレープ劇団、ゲドンコ星人、SSカンパニー、メガバッテン軍団、ザ・伯爵ズ など…その他のマリオシリーズの悪の組織・グループ
扇風機…前々作や前作でモノとしてマリオを助けた道具。方針転換されてからのペーパーマリオで皆勤である。本作では、意外な所で登場する。地味にスマブラにも背景ギミックとして出ている。
ラジカセ…前々作でモノとしてマリオを助けた道具。こちらもとある場所で登場する。
ブンボーグ - 文房具モチーフつながり。
以下、ブンボー軍団とオリー王に関するネタバレを含みます
物語の中盤ステージ、大海原のキノコ島にオリガミ職人キノピオの家がある。
そこでオリガミに命を宿す「いのち折り」という技法でオリガミ職人がオリー王を折り、オリー王がオリビアを折ったことが判明する。
オリガミ職人を救出すると、
「私がオリーを折ると、命が宿ると同時にいきなり怒り出して私をカベに閉じ込めたんです。」
「そのあとオリビアを完成させ、オリガミに使う道具たちと一緒にここを出ていったんでしょう。」という台詞を聞くことができる。
また、オリガミ職人の家の本棚を調べると「便利な道具(1)」「便利な道具(2)」という本を読むことができる。
その本にイロエンピツ、わゴム、パンチ、ホッチキスについてブンボー軍団が行った悪行を彷彿とさせる使い方が記されており、ブンボー軍団が元は職人の使っていた道具であることが示唆されている。
※セロハンテープとハサミについては本に記載されていない。ステージの進行上この二体は未登場(ホッチキスは影のみ登場している)であるため、ネタバレ防止ともとれるが理由は不明である。
最初から意思があったのか、はたまた後から意思を植え付けられたのかは現段階では不明だが(職人が「道具たちを持ってここを出ていった」ではなく「道具たちと一緒にここを出ていった」と言ってる事から前者の可能性が高い)、イロエンピツとの会話の時、職人の部屋でオリーによって誕生したオリビアがブンボー軍団の事を知らない(及び、対面するまで誰の仕業かわからなかった)のを見ると、オリビアがピーチ城の壁の中へ閉じ込められるまでに彼らと対面していなかったようである(職人の部屋で生まれたオリビアが、部屋にあるはずの職人の道具を見なかった事に不自然さを感じるが、職人の家があるキノコ島はおろか、大海原を見た事がないと言っているため、真相は不明)。
ブンボー軍団もオリビアの名前を一度も口にしておらず(※一応イロエンピツはスーパーマリオくんでオリビアを「オリビアちゃん」と呼んでいたりはするが)、初対面であるかの様に会話している(セロハンテープは「オリガミのカワイコちゃん」と呼んでおり、彼はオリビアがオリー王の身内だとは知っている模様)。特にイロエンピツはイベントで明確にオリビアを狙撃しようとしたり、パンチも自分の踊りと所業を批判されたため「穴あけちゃうぞ」と脅している。
なお、キノピオ達やペラペラ達に酷い目にあわせている彼らだが、オリーがキノピオを憎んでいる理由を知っているかどうかは不明。むしろ、オリビアと違って、何も疑問を抱いていない様子である。オリーの歪んだ性格がここまで個性的なキャラ達を作り出したと言われれば納得だろうが。
エンディングにおいて、オリガミ職人の机にブンボー軍団に酷似した道具が置かれている。