概要
ベースになったのは企画段階で没になった『るんるんアスレチック』というコナミのハイパーオリンピックに触発されて企画されたゲームであり(3ボタンでプレイする仕様も含めて既に完成されていた)、それを1982年からアメリカで放送されたハンナ・バーベラ・プロダクション制作のテレビアニメ『Pac-Man』(日本未放送)の人気を受け、自機をパックマンに変えて同アニメのキャラを用い再企画されたもの。また、BGMも同アニメのBGMを使用している。
おそらく横スクロールでジャンプアクション主体のアスレチックゲームの元祖(アーケード版稼動開始は84年8月)。多彩なフィーチャーや4面1セットの構成等、スーパーマリオブラザーズにも大きな影響を与えている。
しかし、スーパーマリオに数ヶ月遅れで移植・発売されたファミコン版はアーケード版に比べ、キャラが小さく橋や館や暗闇の面が無くデモ画面でもストーリーがよく判らないなど大幅に簡略化されていたためアーケード版のプレイヤーからは酷評されることも多く、またアーケード版を知らない層には元の3ボタンの操作系を最大限再現するための「十字ボタンでジャンプ・ABボタンで左右移動」という操作が馴染みにくく、結局本来の魅力を十分に伝えられないままスーパーマリオや他のフォロワーの中に埋もれてしまう結果になってしまった。
ただし、逆に種類と効果が追加された花集めの面白さを評価する声も少数ながらある。
2020年8月20日配信の『NAMCOT COLLECTION』の第二弾配信タイトルに本作が含まれている。⇒公式サイト内タイトル一覧
余談
- 3ボタンで左右移動もレバーでなくボタンという珍しい操作系。ハイパーオリンピックのように連打すると加速する。
- X68000版では専用コントローラーが同梱されていた。
- ファミコン版ではⅡコンなら一般ゲームに近い操作系でプレイ出来た。
- プレイステーション版(ナムコミュージアムVol.4に収録)では、オプション設定で左右で移動、×ボタンでジャンプ、□ボタンでダッシュという、スーパーマリオのような操作でプレイすることもできる。
- ファミコン版には車は登場しないがキャラクターROM内には入っていてカセットが斜め刺し状態になったときに見られることがあった(画面全体的にぐちゃぐちゃなのでまともにプレイは出来ない)。
- 7650点というボーナス点が入る箇所がいくつかある。765(=ナムコ)の数字遊びが出てきた初のゲーム?
- パックマンでは、モンスターはレッドが親分格で、オレンジが下っぱだっだのだが、パックランドでは、オレンジが親分で、レッドが下っぱになっている。いったい何が起こったのだか…
- 1970年代末から80年代にかけて、少年期の田尻智がゲームセンターに入り浸っていた頃のアーケードゲームに関する自伝的エッセイ集のタイトル『パックランドでつかまえて』(2002年、エンターブレイン〔ファミ通Books〕)にもなっている。
- アーケードアーカイブス版では宗教的理由による配慮か、教会の屋根の十字架が割愛されている。また、ミズパックマンとパックベビーのグラフィックが若干変更されている。理由は詳らかにないが、アメリカのゲーム機器会社「AtGames」(以前にバンダイナムコから権利関係で訴えられたことあり)がミズパックマンの元々の権利者である「ゼネラルコンピュータ社」側からの全権利を買収したと発表しており、版権の問題からグラフィックを差し替えたものと思われる。