概要
特撮TV番組『キカイダー01』及び漫画『人造人間キカイダー』に登場した悪の秘密結社。
TV版ではハカイダー部隊編終盤から姿を見せ始め、ハカイダー部隊壊滅後の11話から本格的に活動を開始する。
漫画版ではハカイダー四人衆が姿を現したのと同時期に活動を開始、ガッタイダーがキカイダー兄弟に敗れたころから活動を本格的に開始する。
いずれにしてもプロフェッサー・ギルが遺した超兵器アーマゲドン・ゴッド(TV、及び原作初期ではジャイアントデビル)の設計図を狙って活動するが、TV版では愉快犯とも取れる意図がよくわからない作戦を展開していた。
最初はダークロボットのような等身大のロボットをメインにした作戦を展開していたが、後半は大掛かりなメカを使った作戦が多くなる(大人の事情かも知れないが)。
月面基地も所有しており、ザダムはここで制作された。
漫画『人造人間キカイダー』では度重なる失敗に苛立ち、基地ごと空中を移動、キカイダー一味とギルハカイダーを殲滅するため原子爆弾まで投下したが、アーマゲドン1機により基地ごと塵にされてしまった。ちなみに原爆はアーマゲドンによりアッサリ停止させられたため爆発しなかった。
アニメ『キカイダー01 THE ANIMATION』では、原作同様、最終兵器の秘密を持ったギルの遺児・アキラを狙って活動を開始する。量産型兵士としてはTV同様シャドウマンの他、石ノ森章太郎作品にお馴染みのカニ、クラゲ、エイ型ロボットが登場。
初期はシャドウナイトが組織のボス的な描写だったが、中盤からはギルハカイダーがトップになっている。
しかもシャドウナイトが「我々ダークに栄光を」とか言っているので、ギルが組織を乗っ取ったのか、人間としてのギル亡き後にダークが改称したのか、その辺は謎。
MEIMU『キカイダー02』では、世界の暗黒面を牛耳る、「人類創生期からあるとも言われ、組織の長さえも全体的な大きさがわからない」組織らしい。
光明寺博士の長男にしてみつ子の兄光明寺一郎が所属していた環境保護団体の皮を被ったエコテロ組織を操っていたり、欠陥商品のリコールをやったり、更には小国の指導者を唆して戦争を起こしたりしていたと言われている。
メンバー
ビッグシャドウ
演:八名信夫、声:緑川稔(第19話まで)
正体不明の首領。初期は虚像を通して指令を伝えていたが、ギルハカイダーの叛逆によりその実態を明かす。
美しい自然が大嫌いで、「文明の発展に自然破壊は当然の付き物」という考えの持ち主。
原作ではシルエットだけで正体不明のまま、ギルハカイダーが完成させた最終兵器「アーマゲドン・ゴッド」に一方的に駆逐された。
特撮版でも何ら活躍することなく、アジトの爆発に巻き込まれる最期を迎える。
ザダム
ビッグシャドウが「愛しきわが子」と呼ぶ、月面基地出身の最高幹部。
2体の悪魔が横並びにくっついた外見をしており、トライデントを交差して発生させる強力な念力が武器。
シャドウナイト
ハカイダー部隊編終盤から登場した大幹部。
西洋の甲冑のような外観に一つ目。剣や光線など様々な武器を使う。アニメ版では特撮版よりも強敵として描写されている。
ギルハカイダー
ハカイダー部隊壊滅後シャドウに救出され組織の一員となった。本心から組織に忠誠を誓ってはいなかったが、01に敗れ首だけになったところをビッグシャドウの手により再生されて以降は忠誠を誓う。
一回、人魚姫ロボットに恋をした回(美醜の価値観は常人とは真逆)では、それまでの苦戦が嘘のように01とカッコよく戦っていた。
また、ザダムが01と人質をロケットに捕えて月面基地へ飛ばした際には流石に今までの失敗が身に染みたのか『バカめ、ゼロワンはただの人造人間ではない!どんな知恵を使って脱出するかわからんぞ!』珍しくまともな警告をしている。結果、天文学者親子は無事ロケットで地球に帰還、月世界基地もゼロワンに破壊され、地球から飛んで来たダブルマシーン(念入りにジローがエネルギーを補給してある)に乗って地球に戻る事が出来た。
ビジンダー
対01用に造られた人造人間。
ザダムの念力で苦しめられる激痛回路を内蔵されており、激痛を和らげるため上着の第3ボタンを外すと内蔵された水爆が爆発する仕組みで、シャドウは何かにつけてこれをイチローらに外させようとしていた。
01に良心回路を内蔵されたことで自身の意志でシャドウを離反した。
ワルダー
ハカイダーと同じく、純粋な構成員ではない。
正々堂々とした性格だが、それゆえシャドウには馴染めなかった。
萬画版ではビジンダーの兄として登場したが、特撮版とは全くの別物。
戦力
シャドウ殺人部隊
ロボットは動物型だったり、オカルト系だったり、訳の分からないデザインだったりで、あまり一貫性がない。
ちなみに、ダーク破壊部隊のデータをハックして作ったと思しいロボが非常に多い。
シャドウゴーレムはキリギリスグレイ、死神ロボットはミドリマンモスとほぼ同型である。
大人の事情を言うと、実は制作予算と時間が厳しかったため、前作のモノなどをいろいろ流用している。特に後期になると、衣装倉庫のありとあらゆる物を活用したと思われるキャラクターが多数登場している。
シャドウマン
戦闘員。赤と黒のツートンカラーが特徴。
ロボット故、倒されると爆発する。
ほとんど憂さ晴らしに壊されることもあり、不憫。
しかも、無闇やたらと浪費したせいで、終盤の人手不足につながっている。
ちなみに、これもハカイダー四人衆のアンドロボットのハックと思しい。
アクアラングマン
シャドウマンに替わる戦闘員として作られたロボット。
巨大メカ等
- ブラックサタン…シャドウが誇るスーパーコンピューター。これの支持の元、シャドウは抹殺対象を選ぶ。しかしプロフェッサー・ギルの子どもを探してまったくの見当違いの結果を出したりと優秀ではない。ストロンガーやヤプールとは関係ない。本編に実物は登場しない。
- ジャイアントデビル(アーマゲドン・ゴッド)…ギルが設計した巨大ロボット。遮光器土偶のような不気味な姿が特徴。会話機能があり、頭からはデビルミサイルを放つ。とここまで聞けばいかにも強そうなのだが、物語中盤で「ダブルブラザーパワー」であっさり破壊された。
『KIKAIDER00』ではXASHのメカアーマゲドン・ゴッドとして登場している。漫画版/アニメ版ではギルハカイダーの作った移動基地として設計されており、事実上のラスボスとして登場する。こちらはあらゆる物を仮死状態にしてしまう「E.S.E.砲」や、近距離絶滅用兵器「アーマゲドンX」、「アーマゲドンY」、劇中未使用の「アーマゲドンZ」などの兵器を備えている。TV版とは違ってキカイダー3兄弟の力をもってしても勝ち目がなく、内部から破壊する他無かった。これをキカイダー兄弟で撃破できるかどうかが、特撮版と漫画版の決定的な分岐点と言える。
- タイムマシン…門のような形のタイムマシン。タイムテレビのようなものも併用しており、大幹部ザダムの力で自由な時間旅行が可能。
- 偽UFO…UFO騒動を起こしてそれを調査しようとする科学者を集めて誘拐する作戦に利用されたが、攻撃性能もある。
- 空中戦艦…天変地異を起こし、偽UFO以上の戦闘力を持つが、それをうまく操縦できるものがいないため、わざわざ適合者を探して誘拐していた。
- 影法師製造機…人間や人造人間の影を3分間だけ実体化し、影法師ロボットを生み出す「シャドウ作戦」を行った。影法師ロボットは被害者の2倍の強さを持ち、また正反対の性質になっている。
- ロボット再生装置…壊れたロボットを次々に再生する装置。掃除機の吸い口のような部分で壊れたロボットを吸入・再生する。光明寺博士がスイスで開発した物を強奪したが、博士はこの装置に30回作動すると自爆する仕掛けを施しており、これによってシャドウは壊滅に至った。