「俺の計画を見抜いたかもしれんが貴様も生きてここから出られん!」
登場作品『仮面ライダー(新)』
第8話「ムカデンジンの罠 謎の手術室」
CV/槐柳二
概要
ネオショッカーが作り出したムカデの改造人間。尻尾をムチのように伸ばし、爆発性のガスを放出する。
ネオショッカーに資金援助することを拒んだ銀行の村上頭取を襲おうとするも、組織からの脱走者で空手家の進堂誠の話を聞いていた筑波洋が待ち伏せていたため失敗。
協力者となった誠から東北ダムに猛毒ノムコロンを投入する計画を企んでいると聞かされ阻止しようとするスカイライダーを襲撃した。
その正体は進堂誠で、ライダーを信用させてアジトに連れ込み再改造することだったが、ライダーにはお見通しで、激突の末スカイキックを受け消滅。
ゼネラルモンスターはムカデンジンに対して「口ほどにもない」と言う一方、ライダーには「ネオショッカーの一員ならどんなに頼もしいことか…」と評した。
進堂誠
「仮面ライダー、君が改造しゅじゅつをされたのは、ここではないのか?」
ムカデンジンの人間態である空手の得意な青年。
「改造手術を受ければ世界一の空手の名手になれる」というネオショッカーの言葉を信じ改造手術を受けるが途中で手術台の動力装置が故障して意識を取り戻したことで改造手術に失敗したと見做されるも、取り押さえようとしたアリコマンドたちを得意の空手で蹴散らして脱走。その過程でスカイライダーに助けられるも、彼を拒絶して去っていった。
その後急襲してきたアリコマンドによって袋叩きにされるも再度駆け付けたスカイライダーに助け出され、洋の部屋で看病された彼はそれまでの態度を一転して改造人間にされて経緯を洋に話す。「自分もネオショッカーと戦う改造人間だ」と言う洋と意気投合した彼は2人で猛毒ノムコロンの投入阻止に尽力後、自分が改造された手術室のあるアジトへと向かうが、逆に閉じ込められてしまう。だがこれらは全て芝居の一環であり、しかもなぜかスカイライダーには見抜かれており、ムカデンジンの正体を現す。
余談
一部書籍やビデオの紹介分では「ノムコロンをばらまくことが使命」と記載されていたが、ノムコロンの作戦自体は物語的には大きく関わっていない。(一瓶ダムに放り込まれたが、何事もなかったように話が進んでいる)
協力者を装って洋に近づいた誠だが、冒頭アジトの動力室がたまたま故障して手術中に逃げ出しており、たまたまパトロール中のスカイライダーに助けられるも「改造人間に助けられたくない」と最初は非協力的だったり不可解な点がみられる。
おそらくゼネラルモンスターはサソランジンの件を踏まえ、より強化した誘導型改造人間として誠を改造していて、脱走してライダーに助けられた時は正気だったが後から組織に従うよう遠隔操作されていたと考えられる。
仮にこの説が正しいとすると、7話で計画が進んでいないとされたゼネラルモンスターが続く9話で昇格できたのは、この手術結果が実績につながった可能性がある。
手術シーンを見るに、改造はすでに完了しており白コマンドはその事実を知らされぬまま無意味な手術を行わされていたとも考えられるが詳細は不明。
正体を現す際の笑みやその直前までの態度から、自ら進んで改造され脳改造を受けていない、腹をくくった悪人だった可能性も考えられる。
死後のゼネラルモンスターの言葉から推測すると筑波洋を罠にはめる作戦は自ら提案したものであった可能性もある。
また、誠について資料は空手家としているが、脱走時に使用していた技や雄叫びは中国拳法を思わせるものであり、複数流派を学んでいた可能性がある。
なお、組織からの脱走者が視聴者にしか見えないところで意味深な言動をとるも、それらはすべて主人公を油断させるための作戦だったという(多少ツッコミどころがある)展開は、この回と同じ伊上勝が脚本を担当する人造人間キカイダー15話やスーパーロボットレッドバロン21話でもあったりする。やや筋道は異なるが、仮面ライダー79話もこういう展開だし。
(この展開に限らず伊上氏はプロットを使いまわすことが多い)