概要
笠原真樹による漫画。『週刊ヤングジャンプ』にて連載された作品。
公式サイトによる正式名は『群青戦記 グンジョーセンキ』であり、群青戦記の後にカタカナでグンジョーセンキと入る。
また、公式サイトでは第一部完と記載されているが連載終了には含まれていない。
2021年1月より、短期連載となる第二部の『真・群青戦記』が『週刊ヤングジャンプ』にて連載がスタートし、2022年3月にシリーズが完結した。
2021年3月21日、『ブレイブ-群青戦記-』として実写化された。主演は新田真剣佑。前年に急逝した三浦春馬の遺作でもあり、後の徳川家康である松平元康として出演している。オレンジ文庫からノベライズが出ている。
ストーリー
スポーツ強豪校『星徳高校』
そこに通う主人公西野蒼は、幼馴染の松本孝太、瀬野遥とともに学校生活を送っていた。
そんな、ある日の放課後、学校が赤い雨と濃い霧に覆われる。
校内を彷徨う火の玉と襲い掛かる謎の武士
そして、窓の外には400年以上昔に焼失した安土城がそびえ建っていた…。
登場人物
ネタバレを含みます
星徳高校
弓道部2年。実績は近畿大会4位。
本作の主人公でスクールカースト3軍の戦国オタク。弓の腕も高いのだがメンタル面の問題で本番に弱く近畿大会4位止まりになっている。
タイムスリップ後は「戦国時代なら自分は活躍出来る」と思っていた幻想も憧れの戦も武将も自らが美化していただけだったと苦悶しながらも知識と弓の腕を頼りに戦国時代に順応していく。
蒼の幼なじみで剣道部主将。実績は全国準優勝。
生徒会長も務める文武両道であり、かつスクールカーストのような悪しき風習を嫌う道徳心のある男。
早い段階で戦国時代に順応し、持ち前の剣道の技術で校内の防衛と初の戦となる今浜城の戦いでも大活躍したものの、秀吉との一騎討ちの際に後ろから発砲され死亡する。
弓道部2年。近畿大会準優勝。蒼の幼なじみで序盤のヒロイン。
最初に秀吉に誘拐され彼氏であった孝太を失った事で影を落とす事になった。
アメリカンフットボール部2年。滋賀県大会優勝。
元々荒れていたところ体格の良さからアメフトにスカウトされた経歴を持ち、荒れていた過去からか最も早く戦国時代に順応し、最後まで主力として活躍する頼れる男。
自称マザコンで最後の戦う目的は母の待つ家に帰る為。
野球部3年。甲子園3回戦出場。
既にドラフト指名を受けているピッチャーで高校スポーツのエリート揃いの校内でも飛び抜けた逸材。
早い段階で戦国時代に順応したものの、将来が決まっている事から他の野球部員達の手で戦からは遠ざけられ、人格者な事もあり戦に出なくなってからは校内のまとめ役として活躍。
そこで学校の守備に付いている雑兵の石田三成と出会う。
野球部2年。
2年ながら正捕手を務める眼鏡の少年。バッテリーを組む藤岡を気遣い戦から遠ざけている。
早期に戦国時代に適応し主力として活躍したものの、中国攻めの最中に上杉謙信に切られ死亡。
トレードマークの眼鏡は懐かれていた戸田が回収し遺品として最後まで持っている。
卓球部2年。シングルス全国1位。
「キシシ」という笑い声が特徴。ゲーム感覚で人を殺せるぶっ飛んだメンタルの持ち主で戦国時代には即座に適応し、包丁二刀流で猛者を切り捨てる。
傷つく事を厭わない戦闘スタイルで戦闘後に倒れては毎回緒方に運ばれていた事で緒方に懐き、緒方が切られた際には真っ先に向かっていき、遺品となった眼鏡はずっと身につけている。
最終回で眼鏡を胸にかけた短刀二刀流の武士がいる事から戦国時代に残った模様。
ボクシング部3年。近畿ブロック代表。
元々無関心無頓着の空虚な人間であり、偶然始めたボクシングの痛みに出会った事で生の実感を手に入れたドMボクサー。ボクシングに出会ってからも周囲の人間に打ち解けようとしなかったが、戦国時代に来てからは頼り頼られの関係となった生徒達にゲキを飛ばすなど友好な関係を築いている。
フェンシング部3年。エペ5位。
一部の親友や敵以外には常に敬語で一人称は「私」。タイムスリップ当初に親友の佐伯俊が目の前で加藤清正に殺された事で清正への復讐心で戦場に立つ。
信貴山城の戦いで柳生の村田左馬之助を討ち取る大活躍をするなど主力として活躍したが、伊賀の里で柴田勝家に切られ討ち死する。
クライミング部3年。全国3位。
素手で闇夜の石垣を荷物や人を背負いながら登れる事から吉元や戸田の足となる事が多い。
妹の慶子を溺愛しており、妻を質に取られ、信長を殺そうとする徳川に「人間なんてそんなもん」と唯一同意している。
科学部2年。
幼少期の親友だった女の子が不治の病で亡くなった事から科学の道に進んだ過去があり、学校にあるありとあらゆる物を駆使しては化学兵器を作り上げ戦力を賄うキーパーソン。
本人の戦闘力は皆無に近いが、高電圧のスタンガン、失明するレベルのレーザーポインターを護身用に持ち、伊賀の里では戸田と手を組み前田慶次を討ち取る大金星を挙げた。
最終話では戦国時代に取り残され「僕らも立派なオッサン」と嘆いていた。
漫画研究部2年。
本編開始時にいじめがきっかけで自殺した木本の友人であった。
ほとんどの生徒からの呼ばれ方は漫研。
最終話では戦国時代に取り残され軍の絵師として活動している。その際童顔だった顔は髭と髪がモジャモジャですっかりワイルドになっていた。
空手部2年。全国3位。
自称全身凶器。高橋からは「空手バカ」と呼ばれている。初の出陣となった信貴山城の戦いではラッキーパンチながらも飯田源基次を討ち取った。年齢相応で下ネタや色恋沙汰が好き。
最終回で上段蹴りで敵を倒してる武士がいる事から戦国時代に残されたと思われる。なお本人は「飯がまずい」「エロ本読みたい」「女とヤってみたかった」と現代への未練はタラタラだった。
特進科2年生。帰宅部。
IQ161を越える全国一位の天才で、全ての感情が麻痺した無口な生徒。指を合わせてトントンと素早くリズムを取る癖があり、吉元萬次郎いわく機械合成のような抑揚のない喋り方で言葉を話す。
飛び降り自殺で死んだと思われていたが、一足先に戦国時代にタイムスリップし、明智光秀を取り込み織田信長を麻薬で廃人同然に追い込んでいた本作の黒幕だった。戦知恵を活かし、戦国時代にはない銃火器や蒸気船を造ったり、非現実的な戦闘スペックを使って戦乱の世が続くために暗躍する。
体操部2年。全国26位。
イジメが原因の飛び降り自殺をしたと思われていたが、不破と共にタイムスリップしていた。
校舎がタイムスリップしてきた際は自らをいじめていた生徒を虐殺するなどの悪人で不破と共に行動していたが、不破に裏切られ生徒達に捕えられた。
紆余曲折の末に本能寺の変に参加し、生徒と共に武功を上げたが、森長可に討たれ死亡。
戦国時代の人々
史実ではサルやブサイクと伝わっていたが、現代人から見れば美青年であり、教科書に書いてある事に不満を持っていた。先の世の知識を持つ生徒らに興味を持ち織田に引き入れた張本人。
棍棒を持って戦う原始的な風貌の大男。高橋を気に入っている。
秀吉とは親しく「藤吉郎」呼び。
創作者でありがちな病気で醜い顔を白頭巾で隠していないが、喋り方はオネェ。この時代では当たり前の事だが割とグレーゾーンなお方。信貴山城の戦いに30人を要求し武器と装備と食事を用意し、成瀬の頼みでレイピアを用意するクセモノ。
校舎攻めの当時は雑兵。成瀬の親友を殺した事で恨まれている。
最終的に成瀬の戦いに割って入った黒川に殴られ消息不明に。
当初は不破の手により麻薬入りの茶を出され続けた事で廃人状態で、毒抜きとして伊賀の里に匿われた際にも心肺停止に陥るなど常に不安定だったが、吉元のAED処置で蘇生してからは魔王として各地を蹂躙。
最終的には世界を支配しようとしていたが、史実とは異なる本能寺の変で死亡。
名軍士として基本的に羽柴軍でありながら中立的な立場を貫き蒼に戦術を説いた戦国の師。
既に病に蝕まれており自らの死期を悟っている。本能寺の変で蒼と交戦し策を破られ死亡。
天下泰平を夢見る大名。家紋と同じとして蒼を気に入っている。
不殺を信条として自らの持ち出す刀は刃を落とした天下一のなまくら刀であり、武器を壊し、最低でも腕を壊す事しかしない。
九州攻めで突如現れた上杉に対し援軍として交戦したが、謙信に討たれ、死に際に蒼の正体を見抜き、彼に徳川家康を託し死亡した。
徳川家康が全てを託した蒼には協力してくれる戦国最強の男。高橋から熊呼ばわりされた。
たとえ何があろうが、徳川が生徒達の城を建て安全を約束すると誓い、蒼を徳川の後継とするべく他の生徒らを鍛え上げる。
徳川に使える忍者。本能寺の変を成功させる為に忍びの技を伝授し安土城攻めを担当する。
大人として当主を支える者としての厳しい人間だが娘には甘く、娘に手を出す者には容赦しない。が、いろいろあって蒼のお義父さんになる。
半蔵の娘にして終盤のヒロイン。
当初は政略結婚で宿敵の多羅尾に嫁ぐ事が決まっていたが、戦です多羅尾が全滅した事で破断。今度は蒼を徳川の後継ぎにする為に蒼と婚姻を結ぶ。元々いい感じで政略結婚ではあるが、幸せな結婚になると思ったのも束の間、織田信長に質として連れ去られる。
最終話で救助され徳川の妻として二児を授かった。
普段は鬼の仮面を付けた弓の名手。忠勝に並ぶ徳川の猛将。
前線に出るメンバーが忠勝と半蔵にしごかれてる頃に吉元や菱沼らに同行して校舎の調査に回った。
徳川家家老。普段は生花を嗜む老人だが静かながら圧倒的な威圧感と忍びの心音を聞き分ける超人的な感覚の持ち主。徳川の後継人に純血を求めて家康の言葉を無視して家康の嫡男である信康を推す蒼の徳川相続の壁。信康の異常さに気づいているものの、止める事が出来ない。
徳川家康の実の息子。史実では切腹を命じられる程の狂人であり、本作でも無駄な殺生を推進し武による天下を目論んでいる。徳川の後継ぎ争いとして武田勝頼の首を掛け同時に出陣するも蒼に先を越され武田勝頼を討てず終わるが、蒼を殺し全てを奪おうとした所、井伊直政に切られ死亡。
信康に使える隻眼の武士。凶悪な信康を時に強引に抑える実力者。
父に認めて欲しい信康の信条を理解しつつも、徳川への忠義で葛藤。最終的に徳川の為に信康を切り「家康様がお待ちです」と涙ながらに介錯。自らも自刃しようとするも蒼に「逃げずに戦えよ。それが貴方の責任の取り方だ」と説得され蒼に仕官する。
不破に踊らされた戦国時代の悪。未知の技術を持つ不破に心酔している。
信長をあと一歩まで追い込んだが、信長が目を覚ました事で一気に戦況を悪くし、安土城で石田三成に討たれて死亡した。
信長の家臣の美少年。
信長が連れ帰った質へ最初は手厚く対応していたが、1人が逃げ出した事で劣悪な環境の地下牢に回す無慈悲な人物。最後は歴史とは異なる本能寺の変で死亡。
鬼武蔵で伝わる槍の名手。武人としての背骨を探している。
信長ガチ恋勢とも言えるほど信長に忠義を誓うヤンデレ。
本作では最も現代人に狂わされた人間として描かれ、徳川家康を討ち取り、本能寺の変の首謀者となり、山崎の戦いで果てる。と史実と最も異なる武将となった。
蒼からは希望だった家康を殺し、師の竹中半兵衛を殺し、多くの友を殺した信長に匹敵する悪人として見られている。