概要
学名は Hierodula patellifera。本州の関東地方から沖縄にかけて生息しているカマキリで、大きさは平均して6㎝ほどと、日本に生息しているカマキリの中では中型種に相当する。
他の日本産カマキリと比べて体が太くずんぐりした体型で、翅には白い模様が一対あり、鎌の付け根近くに黄色~白のイボがある事が特徴。
以前はこのイボの数が3つだとハラビロカマキリで、4つだと別種のハラビロカマキリモドキ(Hierodula saussurei)とされていたが、現在は同種内の変異とされている。
沖縄県大東諸島には、ハラビロカマキリより大型化し、鎌の付け根近くのイボが無く、代わりに白銀色の帯が入る亜種のダイトウハラビロカマキリが分布する。
実際には見つけにくいだけで、街中でも個体数は多いのだが、草原でよく見られるオオカマキリやチョウセンカマキリと違って山地や樹上を好んでいる為、あまり人目につくことがなくちょっと珍しい種類である。人間に対しても果敢に威嚇する上記2種に比べると比較的おとなしく、葉っぱの陰に隠れることが多い。
どういうわけかカマキリに寄生していることで有名なハリガネムシの寄生率が異様に高いことで知られている。
近年においては外来種のムネアカハラビロカマキリとの生存競争に敗れ、数を減らしている地域も存在する。
天敵
あまり身体が大きくないのでオオスズメバチによく狩られ、同じカマキリでもオオカマキリやチョウセンカマキリなどに捕食されてしまうことが多い。
が、樹上ではハラビロカマキリに分があるようで、オオカマキリやチョウセンカマキリを逆に捕食してしまうケースもある。
類似種
近年日本で外来種として知られるようになったムネアカハラビロカマキリという種が存在する。
同じ属なのでかなりそっくりだが鎌にあるイボが細かく、体の大きさもこちらの方が大柄であり、比較的おとなしいハラビロカマキリに比べて気性も荒め。
海外には似た様な見た目の近縁種が多数分布し、日本のと同じ種がどこまで分布しているかも不明で、分類が混乱している。
関連タグ
ムネアカハラビロカマキリ:よく似た外来種。