人物
野沢那智主宰の劇団薔薇座出身。81プロデュース所属。日本大学芸術学部放送学科(アナウンスコース)中退。
本名は、字は同じで読みが『つくい のりお』。
声優・俳優のほか、ミュージシャンとしても活動している。また、声優養成所で講師を務めており、後進の育成にも積極的に携わっている。
声優デビュー前の高校生の頃、漫画研究会のメンバーとしてアニメ出品会に参加したのをきっかけにある作品に出演しており、この時に曽我部和恭や中尾隆聖、神谷明などのプロ声優や、後に所属する81プロデュースの社長と知り合ったと明かしている。
プロの演技を目の当たりにして声優業に興味を持つが、同時に自身の力不足を痛感し、大学に進学して基礎から演技や発声を学んだ。
デビュー当初は声優業と俳優業両方に取り組んでおり、後に声優業の比重が大きくなった。調理師免許を取得しており、かつては芸能活動の傍ら自身で店を開いていたが、役者仲間のツケが溜まったことに腹を立てて3年ほどで店を畳んでいる。
高めのはっきりとした声が特徴。三枚目や動物キャラなどを演じることが多いが、『スクライド』のストレイト・クーガーのような二枚目も演じている。
祖父から教わった早口言葉を得意としており、演技の中でたびたび披露している。
また、大きな代表作の一つに『ニャンちゅうワールド放送局』シリーズのニャンちゅう(声)がある。ニャンちゅう関連の殆どの楽曲で作曲も手がけている。なお、ニャンちゅうのあのダミ声は声優としてのテクニックがふんだんに盛り込まれており、本人曰く「完全習得までは3年ほどかかった」とのことである。
本人によれば「いいとこのボンボン」であり、父は東京電力に務めていた。幼少期、家の近くにダイヤブロック(カワダ)を開発した社長が住んでおり、この縁でパッケージや広告写真のモデルを務めた。
既婚者。妻とは劇団の勉強会で知り合った。息子が1人いる。
2016年ごろに弟をスキルス性胃がんで、2019年ごろに母を心臓病で亡くしたことを明かしている。
ALS発症とその後の活動
2019年3月ごろ、足に違和感を覚えて病院を受診。その後同年10月に特定疾患である筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症を公表した。
この時点では、歩行が困難になっているが声帯にまで症状が及んでいないので、様子を見ながら仕事を継続する旨も明かしている。
公表以降、自身のTwitterやブログ、ニュースサイトのコラムなどでリハビリの様子を綴っている。
2021年2月時点では病状が進行し、手が動かなくなってきたため、口で割り箸を咥えてキーボードを打ち文字を入力している現状を明らかにしている。また、視線入力(アイトラッキング)の練習も行なっているとも答えている。
2022年6月に、要介護5(介護が必要な度合いを表す要介護認定のうち、最も重度のもの)と認定を受けた事実を公表した。すでに2021年10月ごろから24時間体制での訪問介護を受けており、日常生活を一人で送るのがほぼ不可能な状態であると明言している。
症状が進行しても声優活動は継続しており(「抜き録り」で対処していると明かしている)、講師としては当初2020年3月を以って退職する予定であったものの、ZOOMを利用したリモートでの講義が可能となったため2022年時点でも続けている。
長年演じているニャンちゅうについても出演を継続していたが、2022年11月18日に降板を発表。2023年4月からは羽多野渉がニャンちゅうを引き継ぎ、津久井自身はアドバイザーとして今後も番組に関わると発表している。
2023年2月17日、所属事務所より「かねてより闘病中の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の症状が進行し、昨年末に気管切開の手術を行うと同時に人工呼吸器を装着いたしました」と報告があった。本人も同日にYouTubeチャンネルを更新。2022年12月2日に体調不良で入院し、5日には一時は呼吸停止・意識不明の状態に陥ってしまったこと、9日に気管切開・人工呼吸器装着手術を受けたことを明かしている。また、年末には(経口での)通常の食事をして栄養を摂取することが難しくなったため、胃ろうの造設手術を受けたことも合わせて公表している。
本人は2022年6月時点のコラムで「(気管切開により、声優として、これまでのような声が出せなくなることから)現時点では51対49で、気管切開はしないという意思を持っている」と言及していた。YouTubeの動画では「入院からの一連の体験を受け、自らの意思で気管切開に踏み切った」「声は(少なくとも今までと同じ形では)出せなくなったが、今後も前向きに、自分にできることを模索していきたい」という主旨のコメントをしている。
またメディアの取材に応じ、先述の出来事を語り、周囲に支えられリハビリ生活を送ってると述べた。
以上の理由から現在は事実上声優業を引退した状態である。
主な出演作
リーガ・プラティカ(ダライアスバースト)@アルカノイドvsインベーダー
※1前述の通り、後任は羽多野渉。
※2前述の気管切開術に伴い、後任は根本幸多。
※3何役か兼任しているほか、シリーズ外伝の『魔女見習いをさがして』にも大学講師役で出演。
外部リンク
本人のサイト『KYOUSEI ISLAND』
本人のブログ(新)『きょうせいのブログ』
本人のブログ(旧)『絵空事計画』
本人のTwitter『津久井《工房や》教生@koubouya』
YouTubeチャンネル『津久井教生チャンネル』